埼玉ワイルドナイツが8トライを決めて横浜イーグルスに圧勝 | ラグビージャパン365

埼玉ワイルドナイツが8トライを決めて横浜イーグルスに圧勝

2023/12/11

文●編集部


10日、NTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1、昨年準優勝の埼玉パナソニックワイルドナイツはホーム熊谷に横浜キヤノンイーグルスを迎え、開幕戦を戦った。プレシーズンから手応えを感じていたイーグルスが、王者ワイルドナイツにどんな戦いを見せるか注目されたが、試合は序盤からワイルドナイツが圧倒した。

前半3分にSO松田力也のPGで先制したワイルドナイツは8分、敵陣ゴール前のラックからすっぽり空いたスペースにSH小山大輝がボールを持ち込みトライ。つづけて10分にはFLラクラン・ボーシェがトライを決め17-0とリードする。これでは止まらず14分、WTB野口竜司の突破から松田力也のキックパスをキャッチしたFLベン・ガンターがトライを決め22-0と大きくリードを広げた。

前半3分SO松田力也のPGでワイルドナイツが先制

前半3分SO松田力也のPGでワイルドナイツが先制


松井千士と竹山晃暉の空中戦

松井千士と竹山晃暉の空中戦


前半8分SH小山大輝がゴール前のラックサイドでピックしてギャップをつき、そのままインゴールへ

前半8分SH小山大輝がゴール前のラックサイドでピックしてギャップをつき、そのままインゴールへ


WTB野口竜司の突破から

WTB野口竜司の突破から


松田力也のキックパス

松田力也のキックパス


ベン・ガンターがキャッチしてそのままインゴールへ

ベン・ガンターがキャッチしてそのままインゴールへ



立て続けにトライを許したイーグルスは、空いたスペースにボールを運び細かなパスをつなぎ攻め込むがなかなかスコアすることができなかったが、28分、ようやくWTB松井千士のトライで息を吹き返すと、前半終了間際、WTBイノケブルアのトライで22-12と10点差にして前半を終えた。

デクラークが裏のスペースにグラバーキック

デクラークが裏のスペースにグラバーキック


ジェシー・クリエルが反応するも山沢拓也がカバーに入る

ジェシー・クリエルが反応するも山沢拓也がカバーに入る


デクラークの仕掛けから

デクラークの仕掛けから


前半28分松井千士のトライで22-5

前半28分松井千士のトライで22-5


田村優のゴールも決まって22-7

田村優のゴールも決まって22-7


シオネ・ハラシリの突進

シオネ・ハラシリの突進


イノケ・ブルア

イノケ・ブルア


マシュー・フィリップ.

マシュー・フィリップ.


小倉順平

小倉順平


ジェシー・クリエル

ジェシー・クリエル


前半40分イノケブルアが右隅にトライを決め22-12

前半40分イノケブルアが右隅にトライを決め22-12


10点差で迎えた後半の入り、両チームにとっては先にスコアをしたい局面で、41分、FB山沢拓也の蹴ったボールに反応したCTBディラン・ライリーがトライを決めワイルドナイツが先にスコアすると、そのまま流れはワイルドナイツになった。

後半1分・山沢拓也が狭いスペースに蹴り込んだボールをディラン・ライリーがキャッチ

後半1分・山沢拓也が狭いスペースに蹴り込んだボールをディラン・ライリーがキャッチ


そのままディラン・ライリーがトライを決めワイルドナイツが29-12と突き放した

そのままディラン・ライリーがトライを決めワイルドナイツが29-12と突き放した


50分、FB山沢がトライをきめ36-12と勝負を決めると、55分にはボーシェがこの試合2本目のトライを決めた。今シーズン限りでの現役引退を表明した堀江翔太が57分から登場すると、場内からは大きな拍手がこだました。

50分、山沢のトライ

50分、山沢のトライ


ボーシェがこの試合2本目のトライを決める

ボーシェがこの試合2本目のトライを決める



モニターに映されているスクラムを見てヴァルアサエリ愛と確認する堀江翔太

モニターに映されているスクラムを見てヴァルアサエリ愛と確認する堀江翔太




いつも通り大きな声で指示を出す堀江、そのプレーに注目が注がれた。イーグルスもこの熊谷で大怪我をして戦列を離れていたアマナキ・レレイ・マフィが登場。劣勢のチームに勢いをもたらしたかったがあまりにも点差が空きすぎていた。

アマナキ・レレイ・マフィは後半17分から出場

アマナキ・レレイ・マフィは後半17分から出場



72分、FL大西樹がトライを決め46-12とすると、78分、WTBマリカ・コロインベテの突破からチャンスがやってくる。コロインベテのオフロードパスをライリーが繋いで、さらに長谷川峻太から堀江につながる。前方には敵もおらず、堀江がそのままトライかと思われたが、クレイグ・ミラーにラストパス。ミラーがトライを決めてノーサイド。8トライを奪ったワイルドナイツが53-12で快勝。ボーナスポイント1を含む勝ち点5を獲得した。

大西樹がダメ押しトライ

大西樹がダメ押しトライ


マリカ・コロインベテがゲイン

マリカ・コロインベテがゲイン


コロインベテのノールックのパス

コロインベテのノールックのパス


ディラン・ライリーが確保してつなぐ

ディラン・ライリーが確保してつなぐ


堀江翔太がトライかと思われたがクレイグ・ミラーへパス

堀江翔太がトライかと思われたがクレイグ・ミラーへパス


ミラーがトライ

ミラーがトライ




勝利したワイルドナイツは、次節初勝利を目指す花園近鉄ライナーズとのアウェイ戦に挑む。一方、大敗したイーグルスはホームの日産スタジアムでトヨタヴェルブリッツと戦う。





ワイルドナイツ ロビー・ディーンズ監督

ロビー・ディーンズ監督

ロビー・ディーンズ監督



素晴らしい初戦でした。いいパフォーマンスでした。ワールドカップから戻ってきた選手たちが合流して本当に短い期間の準備でした。ただ結果にはとても満足しています。初めの頃からどこを鍵にして成長するかを選手に伝えていましたが、それがちゃんと(この試合で)証明できていました。


今シーズンはこれまでに経験したことないほどタフな大会になると想像しています。ただ、昨シーズンからメンバーが継続しているというのがありとても助かってきました。一番良かった点は前半リードしていたんですが、途中で接戦の展開になった後、自分たちのスタンダードを上げられたところです。



この場を借りてよかった選手を何人か名前を出したいと思います、一人目はラクラン・ボーシェです。今週一人目の息子さんが生まれました。それを自身の2トライで祝福できたんじゃないかと思っています。もう一人は坂手淳史キャプテンです。このチームを一つにまとめるというところで本当に努力してくれたなとかんじています。そして最後は、地域の皆さん、ファンの皆さんです。本当に感謝したいと思っています。みなさんがいなければ私達という存在はありませんし、続けてサポートしていただくことが必要不可欠です。

――坂手選手の評価


チームからのリスペクトを勝ち得ている。選手をリードするには必要。短い期間をどう使っていくか。グループになったときに誰がどういう発言するかで変わる。坂手選手が話すのをみんな訊くし、すごく影響力がある。坂手さん自身、チームにとって何をしなければいけないかわかっているし、彼はスマートなので自分自身も何をしなければならないということは理解している。

ワイルドナイツ 坂手淳史キャプテン



ロビーさんがおっしゃられましたけれど、本当にこのスタジアムで開幕戦を迎えられて、大勢のファンの中でプレーできたのはすごく嬉しかったですし、天気も味方してくれて、いい天気の中プレーできてよかった。たくさんの声援も聞こえていましたので、これからも自分たちのプレーで皆さんを盛り上げられたなというふうに思っています。


プレーについては良いスタートがきれたと思っています。今週、先週と宮崎合宿に行って、そこからキヤノンに対するプレーを落とし込んで、そこからすごく時間は限られていましたけれど、みんなの集中力が高くて、幸いなことに昨シーズンから大きくメンバーも変わっていないというところでも、チームの戦術戦略の落とし込みがスムーズにいったことが今週出たかなと思います。みんなのパフォーマンスに本当に満足していますし、誇りに思っています。ただスタートしただけなので、これからどうチームとして、ワイルドナイツとして成長できるか、どういうプレーを今後見せることができるかということにフォーカスして、さらに成長していきたい。




――代表選手が多いワイルドナイツで、短い期間で準備をするために意識していること


今年に関しては、代表の選手に目が行きがちですけど、それ以外の選手たちがすごくプレシーズン頑張ってくれたんです。プレーのレベルもそうですし、メンタリティーもコミュニケーションのレベルもすごく底上げをしてくれたことで、僕らが帰ってきたときに相乗効果でチームが良くなったかなと思います。なのでプレシーズンプレーした選手もそうですし、指導したコーチ陣もすごくいいドライブをしてくれていたんじゃないかなと思っています。

また、合宿に入ることができたので、寝食ともにして、コミュニケーションレベルをあげていく、よるにミーティングできたりとか、1日1日長く時間を使えたのは、熊谷で毎週毎週トレーニングするのとは少し違う部分でした。

代表以外の選手では、竹山晃暉もいいパフォーマンスをみせた

代表以外の選手では、竹山晃暉もいいパフォーマンスをみせた



リーダーがたくさんいて、いい発言をしてくれて、アタック・ディフェンスセットプレーというところのディテールをしっかりまとめてくれていたのですごくプレーしやすかったですし、寝食をともにしたことで、コネクションの強さだったりそういうところも自分たちのいい形でついてきたかなと思います。その5日間がやっぱり僕らとしては大きかったです。

――合宿での5日間でどんな話をしましたか


昨年の悔しさはみんな持っていると思っていましたし、合宿のスタートでロビーがミーティングで昨年からフィードバックだったり、今年どうしていくかというところからチームがスタートしました。そこで僕がチームに伝えたのは、今年は今年のチームであって、昨年のチームではなくて、さらに成長していかないと今年僕たちが欲しいものは獲れないよ、それを獲るために、ハングリーに自分たちが欲するものを獲るための努力をしていく5日間にしようと。

竹山同様に存在感を見せた野口竜司

竹山同様に存在感を見せた野口竜司


試合に入ってしまうと、毎週毎週似たような1週間になってしまうんですが、そこでエネルギーを大きく爆発させるために、この5日間でどうチームに対してエネルギーをもたせるかというところに注力しました。

埼玉ワイルドナイツ 堀江翔太

今日はうまいことハマっていたかなと思います。開幕戦がうまくいったからってずっとうまくいくような感じではないと思う。これはこれで置いといて次に向けてどういうふうに戦うか、どういうふうによくするか目を向けていきたい。




試合の入りはだいぶ意識して練習からもう、リーダー中心に言い続けていますけど、リーダーだけじゃなくて、ナイツ(ノンメンバー)もそうですし、全員が結構意識してやり続けていたというのはあります。

今日のパフォーマンスはよかったんじゃないですか。そんなに悪い感じではなかったと思います。16年やっていて完璧という試合ってないので、次良くするためにはどうすか、次も一貫性もってどうするかというのを心身ともに準備したいですね。


来週のためには、今日か明日、映像は見てあそこ良かったな、もっと攻撃的になってもよかったなとかある程度組み立てるんですけど、一回ラグビーを忘れることですかね。昔は結構試合前にノートを書いていたんです。明日やることとか3つくらい。一応初めてみたんですけど、15年以降くらいからは結構そういうのがなくなってきたんですよ。それは、良かった点、悪かった点は自分でぱっと覚えているんで、あとは映像をみてあっているかどうかという感じで確認したら終わりという感じで。




そういう反省して、自分でレビューしてというのは1年目くらいからずっとやっています。だんだんそれがシンプルな方法になってきましたね。だんだんやっていくと、試合の目標も1行とかになってきて、もう意識することはかけないぐらいしっかりした準備をしていけばノートに書かなくてもいいやという感じになって15年以降は書いていないかな。

(今日の試合が最後の観戦になってしまうファンもいる)そうですね。やっぱり何かそういう怪我なく終えるというのも考えますね。次の試合も何とか顔を出せれば出したいと思っていますし、常に良いパフォーマンスで迎えられるように準備するのがファンのためかなと思っています



イーグルス 沢木敬介監督

沢木敬介監督

沢木敬介監督



あれだけボコボコにいかれたんで、今シーズンどこもこういうふうに強化しているし、
一試合一試合、危機感もってやらないとこういうゲームって僕は今後も起こりうると思っています。ただ今日の試合は最初の10分、15分で決まりましたね。やっぱりあの点差になるとゲームプランも全部崩れてくるし、何もできなかったという状況でしたね。

ただ今日は新しいディフェンス、あんまり機能しなかったですけど、新しいことやっているんで、変化を恐れて、1回失敗したから前に戻すとか僕はそういうことはしたくない。3試合、4試合目までこういう状況かもしれないですけど、それでも、我慢強くプレーできれば、今シーズンの終わりには自分たちが望んでいる形に繋がっていくんじゃないかなと思っています。もちろん3試合、4試合続くのは望んでいないですけど。今、しっかり変化のために今日は我慢ですけど、さっきも言ったように最初は少し残念でした。

シオネ・ハラシリ

シオネ・ハラシリ


――ディフェンス面で新しいこととは


ディフェンスのシステム変えたので、それが機能していないというところですかね。ただそれ以前に梶(村祐介)が言ったように態度の部分だったりとか、そういうところが一番ディフェンスでは大事になってくる。これだけやられたんだから後は良くなるしかないんで、毎回言いますけど、負けた後、殴られっぱなしで終わるのか、立ち上がって殴り返しにいくか、次の試合でわかると思います。

――いい場面もありましたが手応えがあった部分はなかったですか?


今日の試合だけでいえば手応えはないです。ただこの試合以前のプレシーズンを戦ってきたなかでは、やることしっかりやれば結果は出るというふうに僕は思ったんで、そこからブレずにいかないといけない。


――序盤グラウンドでは何が起こっていたか


何なんすかね。ただここ2試合くらい、目の前のプレーをおろそかにしちゃっているんですよね。なんで多分気持ちが焦りすぎてやろうやろうとしているのが逆に空回りしているような感じの場面があった。そこがしっかりできるようになれば、メンバー変えるのか、色々と方法はあると思いますが。また次の試合で修正できるようにしたい。


――点差を詰めて前半を終えましたがハーフタイムでの指示は?


勝つために何をしないといけないかを伝えました。ただ今日に関してはすべてが後手なんですよ。ラインアウトもモールも一本もトライとれていないけど、ああいうディフェンスしてくるというのがわかっておきながら、僕らもわかっていてその1週間の準備で、しっかり遂行できなかったのはコーチング側の責任でもあるし、相手より先回りの仕事をしなければならない。我々も自分たちにベクトルを向けないといけないし選手たちに要求する分、自分立ちの質もあげていかないといけない。


――試合後は選手たちに何か伝えたか


ゲームのは入りがああだとゲームプランが遂行できない。いろいろ準備していたのが全くできなかった。こういう試合になってしまうのは今シーズン全試合でありえる。しっかりマインドセットもって、特にスタートをどうやって自分たちがゲームを支配するためにどういうプレーが必要で、どういう態度でというのもやっていかないといけないと話をしました。


イーグルス 梶村祐介

監督がおっしゃったようにこういうゲームでああいう入りをすると、なかなかゲーム中に自分たちの流れを取り戻すのは難しいですし、こういう結果になってしまうなというのを改めて感じました。

ディフェンスのところでは自分たちはいいプランをもっていると思っていますし、ただ根本的な一人ひとりのマインドやアティチュードというところの準備がたりなかったというのは感じています。今シーズンどこに勝つのも簡単じゃないし、どこのチームと試合するときも絶対接戦になると思っているんで、自分たちの準備、そして選手一人一人が危機感もって試合に対して臨まないといけないなとは感じました。




――序盤の失点グラウンドでは何か起きていた?


試合の入りの部分でいうと一つ一つのコリジョンで少しずつ押されてゲインラインとられて、ディフェンスが内に寄せられて、外のスペースでゲインされるというシーンが続いていたんで、自分立ちのディフェンスシステムのベースは、コリジョンで勝っていかないといけないんで、そこのベースが最初の10分で崩れたというところが今日の敗因かなと思います。


――ディフェンスについて試合中どのように修正していこうと話していたか。


まずはコリジョンのところ、そこで自分たちからゲインラインをとりにいこうと話をしていました。そこで自分たちのリズムを作れば、相手はキックを蹴ってきて、自分たちのアタックする時間が増えるという考えでいました。最初のコリジョンで負けると自分たちのシステムは機能しなくなるのでやるべきところ、変えていかなければいけないところはもう明確なんで次の試合にむけてしっかり修正していきたい。

ゴール前のモール、押しきれなかったイーグルス

ゴール前のモール、押しきれなかったイーグルス


――試合後どんな話をしたか


自分たちのラグビーをする上でグラウンド場で一人でもレイジーなプレーをしだすとこういう展開になってしまうという話をしました。自分たちのボールを動かすラグビーをするためには(試合に)出ている選手がサボらない、どんどんボールに触りたい、そういう欲を出さないと自分たちのラグビーはできないと思っているんで、今日は態度の部分が足りなかったなと思っています。来週ホームなんで、そこでしっかりといい試合、勝ちゲームをファンの方に届けようという話をしました。

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