太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025第2戦、北九州大会(7月20-21日)の登録メンバーが18日、発表された。
第1戦の熊谷大会から4週間。今年の4大会では最長のインターバルを挟んで迎える大会だが、復帰した選手あり、欠場する選手あり。例年にない猛暑の中でのシリーズ、各チームはメンバー編成に苦心のあとがうかがえる。
熊谷大会は三重パールズが決勝で東京山九フェニックスを28-12で破り優勝。前評判通りの充実ぶりを見せつけたが、果たして第2戦はどうなるか?見どころを探ってみよう。
2025/07/19
文●大友信彦
プールA
プールAはパールズ(熊谷1位)、日体大(熊谷6位)、北海道ディアナ(熊谷7位)、チャレンジ(熊谷12位)の4チーム。パールズと日体大は熊谷でも同組になり、決勝トーナメント初戦の準々決勝でも再戦し、パールズが2連勝。くしくも北九州大会でも対戦が実現する運びとなった。
最大の注目は「大内田3姉妹対決」だろう。熊谷大会に続く優勝を目指すパールズは、熊谷大会MVPのブラジル代表タリア・コスタはじめガブリエラ・リマ、NZ代表サラ・ヒリニ、オリブ・ワザーストンというワールドクラス勢に須田倫代、大内田夏月という新加入勢が揃って熊谷大会に続いて出場。熊谷からの1カ月の間にどこまでコンビネーションを高めているか楽しみだ。

大内田夏月
日体大は、ワールドシリーズトライオブザイヤーの谷山三菜子と高橋夏未、ベテラン堤ほの花のサクラセブンズトリオが熊谷に続いてメンバー入りしたのに加え、熊谷ではメンバーから漏れた注目のルーキー大内田葉月がメンバー入り。姉の夏月と同プールになおり、大学生になって初めての姉妹対決が実現しそう。

大内田葉月
さらに第4バンドのチャレンジチームには四女の彩月(修猷館2年)もメンバー入り。DAY1は大内田三姉妹の直接対決が3度にわたって見られそうだ。姉妹の地元・福岡で行われる大会でこの組み合わせになるとは、狙ったわけでもあるまいし、みごとな偶然だ。プールAのもう1チームは北海道ディアナ。ブラックファーンズのブルームフィールドのオフロードパス、ウガンダ代表エミリー・レクルの爆走が楽しみだ。チャレンジチームの主将は桐蔭学園の冨樫結衣が務める。

大内田彩月

エミリー・レクル
プールB
プールBに入ったのは熊谷大会2位の東京山九フェニックスと5位の横浜TKM、8位の自衛隊体育学校PTS、11位の横河武蔵野アルテミ・スターズ。フェニックスとTKMは熊谷でも同組になり、フェニックスが29-14で勝っている。フェニックスは熊谷大会で6トライをあげたベテラン奥野わか花をはじめ、サクラセブンズの岡元涼葉、熊谷の準決勝でサヨナラトライをあげた尾崎夏鈴という注目選手がそろって欠場。
かわってメンバー入りしたのが四日市メリノールから加わって2年目の野澤友那&友歩のツインズ&桐蔭学園からこちらも加わって2年目の大器・杉浦夏麗という大学2年生トリオだ。

野澤友那
杉浦は身長175センチ。日本出身選手では最長身…と書こうとしたら、発表されている登録メンバーリストのデータでは北九州大会参加全選手で最長身だった!サイズとセンスを兼ね備える大器の躍動に注目だ。

杉浦夏麗
TKMは熊谷大会は欠場したニュージーランドから新加入のメレニア・パラワンが初登録。加入2年目の谷山美典は登録されず、日体大の二女・三菜子との姉妹対決は持ち越しとなった。
第3バンドの自衛隊体育学校PTSは負傷者の関係で11人での参戦となった。今大会は暑熱対策として大会登録選手枠を通常の12から13人に拡大した(そこから試合ごとに12人を登録する)のだが、その恩恵は受けられそうにない。負傷者が出ないことを切に祈る。

PTS・梶木真凜
第4バンドの横河武蔵野アルテミ・スターズは、先の関東大学オールスターで行われた女子セブンズで対抗戦選抜の主将を務めた西舞衣子が満を持しての登場。自ら走るだけでなく、サクラセブンズの矢崎桜子、期待のルーキー木川海&梅津悠月とランナーはそろっているだけに、彼女たちを走らせるプレイメーカーとしての働きも期待したい。

西舞衣子
プールC
ナナイロプリズム福岡とながとブルーエンジェルス(NBA)は熊谷大会でも同組。プール戦では19-12、最後の3位決定戦での再戦では26-19で、ともにナナイロが勝利した。総合3連覇を目指すNBAとしては、同じ相手に3連敗はどうしても避けたいところ。

熊谷大会では、ナナイロがながとに2連勝して3位に。
ナナイロは熊谷を欠場したキャプテン馬場希美の復帰が好材料。18歳の伊礼門千珠から37歳の中村知春までほぼベストの布陣が揃った。北九州は2月にナナイロカップを開いている本拠地という「地の利」を活かしたい。
NBAにとっても本拠地・山口とは目と鼻の先という準地元での大会だけにモチベーションは高いはず。これが太陽生命シリーズデビューとなるフィジー代表アナ・ナイマシのパフォーマンスに注目だ。
第3バンドは前回9位のアルカス、第4バンドが同10位の追手門。熊谷大会では最後の9/10位決定戦で対戦してアルカスが31-12で勝利した。外国人選手を擁する上位社会人チームとは選手層に差があるのは否めないが、大学チームとして好勝負を繰り広げてきた両チーム。上位勢に一泡吹かせ、まずは熊谷で逃した8強入りを目指したい。

追手門学院VENUS・松下小雪キャプテン
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |