ラグビー日本代表はワールドカップ第3戦でサモアと対戦。28-22で接戦を制し、ベスト8入りに一歩前進した。今回、ラグビー日本代表史上最多キャップ記録保持者の大野均さんのYoutubeチャンネル「KIN‘s 楽苦美道 Rugby Road」とRUGBYJapan365の共同企画として、大野さんに日本代表の試合を振り返っていただきます。(聞き手=RJ365スーパーバイザー大友信彦)
大野均「次のアルゼンチン戦に向けて非常に期待の持てる内容だった」
大友 日本代表、サモアに勝ちました!
大野 本当にナイスゲームでした。最後にサモアの追い上げに合いましたけれど、みんなそれぞれ、自分の持ち味を出して、素晴らしいところを見せてくれた。ここで負けると決勝トーナメントが遠のいてしまう。その中で、本当に次のアルゼンチン戦に向けても非常に期待の持てる内容だったんじゃないかなと思います。
大友 では振り返ってみましょう。まず最初の日本のトライの場面です。
大野 スクラムからまずレメキ選手の素晴らしいランニングでした。走って倒れて起きて、タックル受けてもスピンしてゴール前まで行った。そして最後はラブスカフニ選手の力強いトライでしたね。
大友 まずレメキ選手のビッグゲインでした。
大野 素晴らしいランでした。レメキ選手がゴール前まで行ってからも、日本はすぐにサポートが集まってアタックのポジショニングをして、トライを取りきってくれましたね。
大友 起点はスクラムでした。今日のスクラムはいかがでしたか?
大野 途中で押し込まれた部分もあったんですけど、それもしっかり修正して、試合を通じて良いスクラムを組んでくれたんじゃないかなと思います。
大友 そして次のトライの場面。これもスクラムからでした。
大野 これもレメキ選手の素晴らしい前進からでした。そこからチーム一体でボールをつないで、左へ展開します。最後はリーチ選手がチリ戦に続いて今日もトライを取ってくれました。
大友 直前にゴール前までキャリーしたレメキ選手がリーチ選手の横にもうポジショニングしていますね。
大野 あれだけ走ってすぐに起き上がって移動してポジショニングして、DFを引きつけて、リーチ選手のトライをアシストしている。素晴らしい運動量です。
大友 レメキ選手は最初のトライでも起点を作りましたし、2連続での活躍でした。
大野 本当に調子がいいですね。いいパフォーマンスをしています。それともうひとり、流選手が当日になって出られなくなって、急遽先発したSH齋藤直人選手も素晴らしい活躍でした。素晴らしいゲームコントロールをしてくれた。パスをさばくだけでなく、走ってもスピードのある選手なので、サモアとしては非常にディフェンス しづらかったんじゃないかなと思います。
大友 レメキ選手がビッグゲインした場面でも、タックルされてラックになった瞬間には齋藤選手が到達してパスを捌いていました。
大野 足の速さはもちろんですが、サポートする意識が高いですよね。
大友 日本がリードした後、ハーフタイム直前、サモアが日本ゴール前に攻め込みます。
大野 やはりサモアの得意とするフィジカルの強さを活かしたモールでした。
大友 この時間帯は堀江選手にイエローカードが出ていました。
大野 次のアルゼンチンもモールはすごく得意としている部分ですから。日本としては、今日勝ってまた反省できるっていうのは大きいと思います。
大友 前半はトライ数3対1。スコアは17-8で折り返しました。前半の全体的なDFはどのようにご覧になりましたか。