18日、NTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1はプレーオフ準決勝が行われた。王座奪還を狙う埼玉パナソニックワイルドナイツは、プレーオフ準決勝で横浜キヤノンイーグルスと対戦した。
序盤、WTB竹山晃暉、LOジャック・コーネルセンの連続トライでリードするも、SO松田力也のキックが安定せずコンバージョンが2つとも決まらない。さらに前半の終盤、ゴール前まで攻め込むも取り切れず13-3と点差をつけることができないまま前半を終えた。
後半に入るとイーグルスの反撃にあい、2つのトライで逆転され迎えた18分、SO松田力也がハーフウェイ付近から相手のディフェンスのギャップをついてブレイク。一気にゴール前数mまでボールをキャリーすると、CTBダミアン・デアレンデがボールをピックしてトライ。松田のゴールも決まって20-17と再逆転に成功。
後半の終盤畳み掛けるワイルドナイツは敵陣での時間帯が続くが、イーグルスもゴールラインを超えさせず、結局そのままスコアは変わらずノーサイド。20-17でワイルドナイツが勝利し、2季ぶりの優勝に王手をかけた。
埼玉パナソニックワイルドナイツ ロビー・ディーンズ監督
――接戦になった要因と逆転できた要因は?
確かに接戦になりました。イーグルスさんはすごくいいプレーをしてきてくれましたし、この時期に毎年、イーグルスさんとこのタイミングで対戦しますが、来季は違う相手と戦いたいと思うところはあります。戦術的にいいプレッシャーをかけてきた。自分たちは抜け道を探すことができました。質の高い選手がミスをしてしまうときは、すごくタフな試合になるし、レベルが高い試合、強度の高い試合だった。その中でも抜け道を探すことがうまくできたなと思うし、来週に対していい準備ができたと思います。
――HO堀江、SH内田のいい花道の準備が整ったのでは?
いい準備ができたとともに、彼がチャンスをつかみにいければと思います。最後、ケガ人やコンディションが試合中に見うけられたので、内田選手は最後での投入になってしまった。キャリアを振り返ったら、もしかしたらうらまれるかもしれません。ただ彼はチームが何かをすごく理解していますし、チームマンだと思っているので、受け入れてくれるでしょう。
――ポイントになるところではペナルティを我慢したのでは?
いくつかありましたし、必要のないペナルティもあったと思います。ラインアウトのペナルティもあったと思う。モメンタムを与えてしまうときは、タフな試合でもあるが、ブレイクダウンの攻防が接戦になるところで、勝っていたところで勢いに乗れることがあるので、そういったところで改善していかないといけない。ただプレッシャーがかかっていたときにも、抜け道を探せるように我慢できた。
埼玉パナソニックワイルドナイツ HO坂手淳史キャプテン
――相手のディフェンスの印象は
(田村)優さん中心にいいアタックをしかけてきた。キックを上手く使いながら、両サイドにアタックがあったし、FWも力強いアタックをしてきた。僕たちのディフェンスとしてはタックルの1人目、2人目で食い込まれ続けてしまったところが、少し後ろにディフェンスを下げてしまった要因です。ロールアウェイもジャッカルできなかった要因も少しずつ下がってしまってチャンスができなかったことが大きかった。タックル1人目、2人目を修正したら自分たちのディフェンスが脅威になる。ただイーグルスさんはスピードも良く、分析して自分たちの弱いところをアタックしてきた。
――ペナルティの数について想定よりも多かった?
想定しているより多かったです。先々週と比べて少し多かった。いろんなところで犯してしまった。スクラムや、ラインオフサイド、ロールアウェイ、ノットリスースもあった。しっかりアジャストしていかないといけない。
(相手のプレッシャーの影響は)ディフェンスの中でのペナルティーはほとんどのシチュエーションはそうかなと思います。プレーオフでの戦いはペナルティーがすごく大事になると理解していますし、ロビーさんからも何度もチームに言っている。自陣に入られるのはペナルティが要因で、キヤノンさんはモール得意ですし、チャンスを与えてしまうのはそういうのはわかっていた。ペナルティを2回繰り返すと、何十メートルも進まれてしまう。ただ自陣に入られたとき、得点につながるペナルティはしなかった。
――ハラシリが先発しました。前半何を大事にしたのか。また後半はどう入ったか?
あまり相手のメンバー等は、そこまで意識して練習していない。僕らの準備が終わった後にメンバー発表があった。ゲームの意識では、前半からブレイクダウン、ナキ、ハラシリを中心にダイレクトなキャリーで縦にどんどん来ると思っていたので、そこを止めることは意識していた。なかなかスコア取れなかったが13-3で、出来はそんなに悪くなかった。
後半に入るときは40分で、自分たちはどうありたいか、何を持って取りたいか、後半の前半の20分を意識したが、そこで点数を取られて、モメンタムを与えてしまった。今後、修正していきたい。3点差だったが、プレーオフは1点でも2点でも勝てばいいので、そこを目的にしていたので満足しています。すごくしんどくタフなゲームでしたが、勝ち切れたところだけを評価して次に向かうだけなので、次に成長して次に向かいたい。
――今日のテーマは?
今週、色に例えて自分たちがゲーム支配しているとき、いい形でいるとき「ブルー」という言い方をしているのですが、「ブルーと言い続ける」のが今週のテーマでした。ゲームの中で焦らずに、相手の時間がくるとき、しんどい時間がくる事ももわかっていたので、それを一人ひとりで解決するのではなく、全員でコネクションとって、解決することがテーマでした。
だから接戦に勝ち切れたと思うし、ブルーじゃない時間もあったが全員がブルーになろうとしていてハードワークした。(逆転されたときも)あせらずにまだ時間があったので、堀江さんを中心にブルーという言葉がよく聞こえていた。みんなで意思統一する言葉が大事になる。スイッチを入れる、スイッチを替えたりなどいいコミュニケーションが取れていた。