2021年も残りわずか。昨年に続きCOVID-19によるパンデミックでさまざまな変化、不測の事態が連続した1年でしたが、今年もRUGBYJAPAN365恒例、日本ラグビー10大ニュースを選んでみました。嬉しいニュースばかりではなかったけれど、日本ラグビーの未来のため、すべて記憶しておくべきニュースだと思います。
1位 男子セブンズW杯出場権失う
当欄では毎年、なるべくポジティブなニュースを取り上げたいと思ってセレクトしてきました。しかしこれはあまりにも重大なニュースです。
11月19-20日にドバイで行われたRWC7s2022のアジア予選で、日本は女子がアジア1位で出場権を獲得したものの、男子は準決勝で韓国に敗れ、出場権を獲得できずに終わりました。
1987年に男子15人制のワールドカップが初開催されて以降、男子の日本代表は15人制、7人制すべてのワールドカップに出場し続けてきました。これは世界でも貴重な連続記録です。イングランド、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、カナダ、そして日本の7カ国だけだったのです。ひとつひとつの大会で成績の波はあったとしても、継続していることには大きな価値がありました。
1勝もできずに終えた大会もたくさんありましたが、日本代表はその時々の限られた条件のもとで全力を尽くし、世界への挑戦を続けてきました。特にセブンズ代表は、選手集めにも、合宿の実施にも苦労しながら努力を重ね、工夫をこらし、限られたマンパワーを最大に活用し、ギリギリのところで世界における存在位置を保ってきました。今回のチームも、選手が頑張っていたことは否定しません。しかしコーチのセレクション、スタッフのセレクション、選手のセレクション、選手の派遣交渉、遡れば東京五輪後の人事、東京五輪前からの段取り、すべてが不備でした。そしてすべて検証された様子がない(少なくとも公表されてはいない。当事者からの釈明を追認したのみに見えます)。
12月27日、大学・高校の全国大会が続く時期に発表された新体制も、どんな検証が行われたのか一切言及されないまま、男子の梅田HC代行もそのまま留任しました。最悪の結果にも関わらず説明責任を一切果たさずに人事を進めることに強い危機感を覚えます(女子は東京五輪惨敗をレビューし、東京五輪で選外となった中村知春、小笹知美らの力を結集してアジア王座を奪還した。鈴木貴士HC代行のHC昇格は理解できます)。ことの重大さを訴える意味で、この残念なニュースを1位にします。