エディージャパン第2シーズンへ、宮崎合宿・カナダ遠征メンバー発表。若手中心の構成は変わらず「次世代の日本ラグビーを作っていきたい」 | ラグビージャパン365

エディージャパン第2シーズンへ、宮崎合宿・カナダ遠征メンバー発表。若手中心の構成は変わらず「次世代の日本ラグビーを作っていきたい」

2024/08/07

文●編集部


8月7日、ラグビー日本代表は10日から始まる宮崎合宿とパシフィックネーションズカップでカナダ代表のテストマッチに挑む遠征メンバー35名が発表された。セレクションポリシーと代表チーム強化についてエディー・ジョーンズHCが抱負を語った。

日本代表宮崎合宿およびカナダ遠征メンバー35名 (ポジション、名前、所属、キャップ数)

FW:19 名


PR 岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/2)
PR 三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/9)
PR 茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/3)
PR 木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ/5)
PR 竹内柊平(浦安 D-Rocks/6)
PR 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/3)

木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)

木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)



HO 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/44)
HO 原田衛(東芝ブレイブルーパス東京/3)
HO 松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ/0)

LO エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ/0)
LO 桑野詠真(静岡ブルーレヴズ/ 1)
LO サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/5)
LO ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/14)

エピネリ-・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)

エピネリ-・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)



FL サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/5)
FL 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/6)
FL ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/ 2)
FL アイザイア ・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/0)
FL 山本凱(東京サントリーサンゴリアス/1)
NO8 ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/8)

アイザイア-・マプスア(トヨタヴェルブリッツ)

アイザイア-・マプスア(トヨタヴェルブリッツ)




BK:16 名

SH 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/2)
SH 藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2)
SH 村田大和(京都産業大学2年/0)
SO 松田力也(トヨタヴェルブリッツ/39)
SO 李承信(コベルコ神戸スティーラーズ/14)

村田大和は報徳学園卒、今回招集されたWTB海老澤琥珀とは同期だ。

村田大和は報徳学園卒、今回招集されたWTB海老澤琥珀とは同期だ。



CTB 立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/56)
CTB サミソニ・トゥア(浦安 D-Rocks/3)
CTB 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/10)
CTB ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/0)
CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/20)

WTB 海老澤琥珀(明治大学2年/0)
WTB 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2)
WTB マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/0)
WTB ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/11)
FB 矢崎由高(早稲田大学2年/3)
FB 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/9)77)

U20代表として世界に挑んだ海老澤琥珀

U20代表として世界に挑んだ海老澤琥珀




リハビリテーション組:1 名 ※合宿参加
FLファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京/7)


エディー・ジョーンズHC 「今回のスコッドで20キャップ以上保持しているのは4名のみですが、これが現在の日本ラグビーの現状」

エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC



日本ラグビー再建のステージ2を迎えられて嬉しく思っています。PNC(パシフィックネーションズカップ)に参加する日本代表のメンバーは現在参加が可能な中で一番いいプレイヤーを選んでいます。またPNCは日本代表と同等のレベルの様々な国が参加しているところからも、これまでのキャンペーンよりも向上できると思うので期待しています。イタリア代表戦から振り返り、改善点を見ていきたい。イタリア代表戦ではポゼッションの40%がターンオーバーされたところが大きな改善点で、基礎の部分を改善することにフォーカスしていきたい。

若いチームと考えた上で、超速ラグビー、ペース、スピードを持ったプレーをしながら、落ち着きながら実行することが大きな肝となります。1つ目は基礎の部分を立て直し、構築していくこと。2つ目としてはチャンスを作り出して、冷静を保ちながらスコアに持っていくことが大きな課題です。PNCとても楽しみで期待しています。現状一番いいメンバーを選んでいます。キャプテンはまた追ってご報告したいと思います

――BKに大学生3人が選ばれています


前回のキャンペーンにはもっと多くの大学の選手参加してもらっていましたが、今回は、それぞれの所属大学に専念する選手も見られたが、永友TD(チームディレクタ)と協議の結果、明治、早稲田、京産大からありがたいご支援をいただいた上で、カナダの遠征には村田、海老澤、矢崎の3人が参加させていただくことになりました。他の選手や今後に関しては、パフォーマンスがベースなので、選考の対象になるのかは、パフォーマンスを見て決めていきたい。


――それ以外にも日本代表初選出が数名います


全員、それぞれの強みを活かしたプレーを期待したい。日本代表でプレーする機会が手に入ったばかりなので、超速ラグビーを体現していくことに、いかにはやく順応できるか、チームプレイヤーであるかを見極めていきたい。


――宮崎の合宿からカナダ遠征があるが、後半に選手の入れ替えはあるか?


セレクションについては現状、まだ日本にどのようなプレイヤーが出場可能か見極めている。日本にどんな選手がいて何名が出場可能で、我々のラグビーを体現できる選手が何人いるか見ながら、次のW杯に向けて進行中のプロセスと考えている。

PNCは大きなチャンスだと思っています。U20で活躍した海老澤 村田は、高いレベルでプレーするチャンスがある。セレクションに関しては進行途中のプロジェクトと見ている。今後のゲームはボールを大切に扱うことが肝になってくる。

我々はペース、スピードに乗ったプレーが他の国と差がついてくることなので決して変えたり別の方法を取っていくと考えていません。向上しなくてはいけない課題は、FWであればセットプレーの安定性を極めてボール勝ち取っていくこと、BKは勝ち取ったボールをハンドリングエラーをなくして展開していくか。その2点に重きを置いてトレーニングして、(PNCの)後半も試合に臨んでいきたい。


経験あるシニアプレーヤーは立川理道と坂手淳史の2人

経験あるシニアプレーヤーは立川理道と坂手淳史の2人



――FWはシニアプレヤーのリーチがいない。他のシニアの選手を呼ぼうとしなかったのか?


ジャパンラグビーの次の世代が大きな肝になる。今いる世代、選手が日本をトップ8、4に導いてくれる世代と信じている。今回のスコッドで20キャップ以上保持しているのは4名のみですが、これが現在の日本ラグビーの現状です。

前回W杯から、日本ラグビーが変わらないといけないことは明らかです。若手の育成にどんどん投資していかないといけないが、その過程には痛みも伴うし臨まない結果が出ることもある。しかし、若手の育成にはとても大きな自信があり、育成に力を入れて、次の世代のジャパンラグビーを作っていきたい


――カナダ戦以外はホームで開催されるPNCの目標は


超速ラグビーをどんどん向上させていくところが大きなメインの意図です。試合ごとにインテンシティー、レベルを上げていきたい。もちろんPNCで優勝することが一番の大きな目的です。テストラグビーは挑むからには勝たないといけないし、勝つことに意味があると思っています。同時に発育のステージにあることは認識しないといけないと思っています。若手のチームで、若い選手を育てることは忍耐力が必要。そういうことで超速ラグビーを極めて結果に結び付けていきたい。


「タレントをいかにパフォーマンスに変えていくかが我々の仕事」



――前回のキャンペーンで想像以上にポジティブだったことは


日本ラグビーで一番懸念していたことは若手の選手層でした。前回のW杯は経験値のある選手しかプレーしていなかった。選手層に関しては心配していたし、リーグワンで日本人選手は53%しか出ておらず、若手の選手が足りるのかと心配していた。実際問題、ハイパフォーマンスチームはタレントがベースで心配していたが、大学生やU20の選手を見ると才能ある選手は十分いると感じています。ただ若手の育成は時間が必要だし丁寧なコーチング、そして選手のハードワークも必要不可欠です。

タレントをいかにパフォーマンスに変えていくのかが我々の仕事ですが、タレントがいることがポジティブです。次の2~3年をかけてタレントをパフォーマンスに変えていきたい。具体例を挙げるとFB矢崎です。非常に才能のある若手です。ボールを持ったときはいいが、もう少しオフザボールの動きをワールドクラスにできればさらに良い選手になるので、どんどん育成していきたい。




――どのあたりを具体的に向上させていきたい?


基礎を徹底することに尽きるなと思います。これまでのキャンペーンで理解力が問題点で、それぞれの選手が違ったスタイルのラグビー、慣れ親しんでいるところから(代表が求めるラグビーに対する)理解の点もあったが、そこに関しては時間もかかるし、トレーニングの連携も必要だと思うが、大前提として基礎の部分が必要というのは否めない。

オリンピックを見ていて、男子バレーは身長が劣勢でも、基礎の部分がとても良い。ディフェンスの基礎がとてもいいからハイレベルの試合でも通用している。体操の岡選手も基礎の動きがいいから、ここまでのパフォーマンスができていると解説者の方が話していたのが印象に残っている。

キャッチパス、サポートライン、ブレイクダウンのワークといった基礎的なことを徹底的にやって他のチーム、現状と差が出る。時間と努力が欠かせない部分だが、プレイヤーの取り組む姿勢は申し分ないので、根気強く進めていきたい。


ヴィクター・マットフィールドコーチは南アフリカからアドバイスをもらっているという

ヴィクター・マットフィールドコーチは南アフリカからアドバイスをもらっているという



――マッドフィールドさんの名前がないがラインアウトコーチは?


イングランド代表、ジョージア代表戦は100%キープしていたが、イタリア代表戦は試合で対応できずうまくいなかったので、今後向上していかないといけない。実行力が大きな課題と思っていて、ハイレベルな試合、練習を積むことが一番だと思っています。ディアンズは一番高いレベルは34試合で、スコッド・バレットは300試合ほど高いレベルで試合を経験していて、そういった選手と対峙しないといけないときはコールやフィールドでまかなえないような理解があり、勉強しないといけないことがあると理解しており、一緒にワークしていきたい。

どうしても時間がかかることで、高めていくところでは決して近道はありません。都心から千葉にいくようなアクアラインはありません。あいにくながらも学び続ける、時間をかけて丁寧にやっていかないといけない。ハットリーがメインとしてラインアウトをコーチして、マットフィードには南アフリカからアドバイスをもらっています。


――キャプテンはもう決まっているのか


ある程度のアイデアはまとまっているし、何人かのシニアプレイヤーとは話しています。選手を集めてから実行していきたい。実質上新しいスコッドになります。齋藤、タタフ、リーチがおらず、キャップ数は120少ない。ある程度固めているが、スコッドを集めてから最終判断をしたいと思います。選手が合宿に合流したら決めたい。


――ウルイヴァイティ(エピ)とマプスアの2人の評価は?


エピから話すとハードワークするタフなLOが必要だと思った。サマーキャンペーンは小瀧がいいプレーをしたが、エピをもう一人のオプションとして招集した。
マプスアに関してはバックローにケガ人がおり、慶應を経てトヨタでとてもいいパフォーマンスしているし、リーチが担っていた4番、6番をカバーする選手として招集した。マロ(ツイタマ)はずっと興味があった選手で代表資格を得たので招集した。WTBはジョネ、ツイタマといったタフな選手がおり、海老澤や根塚などワイルドカードで活躍できる選手もおり、スコッドとしても選手層が厚くなっていると思います。

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