7月5日、ラグビー日本代表は「リポビタンDチャレンジカップ2025」ウェールズ代表との一戦に挑み、勝利が求められた試合に見事24‐19で後半逆転勝利を収めた。
この試合でファーストキャップを獲得したPR紙森陽太(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)は、80分フル出場。試合後の会見でエディー・ジョーンズHCは「驚くべき活躍だった」と紙森を称賛した。紙森は「ファーストスクラムから押せるぞと感じた」と話した。

フロントロー、竹内柊平。原田衛。紙森陽太
また、HO原田衛とPR竹内柊平も同じく80分フル出場した。ジョーンズHCはこの起用につして「相手にドミネイトしているにどうして変える必要があるんだ?」と試合後の会見で話した。
灼熱の厳しい状況の中、戦い抜きチームの勝利に大きく貢献したフロントロー3人のコメントを紹介する。
PR紙森陽太

紙森陽太
(スクラムは)最初うまく行ってなかったんですけど、レフェリーとのコミュニケーションや原田選手、竹内選手とのコミュニケーションを密に取ることで、どんどん修正できました。ファーストスクラムから押せるぞっていうふうに僕は感じたんで、あおはもうレフェリーさんとどうコミュニケーションを取るかというふうに感じてました。
なので、後半はうまく修正できた結果だと思います。相手は低さを嫌がっているような感覚はありましたね。ヒットしたあとだったr,相手は力があまり伝わっていないような印象はありましたね。

――スクラムで後半修正した部分とかは?
途中で行き過ぎてしまったところがあったので、そういうところはヒットコントロールのところはやりました。
――相手の3番は体が大きかったですけど
そこは大丈夫でした。僕の中では体の大きさというよりは、使い方だと思っています。
――それはチームでもオペティ・ヘルを相手にしているということも大きい?
それもありますね。自分の感覚的にはオペティのような感じだったですね。ヒットスピードはオペティの方があるんで。いい経験ができているのでそこは出たと思います。

――80分出場でした。エディーHCは「ドミネイトしていたので変える必要がない」と言われていましたが。
いやあびっくりしました。フルタイムは大学以来ですね。大学では常にフルフルだったので。
――ファーストキャップがフル出場というのはどうですか?
終わってみればすごく光栄なことですし、しかもウェールズ相手に勝利できたんで、忘れられないすごくいい思い出になるようなファーストキャップだったですね。

――ジャージは2枚もらえますが・・・
1枚は交換しました。1枚は家族に送りたいです。ファーストキャップはすごく目標にしていたところだったんで、光栄なことです。これからもっとキャップを積み上げて日本の勝利に貢献できるような選手になりたいです。疲れはめっちゃ感じています。
揃って三人フル出場というのが、逆に心の支えになりました。隣を見て同じ気持ちだなと思いますし、自分だけがしんどい顔をするわけにいかないと思うんで、
――ディフェンスについて
ハーフタイムの時にもっと前に出ようという話をして、そこがしっかり体現できた結果じゃないかなと思います。

――疲れがある中でそれを繰り返すのは大変だと思いますが
そうですね。合宿の中でハードなトレーニングをしてきたので。(相手は)わからないですけど、まあ、疲れているようなボディーランゲージの雰囲気で疲れている印象はありました。自分たちは2週間以上準備してきたという自信もありますし。
――日本代表の練習を経験してみて
結構タフな練習が多いので、その結果が今日の試合につながっていると思います。(何がきつい?)すべてキツイんですけど(笑)。
――エディHCが「練習中にワークレートを高めようという意識を感じる」と言われていました。実際にその辺は意識していますか
はい。ワークレートという部分が自分自信すごく課題だと思っていて、練習中でも意識していますね。倒れたあとの起き上がるスピードだったり、状況判断のところなど。
――来週に向けて
この勝利に満足せず、勝利出来るように準備していきたいですね。

――来週、(母校・近大)中島茂総監督も見に来るといわれていましたよ
本当ですか? じゃあ、必ず出れるようにアピールして頑張ります!
HO原田衛

原田衛
――ウェールズ相手に1勝1敗でおわるのと、2勝で終わるのとの違いは?
もう1回、相手が本気になってくると思うんで、そこを僕達が努力して勝ったら、加速的にまた成長ができるんじゃないかなと思います。
――ゲームメイクについて
前半すごくミスが多くて、大味な試合になってしまいましたけど、その中でもセットプレーが安定していれば、こういったゲームに持ち込めるというのは、いい経験になったので来週もしっかり準備したいですね。

――スクラムが改善でしたのは
フロントローでアングルの話をして、どの方向に押すかということを。それでいい感じにスクラムは組めたかなと思います。課題は本当に色々とありますけど、まずはアタックのところでターンオーバーが多かった。2人目の準備とか、1人目のボールキャリーもすぐ倒れたらジャッカルがあるんで、倒れずにファイトするという部分も課題かなと思います。
――一人少ない状況での打開策は
スクラムとラインアウトはしっかりFWがコントロールできる状態なので、そこは安定させようと思いました。

――ウェールズ戦に向けてカレンダーを用意して、そういうのはプレッシャーにならなかった?
あんまりそんなプレッシャーにはなってなくて、去年のこともあって毎試合毎試合フォーカスするということで、この試合も1つのゲームとして捉えていました。去年はテストマッチで絶対勝つんだと毎回決勝みたいなことを思っていたんですけど、それよりは、まずは1つのゲームとしてそんなにこう大きく鳴りすぎずに僕は臨みました。
――その方がよいと思って?
まあ、あんまりそんなことないです(笑)。結果的に勝てたので良かったなと思います。
PR竹内柊平

竹内柊平
このウェールズ戦で14キャップ目で初めてティア1を倒したので、本当に嬉しいです。試合に出場していたメンバーだけでなく、サポートメンバーも一体になっていい準備して、勝利を目指したところが大きかった。
――80分間フル出場した点について
スクラムの部分でかなり優位に立っていたので、(80分間)使ってくれたということはすごくありがたいことです。スクラムで勝ったという印象は、絶対次にもつながると思うので。それは自分でも自信にもなりました。

――ウェールズのスクラムについて
ウェールズのスクラムは1番が僕の方に来るスクラムを組んできたので、最初はそれに対して少しイン気味に組んでいたんですけども、それだとお尻が割れちゃってセットアップで(ペナルティ)1本取られてしまったので、そこをワーナーが指摘してくれました。

俺がやるんじゃなくて、(原田)衛と紙森で修正してほしいといって真っ直ぐ組むようにしたら日本らしいスクラムが組めるようになりましたね。
世界的には相手の1番のようにイリーガルな組み方をすることが多いので、それに対して僕達はずっと真っ直ぐ組むというイメージをもって修正したことを見せることができて、それがしっかりレフェリーにも伝わりました。
後半は全員がまとまったからこそ、相手のリザーブパックを倒すことができました。
――マオリ戦にも出場して、さらに今日フル出場して、フィジカル的な部分は?
まあ、すごく楽しいです。試合に出れば出るほどレベルアップできると思っていますし、使ってもらえることでレベルアップしているなと実感するので嬉しいですね。
暑さはもちろん、キツイです(笑)。この前のマオリ戦もそうですけど。そのキツイのが日本代表らしいというか。エディーさんがよく「日本代表らしく戦え」と言われるんですけど、代表が楽にやっても勝てない、そうじゃなくて僕らは相手よりきついことして、相手よりも走り勝つというのが日本代表らしさだと思っているので、今日のコンディションはそういうことをはっきりさせるいい試合でしたね。
前日練習の時に「やばっ」と思いましたけど、宮崎では試合よりきつい練習をやってきたんで。
――モールディフェンスは
モールだけでなくラインアウトも本当に準備してきたことが出せたかなと思います。

竹内が見せるルーティン
――スクラム前のルーティングは?
これまでお世話になった方の結晶というか、もう一度立ち返るためにやっています。自分の場合、カーっとなると全部空回りしてしまうので、一貫性を保つためにルーティンを取り入れています。
――セットプレーについて
僕らもセットプレーが鍵になると思っていましたし、前半はそこで勝っていたので、焦りはなかったですね。自分たちはそういうプランでしたので。

――北九州で代表として試合にでること
多くの人は秩父宮とかだと思うんですけど、僕にとってミクニはずっと(大学時代に)見ていた場所で、そこで代表選手として試合に出れるというのは最高ですし、初めてティア1を倒すというのは本当に最高です。