5月26日(日)、長野・長野Uスタジアムで、関東大学春季大会Aリーグの早稲田大対慶應義塾大の試合が行われた。令和になって初の「早慶戦」だった。早稲田大が開始15分で3トライを挙げるなど終始リードし、結局6トライを奪って36-12で勝利した。
得意とするボールキャリーだけでなく、オフロードパス、素早い飛ばしパスなど早稲田大のアタックの起点となったのはCTB中野将伍(4年)だった。FWシェイプの常に裏に立って、常にリンクしながらスペースを探すプレーや判断は、昨年より冷静に試合に臨んでいるように見えた。そんな中野に試合後、話を聞いた。
昨年から少しずつスペースを攻めることは意識している
――令和初の「早慶戦」でした
中野 負けられないというのもありますし、春シーズンは毎週、課題を持ってクリアしていこうとやっています。今週、ディフェンスをテーマにやってきて、それが出来ている時間帯もできていない時間帯もあった。修正できれば得点が減るかなと思います。
――監督が「全員オプション(選手全員がパスを受ける位置に立つ)ことを今年も掲げていると言っていました。
まだFW全員が走ったり、CTBや他のBKが毎回、裏に立って走るのは、チャンスのときはできているが、それ以外はできていない。
――その中で、中野選手はしっかりと判断してプレーしているように見えました。
昨年から結構、ボールキャリーの回数は多かったが、その中でキャリーが多いと(相手に)見られることも多くなるので、自分がボールを持って周りを活かしたり、自分が相手を引きつけて外を活かしたりして、昨年から少しずつスペースを攻めることは意識しています。そうなると強みのボールキャリアーが活きてくる。それを使いつつ、突破やハードキャリーがまだ少ないのでレベルを上げていきたい。
――いいオフロードパスやグラバーキックからもトライが生まれました
オフロードパスは意識している。味方のコミュニケーションないといけない。一人ではできない。オフロードパスを狙ってくるようにと味方には言っています。(リンクも)意識しています。今日の最初のトライもそこから取れました。でもやっぱりスペースのない状態で、チャンスメイクは今日少なかった。スペースの空いてないきつい状態でもチャンスを作れるようになりたい。(グラバーキックのトライは)外の選手から裏が空いている声があったのでキックしました。外からのコールがあって、その中でオプションを使った。
――6トライ中5トライがBK。BKに決定力がありました。
最初の方はつなぎもフォローも良かった。もっとトライを取り切る精度を上げていけば強みになるかなと思います。
――昨春はNDS(ナショナルディベロップメントスコッド)合宿に呼ばれ、4月からサントリーでも練習していました。
NDS合宿は(右足の太股のケガの影響)見学だったので、少し悔しかった。チャンスいかせなかった。呼ばれたらパフォーマンス上げて実力発揮できるようにしたい。(サントリーの練習には)今年はカップ戦もあるので、今のところ予定は参加の予定はありません。
――いよいよ最終学年です。
3年間のパフォーマンスよりも、4年間で一番いいパフォーマンス出したいですし、強みのボールキャリーも上のレベルでも通用するようにいろいろ試しつつ、その中で、味方を活かせるように、自分のオプションも増やしていきたい。
斉藤健仁 スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。 プロフィールページへ |