長田智希とジョネ・ナイカブラに訊く「勝利のためにバックスリーで取り組んでいること」 | ラグビージャパン365

長田智希とジョネ・ナイカブラに訊く「勝利のためにバックスリーで取り組んでいること」

2024/08/16

文●編集部


ラグビー日本代表はパシフィック・ネーションズカップのカナダ戦に向けて宮崎合宿を行っているが、15日、BKのキープレーヤーであるCTB/WTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)とWTBジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)が取材に応じた。バックスリーで今取り組んでいることとは。

長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)

ーー3週間の休止期間は?


サマーシーズンの5連戦を振り返りました。振り返ってみて自分たちのチームそうですし、個人としても改めて課題を確認しました。もう一つはフィジカルのところで、試合が続くと筋力が低下するので、今までウェイトのところでボリュームを出したり、フィットネスのところも少し多くやって次のPNCに向けて準備してきました。

練習はしていたんですけど、個人だけの練習なんで、合宿期間に比べて量というのはだいぶ少なかったです。そういう意味では体もリフレッシュできたかなと感じています。

長田智希

長田智希



ーー今もパナソニックスポーツの社員としてやっていると思いますが、業務的なことはやっていますか?


業務は特になく、代表活動に専念させてもらえる環境を用意してもらっています。



ーー今回同じポジションの立川理道選手がキャプテンになりました。一緒にやっていて感じることは?


一つは、経験値が高く、いろいろな経験をされているのでチームがうまくいかないとか、練習とかでもあまりうまくいっていないなってときの声がけだったり、締めるときのハドルでの言葉遣い、声がけというのはうまいなあと感じました。

PNCに向けリーチに代わりキャプテンを務める立川理道

PNCに向けリーチに代わりキャプテンを務める立川理道




プレーのところでもCTBでのハンドリングだったりコミュニケーションのところだったり僕自身学ぶことがたくさんありました。CTBとしてボールの動かし方というのは僕自身一つ課題だと思っているのでそこはたくさん学べるところがあります。


ーー立川理道選手というと2015年のワールドカップでの南アフリカ戦でプレーしました。そのときは高校生?


高校1年ですかね。(試合は)見ていないんですよね。朝起きて学校いったら、みんなが騒いでいたという感じでした。


ーー今のスコッドでBKの中ではキャップ数が上のほうです。若い選手が多く入ってきている状況の中で何か意識していることは


練習でWTBに入ることが多くて、そこで新しくきた大学生と同じポジションでやることがあるのですが、そういうところでは、当然かもしれないですけど、こういうときはこうした方がいいよというようなコミュニケーション取りながらやるようにしています。


「勝利するためには精度を高めるところ、ターンオーバーの数を減らしていくこと」



ーーチーム状況としてはテストマッチで勝てていないですが、チームとして、個人としてどうすれば勝てると思うか。


チームとしては今ベーシックなところ。一つ一つのシェイプのディテールを高めていくところだったり、あとはウェイトトレーニングのところでフィジカルを高めるところ。本当にベーシックな部分をやっていて、イタリア戦からの課題で、エディーさんがミーティングで話した部分でいうと、ターンオーバーの数が多かったということ、一つひとつのブレイクダウンの制度だったり、キャッチパスのスキル、精度を高めていくところ。そしてターンオーバーの数を減らしていくことが求められているかなと思います。


エディーHCがチームに求める「ワークレートの多さ」

エディーHCがチームに求める「ワークレートの多さ」



ーーそれが改善できれば勝利に近づいていくという感覚はある?


あります。アタックの中で自分たちがやりたい形、うまくできている部分もたくさんあって、おそらく相手にとって脅威になっている部分もあると感じているので、精度を高めればもっと戦えるというのは感じています。


ーーエディーHCから言われていること


僕個人だけじゃなくて、チームとしてすごく大事にしていることがあって、それはワークレートの多さがあります。一つのワークをしたあとに次のワークに移る速さというところはチーム全体にすごく求められているところです。そこは一つ僕の強みでもありますし、さらに求められているところでもあるです。

このPNCに向けた合宿でもユニットが中心だったんですけど、その中で未時間時間でいかにワークを増やすかという。それを大切にした練習をやってました。


ーーワークレートを増やすための練習とは?


基本的には意識のところなんですけど、例えばBKでのボールゲームのときにディフェンス側がタッチして一回ダウンして、以下にその次のディフェンスに早く戻れるかというような。

全部の練習がそういう早く起き上がって次のワークに行くというのを意識付けるように繋がっているかなというのは感じます。




一つのスキルをしたら、次の練習に向かうスピードだったり、スキルの前にコンタクトのドリルを入れてそこからすぐにスキルに入ったり、そういう負荷のかかった練習をこの3日間はやっていています。



ーー次のワールドカップに向けて自分の強化や代表に対してどんな存在にならないといけないと感じているか


目の前の試合と練習で、その時々に求められていることに対して全力フォーカスしていくというところは今までと変わらずに大事にしていきたいですね。4年後にむけた自分の成長というところは、今どういう環境でチャレンジしていくかというのは、自分の中でも少し考え中というところです。

WTBジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)

ジョネ・ナイカブラ

ジョネ・ナイカブラ



――ジェイミー・ジャパンとの違いは


一番大きな違いは若いメンバーが多くなっていて、今はW杯までチーム作りに専念しているところです。一番適応しないといけないのはエディーのゲームプランに適応することと、一緒にワークすることをコーチに落とし込まれています。


――今の目標は


まず直近のゴールは毎週、毎週の試合に対してベストを尽くすところで、もっと長いゴールだと自分の身体をフィットさせてケガのない身体作り、準備をしていきたいです。


――立川選手がキャプテンに任命されました


今、彼が一番経験ある選手で、スキルとコミュニケーションが高く、BKを含めてチームを鼓舞してくれる存在です。


――PNCでトンガ、サモア、そして母国のフィジー代表とまた対戦する可能性があります。


PNCは常にフィジカルバトルの試合だとわかっているので、自分たちのスピードを試すいい機会だと思っています。スピードの中でもフィジカルを伸ばして言って、ボールを保持するラグビーを見せていきたいです。

――エピネリ、ワクァとフィジー人がチームにいることは過ごし易くなった?


確かに、疲れているときにいっしょに共通言語で笑い合ったり助け合ったり、冗談言ったりと助かっています。(2人はフィジーでは知り合いではなかった?)日本に来てから2人のことを知りました。


――CTBトゥア選手(ソニ)は摂南大学の同級生で、新しく入ったWTBマロはライバルになる存在です。


ソニとは6年ぶりに一緒にプレーできて嬉しいですし、マロと一緒にプレーできて光栄だなと思います。2人ともスキルが高いので一緒にプレーできたらと思います。


サミソニ・トゥア(中央)は摂南大で一緒にプレーした

サミソニ・トゥア(中央)は摂南大で一緒にプレーした



――W杯で活躍して、東芝で優勝して自信になった?


周りの選手に助けられている部分があるが、W杯の経験がリーグワンにつながった。PNCではフィットネスを上げてさらに良いプレーをしていきたい。


――スキル面で成長している部分は


具体的に言うとオフザボールのワークレイト、それでボールタッチが増えて、9,10番の連携が良くなった。キックも上手くなったと思います。ジャパンのキャンプで学んで、どんどん伸びていることを実感しています。

――ラックの近くで走り込むプレーが多くなっていると思います。何を意識していますか?


バックスリーのメインフォーカスとしてはフィニッシュすることだと思います。ボールをキープしてフェーズを重ねて、自分たちBK3がトライを重ねる状況を作っていきたい。


――エディーさんに要求されていることは


オフザボールの動きを増やせ、バックスリー(BK3)でコミュニケーションを取れとよく言われています。

――超速ラグビーについて


超速ラグビーはテンポ、スピードとフィジカリティーですが、今、練習の中で「ゴールドエフォート(※1つのアクションの後、次のアクション、次のアクションをすること)」がメインフォーカスになっています。(それができれば勝てる?)本当にメインフォーカスなので、それをしっかりして、優勝を目指して最初の試合から最後の試合までそこにフォーカスしていきたい。




――27年W杯はオーストラリアで開催されます


W杯はみんながプレーしたい大会だが、自分としては一つ一つ自分の身体をマネジメントして、リーグワンでも日本代表の試合でも積み重ねていきたい。


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