11月23日(祝)、江戸川陸上競技場では「第2回全国女子ラグビーフットボール大会」が開催。女子15人制ラグビーの日本一を決める関東大会1位と関西大会1位による「会長杯」(40分ハーフ)と、各地域大会の2位以下による順位決定戦(30分ハーフ・15分ハーフ)が行われた。
「会長杯」の前に行われた5位決定戦はPTBR(東京フェニックスRC、YOKOHAMA TKM、BELL 7、Rugirl-7 の合同チーム)が5−0で世田谷レディース・ARUKAS合同チームに勝利した。また3位決定戦は、RKUラグビー龍ヶ崎GRACEが追手門学院大学・寝屋川ウィメンズ・ORS合同チームから10トライを奪い60−0で勝利した。
そして第三試合として行われた日本体育大学ラグビー部女子(関東大会1位)と名古屋レディースR.F.C(関西大会1位)の試合は序盤から、日体大が優位に試合を進めた。フラットなパスでラインブレイクを連続で決めゴール前まで迫った。名古屋も粘り強いディフェンスでトライを許さない。
25分、日体大はゴール前5mのラインアウトがからモールを組むとWTB名倉ひなのが先制のトライ。PR南早紀のコンバージョンも決まり7−0とする。直後の27分、CTB高野眞希がビックゲイン。再び名古屋陣内でボールが展開。何とか自陣を脱出した名古屋だったが、名倉のリターンで再びゴール前に迫り、29分、南がトライ。14−0とリードを広げた。さらに日体大は36分にHO及川由季のトライで19−0とリードして前半を折り返した。
後半に入っても、日体大の勢いは止まらず、42分にLO松尾綺子のトライで24−0と大きくリードすると44分、名古屋はSH川岸由希奈がシンビンで一時的退場となり、直後の45分、日体大FB庵奥里愛のトライで31−0。47分にもNO8伊藤優希のトライで勝負を早々に決めた。何とかトライをしたい名古屋は最後まで諦めず攻撃すると、57分、敵陣22m内側のラインアウトモールからFWで押し込みPR山本さやかがトライを決めるがここまで。日本体育大学ラグビー部女子が名古屋レディースに38−7で完勝し、女子15人制ラグビー王者となった。
古賀千尋監督:昨年のチームと比べて1年生が10人入学してBKはほとんど新しいメンバーでのチャレンジでした。そのためシーズンの初めの頃は非常に苦しみました。部員は全員で26名ですが内、1、2年生で20名。非常に若いチームで、7人制の経験者が多く15人制の経験が少ないためゲームメイクなど局面での判断に課題がありました。特に関東大会では目立っていましたが、日々勉強して、努力してきましたので、その成果が現れて今日は判断がよかったかなと思います。
片岡瑞帆キャプテン:素直に勝利できて嬉しい、昨年から大きくメンバーが変わった中で4月はセブンスのシリーズに向けた練習をしていました。例年より練習回数は少なかったと思いますが、限られた時間の中でいっぱい練習を積み重ねてきたことが自分たちの自信になり、プレーにつながり勝利することができたと思います。若いチームではありますが、体力面、粘り強さ、という自分たちの強さを名古屋相手にもできたと思います。関東大会と合わせてこの日本一決定戦も3年連続で優勝することができました。来年度も日本一を目指すチームでありたいと思うのはもちろん、もっと強くなれると思っているので日本の女子15人制を引っ張っていけるような存在であり続けたいと思います。
ーーFWだった高野眞希選手をBK(CTB)にコンバートしたのは?
古賀監督 BKは(選手コンバートが)本当に大変でした。ただ高野の場合、代表の練習に呼ばれてから大分ディフェンスがよくなってきたのでそういう面でも、突破力もあるのであの位置におくのは安心感があるので。
ーー連覇を重ねていく中で日体大として進化していることは?
片岡 私は今3年生ですが、1年生の時から変わらないのは「ひたむきなタックル」や「負けん気」「粘り強いディフェンス」、どこのチームと対戦しても組織力で戦うというスタイルは新しいチームになっても変わらず、全員に染み込んでいると思います。
古賀監督 指導を初めて7年目になりますが、初めの頃はFWが弱いチームでスクラムも押されることを前提に練習をしていたりしていました。それに比べるとFWは筋力的なことも強化が進んできてFWも力をつけてきました。FWの主張が激しくなってきました(笑)。
ーー女子ラグビーでは今、セブンスが脚光を浴びていますが来年は15人制もワールドカップがあります。どちらに重きを置いていますか?
古賀監督 個人差はあると思います。
片岡 私の場合は100%15人制です。
ーー15人制の魅力というのは?
片岡 80分間という試合時間、あと人数。限られたスペースを自分たちで攻めてスペースを作り付いていく。みんなでボールを繋いでいくいう部分が好きです。今、日体大は単独で出場できているので、人数が多いからこそのコミュニケーションだったり、互いの信頼があるなと思っています。
ーー2017年のワールドカップも目標としていますか?
片岡 できるだけ多くの選手が日体大から代表に選ばれるためにもっともっと練習に励んでいかなければならないと思います。