リーチマイケルと田中史朗が若い選手たちに講義―もっともっと世界にチャレンジしていってほしい | ラグビージャパン365

リーチマイケルと田中史朗が若い選手たちに講義―もっともっと世界にチャレンジしていってほしい

2024/06/15

文●編集部


12日に行われたエディー・ジョーンズHCの育成プログラム「第2回ジャパン・タレント・スコッド(以下、JTS)」で特別講師として講義を行ったリーチマイケル選手、田中史朗さん。2015年、19年と日本ラグビーを牽引してきた二人が何を伝えたのか。たっぷりとお伝えする。

JTD参加選手は以下の8名。


石橋チューカ(京都産業大学)
伊藤龍之介(明治大学)
海老澤琥珀(明治大学)
小野澤謙真(慶応義塾大学)
髙木城治(京都産業大学)
土永旭(京都産業大学)
八田優太(京都産業大学)
本橋尭也(帝京大学)

左から、海老原琥珀、髙木城治、土永旭

左から、海老原琥珀、髙木城治、土永旭





田中史朗さん



シンプルにコミュニケーションを取るということ。今日朝の練習を見て、反応の声もなかったし、コーチに対して質問もなかった。彼らは本当にパフォーマンスはめちゃくちゃ僕らが若い頃より上がっていて、もっともっと可能性があるので、もっとコミュニケーションをとってパフォーマンスをあげていくこと。英語を学んで、自分の可能性をあげるプラス、周りの仲間を増やしてほしいなというのを伝えました。

今の世代はパフォーマンスも上がっていると思います。エディーが言っていたのが、今の子達が頑張ればまた子どもたちがラグビーを好きになっていい環境になるということで、まさにその通りだと思います。

2015年、19年で日本ラグビーを世界にアピールできて、試合にも勝って、力也や姫野とか、帝京大学の寮で2015年の南アフリカ戦を見て日本代表への思いを強くして、19年、23年と結果を残してくれている。

27年、今のU20の子たちが頑張って日本代表の可能性を引き上げてくれれば、またその下の世代の可能性も上がると思います。



――久しぶりに代表の練習を見て印象は


すごく新鮮でしたね。今までは堀江であったり、リーチだったりメインの人がいたんですけど、今は新しい選手たちがいっぱいいるので。若い選手の中で、喋る選手がやっぱり少ないなというのを感じたのでもっと増えてほしいなと思います。齋藤(直人)選手は試合ではよく話してましたけど、昨日練習では少し静かだったなという印象あります。もっと自分をアピールしていってほしいなと思いました。


――今回の依頼については


エディーさんから何も聞かされずに今日来ました。リーチはなんかきれいな資料を用意してましたけど、僕は何もなく。。。(リーチは)卑怯やで。ちゃんと準備してきて(笑)



――エディーのコーチングを見たいといっていましたけど、なにか勉強になったことは


ミーティングでの伝え方というのはすごくうまいですね。起承転結というんですかね。しっかり選手がやる気になるような言い方で最後ミーティングが終わってグラウンドに出るので僕自身すごく勉強になりましたし、楽しかったです。

昔はあんな感じではなかったと思います。「怒って終わり」みたいな(笑)。優しいというか大分かっこいいミーティングやっていましたね。これからもエディーの近くで学びたいなと思いました。



――ご自身が20歳の時と比べてどうか?


リーチと同じように後悔はないですね。今までがあったからこそ、今の自分がいるというのがあるんですけど、あえて言うならば、もっと速くチャレンジしておけばよかったかなということ。早くチャレンジして今と同じ状況になっていれば若い子たちももっと早くこういった素晴らしい環境の中で練習できたり、海外にチャレンジできたかなというのがあったかなと思います。

これからもまだまだチャレンジする子が増えてくると思うので、それはもう個人の責任になると思いますが、エディーやリーチの話を聞いてもっともっとチャレンジしてほしい。


――U20日本代表の今の強化体制について


もう最高の環境だと思いますね。エディーという素晴らしいコーチ、そして他の素晴らしいコーチのコーチングを受けれるというのは。フル代表の選手たちと一緒に切磋琢磨してプレーできるというのは本当に素晴らしい。彼らのモチベーションも確実に上がっていると思いますし日本のラグビーにとってもプラスになっていると思います。




リーチマイケル



まずはU20を越えてフル代表のヘッドコーチやコーチと選手が交流できたのが一番の刺激になっているともいます。これから日本ラグビーが良くなるためには若い世代が、フル代表の方と交流する機会を増やすべきだと思います。今日伝えたかったのは、何をするにしても強くなるにしても、自分の責任だということ。それを早い段階で知っておけば、自分の競技人生を責任もって行動するのが一番だということです。














――U20の選手たちとは実際に試合しました


可能性は本当に感じます。残念なことに留学生が入れられないので、入れられたらもっともっと強いU20になると思います。日本のラグビー文化は外国人と日本人の組み合わせのチームというところもあるので。ただ、日本人の選手だけでもすごくいい可能性は感じました。


――U20との試合ではチームBに入りましたがそのチームの雰囲気とかは


みんながこの環境、すごく楽しいと言っているし、モチベーションもすごく高いし前回の代表に比べたら雰囲気は明るいですね。笑顔が多い。雰囲気が全然違います(苦笑)。やっぱりエディーさんのモチベーションの上げ方がうまくて、僕でさえ、もう1回試合でたいという気持ちが強くなってきています。話を聞いたらすぐにスパイク履いて練習したい気持ちになります。



――どういう話をされる?


ベスト4に行くためのプロセスだったり、達成しないと行けないことだったり、日本の選手の良さとか細かく教えてくれるし、伝え方がすごくすばらしい。いろんな経験をしてきたヘッドコーチだから効きますね。何よりも日本代表に対する熱が伝わってきます。勝ちたいという気持ちが目を見たらわかる。


――自分たちが20歳の時にこうしておけばよかったということがある?


後悔はないです。当時は当時で頑張っていたし。ただ、こうやって世界を知っている人がどんどん身近に来るとその人たちから伝えられることで学ぶことが多かった。今はリーグワンの中でも素晴らしい選手だったり、コーチがたくさんいて日本のレベルも上がってきて。当時だと何人かくらいしかいなかった。


――世界にチャレンジできる環境をつくるには


リーグワンのスケジュールを変えて、スーパーラグビーにも参加できるようにしたい。それがやっぱり大きい。僕もチャレンジしましたし、史さんも堀江さんもパイオニアでしたし、姫野ももっともっとそういう選手を増やしてほしい。

ニュージーランド協会のルールも変えるべき。ワンポジションで1人しか(外国人選手を)獲得できないんじゃなくて全部オープンにしてほしい。日本選手がたくさんいて、向こうの選手がリーグワンにもたくさんいて、というようなパートナーシップができたら日本がさらに成長できると思います。




――U20日本代表の強化体制について


僕はU20の時にキャプテンをやっていて、ジョン・カーワンに会いたかったです。見送りでもいいから何か刺激になる言葉をもらえたら嬉しかったです。今はこうやってU20の選手たちが頻繁に、年に何回もエディーさんと会えてトップの選手に会えて、いい刺激になると思います。

エディーさんはフル代表だけで勝ちたいのではなく全世代で勝ちたいからこういうプロセスにしていることは僕はいいなと思います。将来的に日本代表が(ワールドカップで)優勝できるようなシステムができればもっともっと日本ラグビーは良くなると思います。




公私ともに仲の良い二人、最後にこんな掛け合いも。

田中「(リーチがキャプテンを務めていた世代の)U20では上のチームに勝ってないよな」

リーチ「はい。勝ってないです。でも僕キャップ数多いですよ」

田中「これ、めっちゃ言ってくるんですよ」

田中「(2015年ワールドカップ)南アフリカ戦、マン・オブ・ザ・マッチか・・・もうええわ。なんでお前と漫才せなあかんねん」

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