ラグビー日本代表市場最多キャップ記録保持者の大野均さんのYoutubeチャンネル「KIN‘s 楽苦美道 Rugby Road」とRUGBYJapan365の共同企画として、大野さんに日本代表の試合を振り返っていただきます。(聞き手=RJ365スーパーバイザー大友信彦)
今回均さんは・現地フランスから
大友 皆さんこんにちは。均さんのYouTubeチャンネル、Kin's楽苦美道とRUGBYJapan365の共同企画、ラグビーワールドカップ2023フランス大会の日本代表の戦いを振り返るシリーズ。今回、第4戦のアルゼンチン戦が終わったところです。均さん、現地の雰囲気、盛り上がり、いかがでしたでしょうか?
大野 試合前からアルゼンチン、日本の両チームのファンがそれぞれのジャージを着て会場に集まってきて、スタジアムの中でもアルゼンチンのあのスカイブルーと白の横縞のユニフォームと日本代表の赤と白のユニフォームが入り混じってて、すごく綺麗でした。試合中もそれぞれのファンが、どっちのチームでも良いプレーが出たら本当に盛り上がってくれて、ラグビーの醍醐味を感じることができた試合でしたね。
大友 現地の映像を見ていても、本当に日本代表の赤白ジャージを着てるファンがたくさんいて、これは均さんが出場した3度の大会ではそこまで多くなかったような。
大野 日本のファンだけじゃなく世界中に日本のファンがいるなっていうのを感じましたね。前日はジョージア対ウェールズの試合も観戦したんですけども、その試合会場にも日本代表のウエアを着てる人が何人かいたし、アルゼンチン対日本の試合でも外国人の方が日本代表のユニフォームを着て応援してくれたり。面白かったのは、おそらく家族で応援に来てるんですけども、家族で日本代表とアルゼンチン代表それぞれのユニフォームを着て両方応援してる家族がいたり。
大友 ワールドカップで、日本とアルゼンチンには本当にいわゆる伝統国にチャレンジする側で、何かお互いを応援するような雰囲気が以前からありましたが、今回、本当に両チームとも良い試合を見せてくれたなっていう印象がありました。
その試合ですが、まず1分、これはアルゼンチンの最初のトライのところですね。
大野 この起点はラインアウトのモールだったんですね。モールでプレッシャーを受けて、その勢いのままバックス展開されて、タックルミスもあったんですけども、アルゼンチンが非常に気合入ってるなっていうのがこのトライで見て取れました。試合の入りとしてはちょっとヒヤッとさせられましたよね。
大友 日本としては良くない入りでしたが、会場の雰囲気はどういう感じでしたか。
大野 トライの瞬間、アルゼンチンのファンの方々と盛り上がりはすごかったですね。
もう絶叫のような歓声が上がってました。それだけアルゼンチンのチームもファンも、この日本戦にすごくナーバスというか、緊張感を持って入っていたと思います。
実力的にはアルゼンチンが上と見る人も多かったと思いますが、日本は2015年には南アフリカ、2019年にはスコットランドとアイルランドを倒す番狂わせを起こしてる。そのチームに対して、プール最終戦で勝ったら決勝トーナメント、負けたら敗退っていう状況に対して、日本よりもアルゼンチンの方がナーバスになってたのかなと感じましたね。
大友 これで7対0でアルゼンチンがリードしたんですが、その後これが15分の映像です。リーチ選手のパスを大外で受けたアマト選手のみごとなキック、チェイス。均さんと同じ背番号、ロックの選手のトライです。
大野 いや、本当に素晴らしい個人技ですよね。こんなトライができるロックなんて世界にもそうそういないと思いますけど、アマトは大学のとき、ウイングをやっていたんですよね。その経験、スキルが活きたのかなと思います。先制トライを取られて、ここでこういうトライで取り返して、日本代表としてもまずはほっとしたかなと思います。リーチ選手の相手を2人引き付けるランニングも素晴らしかったですね。
大友 本当、絶妙のコースで入って引きつけたところでピタッと放しましたね。皆さん、大野さんは自分からは言わないので僕の方から言いますけど、大野さんも元ウイングのロックなんです。
大野 はい。日本代表に初めて招集されたときはウイングで招集されました(笑)。
大友 そういうわけでウイングとロック、両方をやったって意味でも均さんの後輩にあたるアマト選手の見事なトライでした。
大野 でも自分はあんな絶妙なキックはできないです(笑)。
大友 あそこでキックを蹴る判断、落とすところ、チェイス、本当に見事でした。
大野 バウンドもしっかり戻ってきてくれて、いいトライでした。アマト選手はワールドカップのウォームアップシリーズの中で怪我をして、なかなかその後も戻るまで時間かかりましたけども、本当にワールドカップに入って素晴らしい活躍でした。アタックの部分もですが、ディフェンスでも非常にワークレートが高いです。ワールドカップを通して、スクラムのプッシュという部分でも貢献してくれたなと感じますね。ロックのプッシュがあったからこそ、このアルゼンチン戦でもスクラムが安定したと思います。
大友 ロックのスクラムの押しというのはとても重要と言いますが、均さんも長谷川慎さんのコーチングを受けられたことはありますよね。