1月5日、第104回全国高校ラグビー大会準決勝、第2試合は東海大大阪仰星と常翔学園による「大阪対決」となった。仰星は東福岡に、常翔学園は大分東明との激戦に勝利して準決勝進出を果たしている。
先制したのは仰星。敵陣ゴール前ラインアウトからモールを押し込みHO濱田素良がトライ。対する常翔学園は前半13分、NO8井本章介がゴールまで縦に前進してスペースを作ると右ショートサイドに細かくパスを繋いで最後はWTB藤間悠太がトライ。
22分、仰星は再び敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込んでHO濱田が2本目のトライ。10‐5と仰星がリードして前半を終えた。
後半4分、相手ボールがダイレクトタッチとなり、仰星FB齊藤がクイックスローイン。SO吉田琉生がボールを持つと整備されていなかった常翔学園ディフェンスの隙間を抜けてゴール中央にトライ。仰星にとっては貴重な追加点を決めた。
リードを広げられた常翔学園は後半13分、常翔学園はゴール前の攻防でHO矢富蓮がトライを決め再び5点差に迫る。
それでも仰星は17分、吉田のグラバーキックで裏スペースにボールを転がし、常翔学園が何とかボールをセイビングするも、カウンターラックでボールをターンオーバーしCTB向井悠統がトライ。
20分、センタースクラムから吉田がハイパント。ルーズボールをCTB東佑太がトライ。29-12と試合を決めたかと思われたが、ここから常翔学園が猛追する。
29分、CTB立花幹太のトライで29‐19と10点差にすると、さらに32分、SH元橋直海のトライで3点差にしてラストプレー。キックオフボールを細かく繋いでWTB正脇がハーフウェイ付近までボールを運び、右オープンサイドへ展開するもノックオン。直後のスクラムでも仰星がペナルティを獲得して勝負あり。ボールをタッチに蹴り出し試合終了。29‐26で大阪対決を制した東海大大阪仰星が3大会ぶりの決勝進出を果たした。
東海大大阪仰星 吉田琉生共同キャプテン
――すごい試合でした。試合振り返っていかがですか
そうですね。やっぱり大阪対決ということで、気合も十分入ってた中で相手のフィジカルだったりとか、終盤押し込まれてしまいました。そんな中でも自分たちを信じてディフェンスをやりきったっていう部分は、次の決勝に向けていい準備ができたと思います。
――大阪対決というところで、どんな気持ちで今日臨まれました。
絶対に負けられない相手だと思ってたんで、気持ちの部分で、先制を取れたらいいかなと思ってました。
――後半頭には吉田くんもトライ決めました。あの場面振り返っていかがですか?
自分たちがやってきたことができた結果で僕がトライできたっていうのは、 必然とかじゃなくて、あのただそこを準備できただけなので、やっぱりその自分がトライできたんじゃなくて、みんなが繋いでくれたトライだと思ってます。
――次は決勝です。意気込みを教えてください。
優勝です。
――以前聞いた時は命をかけて恩返ししたいっていう気持ちでラグビーやってたと思います。決勝はどんな気持ちで?
やっぱりみんなたくさんの人に支援いただいてるんで、そこをしっかり恩返しできるように、人生かけてやっていきたいと思います。
――お父さんが優勝しないと褒めないとまで言ってたみたいなんですけど、それはそこについてどうですか?
まだそうですね。褒められるようなプレイヤーの人間ではないんで、しっかり決勝でいい結果を残すように頑張れると思います。
――決勝はどんなプレーがしたいですか?
周りを生かして全国一位をを取れるようになりたいと思います。
――決勝の相手は桐蔭学園です。連覇を狙ってくる相手にどんな印象を持っていますか
規律の部分で、相手はすごく優位に立ってくると思うので、そこに対して僕たちも規律をしっかり守って、相手がそのアタック、ディエンスともに 何もできない、そんな試合ができたらいいかかなと思ってます。
――4試合戦って今、チームの状態はどんな風に見てます?
雰囲気っていうのはすごく引き締まってきて。その中でもみんなの笑顔であったりとか、そういう柔らかい表情がすごく増えてきて、すごくいい準備ができてると思います。
――紺色に染めるには、あと一本だけどどうです?
こうちょっとずつまあ染まってきている中で、染め切るっていうのがまだできてないんで。ラスト一試合そこにしっかりかけて染め切りたいと思います。
――何が一番大事なことは
みんなで全員ラグビーっていうのをしっかり体現したと思います。
――後半のトライは、結構試合の流れとしては大きかった?
そうですね。相手に対して、しっかり攻略できたのかなと思います。
――最後、ちょっと常翔に勢いをつけられて少しトライを取られた
そうですね。やっぱり相手の底力と言いますか、そういう部分でやっぱりまだ自分たちのディフェンスの部分で甘いところが出たかなと思ってます。
――いろんなモールだったり、攻撃面を振り返ってみて
そうですね。やっぱり試合の前半の最初の流れはすごく良くて、前回の試合でもやっぱり後半の最後の最後に連続でトライ取られるっていうシチュエーションがすごく多かったので、しっかり修正できたらいいかなと思います。
常翔学園 NO8井本章介キャプテン
レフェリーのちょっとした意見の違いであったり、仰星さんの組み方っていうところにやっぱり自分たちがゲーム中に改善できなかったっていうのはやっぱり今回負けの一つのポイントにもなったと思います。
常翔はスクラムが強いと言いますし。 結局ああやって最後スクラムでペナルティ取られてしまったのは事実なんで、やっぱりまだまだ後輩たちにはそのスクラムを改善してもらって、もっと上を目指してもらいたいと思います。
――最後相手を追い込めましたけど、そこは意地を見せた
やっぱり前に出ようって言い続けてたんですけど、やっぱりエンジンかかるのもワンテンポ遅くて、もうちょっと後半の頭からああいうラグビーができてたら、絶対逆転できてたはずなんで、やっぱりそこのゲーム運びっていうところは、もう僕の。 僕のせいっていう。
――疲れはあった。
はい。ただしんどい時に頑張れるかだと思うんです。やっぱりそこで仰星の方が走ってたりっていうのがあったんで、やっぱりそこのしんどい時にどれだけ頑張れるかっていうのが出たと思います。
――相手チームはほぼ知り合いばっかりだと思うんだけど、決勝に向けてエールを。
でも、ほんまに勝ってほしいの一言ですね。
――今日試合中ずっと笑顔を絶やさずプレーしていたという印象を持ったんだけど、あれはいつもいつも通り。
試合中もずっとチームメイトには楽しめっていう声をかけてたんで、やっぱり楽しめって言ってる自分が楽しんでなかったら誰も楽しめないと思うんで、やっぱり自分が一番楽しんでラグビーやろうっていうのはちょっと心がけてやってました。
――三年間を振り返って
いろんなことありましたけど、最後にここまでこれたのは良かったかなと思います。
――後輩たちに対して
自分たちのラグビーしたらここまでこれるということを見てわかったと思うので、常翔らしいラグビー、工大らしいラグビーを追求してもらって最後まで勝って優勝しほしいです。