1月2日(金)、MUFGスタジアム(国立競技場)では第62回全国大学ラグビー選手権大会準決勝が行われた。第1試合は早稲田大学(関東対抗戦4位)が帝京大学(関東対抗戦3位)と対戦し、31-21で勝利し昨年に続き決勝進出を果たした。

帝京・大町佳生主将

早稲田・野中健吾主将
前半5分、早稲田は敵陣ゴール前ラインアウトからSO服部亮太がギャップをついて先制すると、帝京もすぐさま10分にHO梶川尚能のトライで同点とする。さらに帝京は16分、WTB日隈太陽がトライを決め14-7と逆転。

服部亮太の先制トライ

野中健吾のゴールも決まって7-0

森山飛翔

前半10分帝京HO梶川尚能が突破

梶川がそのままトライ

本橋尭也のゴールも成功

カイサ・ダウナカマカマ

日隈太陽のトライで帝京が逆転
早稲田は19分にCTB野中健吾のPGで3点を追加すると、22分、服部亮太の50/22で敵陣に入るとラインアウトモールからHO清水健伸のトライで逆転。さらに30分にはFB矢崎由高が味方のショートパントに反応しトライを決めて20-14とする。早稲田のスピードあるアタックに対して帝京はオフサイドのペナルティを繰り返す。すると38分に服部のドロップゴールが決まり23-14とリードを広げ前半を折り返した。

野中健吾のPG

前半25分モールから清水健伸がトライ

矢崎由高

前半38分早稲田・服部亮太のドロップゴールが決まり23-14とした
後半最初にスコアしたのも早稲田。57分、帝京が接点で差し込まれオフサイドのペナルティを犯すと早稲田は再びラインアウトからモールを押し込みHO清水が2本目のトライを決めて28-14と突き放すと61分、早稲田はスクラムでペナルティを獲得し敵陣にはいり、ラインアウトからアタックを仕掛けペナルティーを獲得すると服部がPGを落ち着いて決めて31-14と17点差にスコアを広げた。

57分ラインアウトをスローする清水健伸

モールからHO清水健伸がトライ

61分・帝京・大町佳生主将が出場

63分・服部亮太のPG
追いかける帝京は71分にFL甲斐敬心がトライを返すもそこまで。31-21で早稲田が勝利した。

甲斐敬心のトライ

大町佳生がゴールを決める

ノーサイド
早稲田大 大田尾竜彦監督

大田尾竜彦監督
今日の試合に関しては、これまで過去に敗れてきた相手に対して、そこをすべて見直して準備してきて、ようやく勝ち切れた――そんな勝利だと思います。最初の入りは、やるべきことを選手がよくやってくれました。ありがとうございました。
――監督に2点ほどお伺いします。1点目、帝京大学に対してスクラム、モールで押し込むトライ、接点が変わっていた印象。1年間通して強化してきた接点、具体的に何を意識して取り組んだか?
具体的なスタッツだったり数字を示して、上回らないといけないというところ、コンタクトだけではなくて、入る前のハンドリングだったり、タックルだったり、そういうものを全て見つめ直しました。これっていうものもないんですけど、多くのことを帝京さんに勝るために1年間かけて準備してきたところが、いろいろなところで出ていたかなと思います。

服部亮太
――服部君の先制トライ、トライにつながるプレー、キック、ボールキャリーも良かった。今日の活躍をどう評価するか?
いいところはいいと思うんですけど、まだ安定感が足りないところだったり、後半の20分、30分くらいのところに、どういうふうにボールを使って、どういうふうに安定させるとか、そういうところは本当にまだまだ課題があると思いますし、彼にはそういうところは日頃から伝えているんですけど、勝って、またいい課題が出て、成長の糧にしてほしいなと思っています。

松沼寛治
――最後、いいリードを取った後にかなり帝京に追い上げられた。フォワードの選手は普段のポジションじゃない交代もしていた。上からどう見て、決断を振り返ると?
やはり複数ポジションできる選手というのは非常に重要で、いろいろチャレンジも含めて、例えば3番、4番とか、それこそ粟飯原のフランカーのナンバーエイトというのもいろんなことを試している中で、その時々に一番あったとか動けるような選手を最後配置するというところで、最後は残り時間になっておい上げられましたけど、それも想定内で言いますか、やはりあのまま点差でずるずる行くような相手でないといけないので、そういう時にフォワードをどういう風に動かすのかというのはある程度考えてました。それに足が止まったとのは、そういうものを考えていた結果です。

スクラムで早稲田が優位に立った
――いろいろ上回るところを探してきて、1つ2つ挙げるならどこが一番大きかった?
まずやっぱりスクラムが一番大きいかなと思っています。スクラム就任当初から強化してきて、自分たちが思うようにスクラムを組み出したのは、試合に与える影響という意味では今日の試合はかなり大きかったかなと思うので、スクラムがまず1つですね。あともう一つ上げるとしたら、22mの中のスコア率ですね。前半のスコアは矢崎のスコアはあれでしたけれども、22mに入って2回入って2回スコアしてきた。ドロップボールも含めてスコアしてくれたというのが非常に大きかったと思っています。そこについては1年間、スコア率の向上したので、時間もいっぱい使いましたし、そこが大きかったと思います。

――12月タフな1ヶ月で、準決勝まで休みもあった。コンディション面の影響は?
このチーム始まって、どういうゲームモデルを立ててトレーニングしていったら日本一になれるのか、そこからスタートして、そのためにどういうフィジカルが必要で、どういうものが必要かを追い求めてきているので、トレーニングやそこにブレは全然なく積み上げてくれているので、休ませるところは休ませて、それがコントロールできていて、今日も上から見てもスピードもありましたし、準決勝のこの舞台でそういうパフォーマンスを出せたというのは、非常に成果かなと思います。
――序盤から早稲田のテンポで球出しできた点はどう見た?
22mの中で、今日の早稲田としては、フォワード戦でジリジリ行くのではなく、ボールを動かすことが自分たちのスタイルという話をして、その練習はかなり積んできて、やっている中でもみんなが同じ画を見ながらプレーしているなという感じがあります。
もちろんうまくいかないこともあるんでしょうけど。でも、みんなが同じ絵を見ながらプレーしていることが、いろんなところにつながっているかなと上から見て思いました。
――決勝に向けてディフェンス面が課題?
そうですね。帝京サイドのゲームプランは分からないですけれども、明らかにコンテストボールが少なかったかなと思っています。狙いとしてはスクラムの本数を少なくしたかったのかなと思うので、いつもよりワイドワイドに振られて、というのは見ながら感じていました。表裏一体ですけど、回されている分、こちらからするとセットプレーが優位にいくんだろうなと思いながら見ていたので、ゴールライン含めディフェンスは、今日ゲインすごい許したんですけど、みんな慌てずに最後トライラインを割らせずに、という感覚と、セットプレーでのペナルティの数も取れていたので、そこら辺はゲームの綾かなと思っています。あと、(野中)健吾が言うように1年間やってきたことを出せるように修正するところを修正していきたいと思います。

――2週間で天理と帝京という大きな山を2つ超えた感想は?
監督になってから思っているのが、選手権に入ったり対抗戦の最後の方からどれだけ伸びるか。伸び切ったチームが優勝している。選手権に入ってからの成長具合はすごいと思っていました。どうやって伸びるかは、細かいことを重ねて、選手権に入ると、みんなで一つの方向を向いて「ただやるだけ」の状態を作れるかどうか。そこがうまくいったかなと思っています。結果として、天理大学さんと帝京大学さんは強くて、タフなゲームでしたけど、それを成長にうまく噛み合わせて、今やってくれていると思います。決勝まで来ましたけれども、この歩みはかなり成長を感じると思います。

矢崎由高
――矢崎選手が短めのキックなど、狙いと効果は?
チーム全体としてボールの動かし方でところで健吾からのキックだったり、(矢崎)由高からのキックで、相手の的を絞らせないところはありました。
敵陣で戦う時間は長かったですし、そこは多分彼のキックは効果だったかなと思っています。 ただ、ダイレクトタッチもあったり、本人も相当悔しがってましたが、まだまだ成長できるのび代は見えたので、非常に良かったと思います。
――野中主将を早めに交替、どんな意図?
健吾を変えたところでいくと、12番で黒川を入れて、縦のランニング、タックルのスピード感を上げたい狙い。13番の福島も調子よかったので、黒川と福島も(いっしょに)長いこと出てくるので、そこに期待して交替しました。
早稲田大学 野中健吾主将

野中健吾主将
(前年度の)決勝を帝京さんに負けてから、帝京さんに勝つために1年間やってきたので、1年間の成長が出た試合かなと思って、本当に80分間、チーム全員で繋がり続けた結果が、この勝利ができたかなと思います。
――交代後、ベンチからどう試合を見ていたか
本当にプレッシャーのかかる場面が多かったですが、15人でつながる練習をしてきたので、仲間を信じて声をかけていました。

――緊張はしませんでしたか?
チャンピオンチームなので、最後まで何が起こるか分からないというプレッシャーがある中で、でも勝つために練習してきたので、自信はありましたし、自信を持って仲間を見ていました。
――決勝は勝つために一番何が大事?
今までやってきたことをどれだけ出せるかとことが全てだなと思うので、本当に1年間積み上げてきたことを目標である荒ぶるとるために、80分間やってきたらと思います。
――序盤から22m内でテンポ良く攻められた点について
プレッシャーかかるなか、練習中から22m内の集中はチーム全体に行ってきましたし、試合だけでなく練習してきたことを出したと思います。
――ブレイクダウンは?
そうですね。目の前のに集中しようというところは心がけてましたし、チーム全体で1個1個のプレー、丁寧さなど出たかなと思います。
帝京大 相馬朋和監督

帝京・相馬朋和監督
本日は、大町キャプテン中心に作ってきたチームで、ここまで戦ってこれたことは本当にうれしく思います。今日も数多くの素晴らしいトライを産んでくれたし、チャンスも多く作ることができたと思います。私自身が、おそらく早稲田さんの勝利の執念に負けたんだと思います。来年は、もっとその部分を鍛え直して、またここに戻っていきたいなというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。

――キャプテンをリザーブで投入した狙いと、ゲームプランでうまくいった点・違った点は。
そうですね。最初の入りは少しいい入りではなかったですけれども、その後の20分以降というのは、本当に我々がしたいことができた時間だったと思います。そこで作り出したプレッシャーを、その後、自分たちで緩めてしまったというのが一番の敗因だと思っています。キャプテンの投入に関しては、もっと早い段階で投入すべきだったのかもしれないというのは、今の反省ですし、もしここで負けてしまうなら、大町を最初から出さなければいけなかった、出してやりたかったな、そういうふうに思っています。

――控えに置いた大町選手について
大町は元気ですよ。素晴らしいコンディションです。
――どの段階で入れるかというプランだった?
そうですね。ゲームがもう少しルースな状態になって、大町のいい部分が生きるようなゲーム展開に持ってきかったんですけれども、早稲田さんもやるべきことをきちんと最後に遂行する能力というのは、素晴らしかったと思います。
――この1年、スクラムでなかなかプレッシャーをかけられなかった点について。
そうですね。言いたいことはたくさんありますけど、何も言わずに来年に向けて頑張ります。
――FWに4年生が少なかった影響は
4年生もいましたし、練習の中でも常に頑張ってチームを引っ張っていました。たまたまこの23人の中に4年生が少なかっただけで、そういう意味でも150人分、全員が取り組むべき方向をきちんと修正して、また戻ってきたいですね。
――前半オフサイドが多かった点について。ハーフタイムで声掛けは?
映像を見ないと、きっちりしたことは分からないですけど、ラインが揃っていないという部分に関して修正すること、オフサイドというふうに見えているのであれば、「今立っているところから、もう一歩下がろう」という話は、前半の中からメッセージとして出していました。
――冒頭でご自身の問題として反省されていた点について。
私、スクラムの専門家ですから、スクラムでいい結果が出ないということに関しては、全て私の責任だと思っています。という意味ですね。
――プレッシャーを自分たちで緩めてしまったという具体的な点は。
プレーの選択の部分ですね。プレッシャーって矢印みたいなものだと思うんですよね。相手に矢印を向けられている時に、比較的早く簡単に効果が出そうな選択をしてしまっていた。そのせいで、矢印が反対を向いたような感じがしました。

――例えば相手が蹴ってきた後の裏へのキックが多かったり、無理に攻めてしまったり、そういうことですか。
そうですね。相手が蹴ってきた時の蹴る判断、蹴られたボールがどの位置にあるかによって、どんなキックを蹴るのか、ボールを運んでから蹴るのか、パスは何回した方がいいのか。そういう選択において、我々にとって難しい、タフな選択の方を少しずつ選んではいけない方を選び始めた、という意味です。
――リードして気が緩んだ影響は?
いろんな要因があると思います。今シーズン、スクラムなどセットプレーがうまくいっていないので、簡単に何ができるかを探して、それを選んでしまった部分はあると思います。
――スクラムのレフェリー解釈について。
そうですね。その部分では、本当に難しかったですね。
帝京大学 大町佳生主将

大町佳生主将
自分たちが望んだ結果じゃなかったんですけど、これもラグビーをやっていたらあることだろうと思いますし、人生のように自分たち4年間で、負けることも悔しい思いをすることもあると思います。でも、その度立ち上がって、また来年以降、素晴らしい後輩たちが、本当のチャンピオンになってくれると思います。
結果は結果ですし、悔しさはあります。ただ、これは人生のための挑戦だと思っています。来年以降も、素晴らしい仲間たちが、またこの舞台に立ち、笑って終われるように、努力を続けていってほしいと思います。

――難しい時間帯での途中出場について
スコア的にも、精神的にもプレッシャーがかかる状況でした。10点差という状況の中で、まずはチームに勇気を与えたいと思ってピッチに入りました。特別なことをするのではなく、空いているスペースにしっかりアタックすることを意識しました。リザーブが入ってからは、その点でチームがよく動いたと思います。もう少し早い段階からそれができていれば、違った試合展開になっていたかもしれません。
――ラスト30秒のペナルティ後の判断について
自分も一瞬(PGを狙うことを)考えました。ただ、カイサがチョイスしたところがあったので、チームとして違うと思っても、そこはプレーするだけだったかなと思います。

――国立を経験したことがない選手が多かった影響は
純粋にラグビーを楽しんでほしい。環境とか、観客とか、外的要因はいろいろありますけど、自分たちがやってきたことを信じて、思い切ってラグビーをしてほしいと思います。前半20分は、自分たちがやりたいことをしっかりできていたし、その瞬間は、全員がラグビーを楽しんでいたと思います。
――アタック面で、準備は良かったが、出し切れなかった点については
自分たちがボールを持っている時間は、本当に生き生きとアタックできていました。ただ、相手にスコアされた場面というのは、一瞬の迷いがあったと思います。そこで相手にボールが入ってしまって、スコアされたというのは、前半最後の流れに乗れなかった部分かなと思います。



