31日、ラグビー日本代表は「リポビタンDツアー2025」の初戦、南アフリカ代表戦の試合登録メンバーを発表した。メンバーセレクションとチームの現状について、エディー・ジョーンズHCとワーナー・ディアンズゲームキャプテンが会見を行った。
リポビタンDツアー2025 南アフリカ代表戦試合登録メンバー
1  小林 賢太 (5)
2  佐藤 健次 (5)
3  竹内 柊平(20)
4  ジャック・コーネルセン(25)
5  ワーナー・ディアンズ ◎(28)
6  ベン・ガンター (15)
7  下川 甲嗣(19)
8  リーチ マイケル(90)
9  藤原 忍 (17)
10  李 承信 ◯(25)
11  長田 智希(22)
12  チャーリー・ローレンス(5)
13  ディラン・ライリー ◯(34)
14  石田 吉平(6)
15  矢崎 由高(6)
16  平生 翔大 (0)
17  祝原 涼介 (3)
18  為房 慶次朗(16)
19  タイラー・ポール(1)
20  マキシ ファウルア (20)
21  福田 健太(6)
22  サム・グリーン(4)
23  ティエナン・コストリー (10)
――土曜日の南アフリカ戦に向けて
エディー イングランドに来られて嬉しいし、南アフリカと対戦する歴史的な一戦を楽しみにしています。非常に良い準備ができています。オーストラリア代表戦が終わって2日間 東京でトレーニングし、昨日、移動して、今日は軽く体動かした。(選手たちは)心身ともに良い状態です。
今回、世界のベストと戦うので大きなチャレンジとして、チームとしても自覚しています。萎縮するわけではなく挑むつもりで臨んでいきたい。
フィジカルな試合になると思いますし、試合の場合ごとにスピードを持ってプレーして、何よりも賢くプレーする。選手たちは良い準備を持って土曜日に臨みたい。
――秋ツアー全体の中で、スプリングボクスの試合の価値は?
世界1位と戦えることは、すばらしい。南アフリカ代表は2019年、2023年のワールドカップで優勝し、ラグビー・チャンピオンシップも優勝していますので、間違いなく世界一のチームだと言えます。だからこそやりがいがあるし、若手にとっては良い試練、自分たちを試す良い機会です。
選手は世界一と1対1で挑むことができ、まさにそういった試練、チャレンジは選手が望んでいることです。10年前、南アフリカ対日本を象徴するような試合がありましたが、今回は自分たちでヘッドライン、歴史を作るという一つの機会がある。そういった意味では選手たちは楽しみにしているし、スポットライトを浴びるような機会になる。フィジカルを持って、過去で一番、日本代表が一体感を持って臨む試合になると思います。
――南アフリカ代表と対戦します。選手としての意気込みは?
ワーナー 楽しみですね。小さい頃から南アフリカ対NZの試合を朝の3時くらいに起きて試合を見ていた。トップのトップというか、ずっとトップ3、トップ4のチームにチャレンジできる機会だと思います。(南アフリカは)ワールドカップ2連続優勝して、チャンピオンシップも去年も今年も優勝しているトップだと思います。
――オーストラリア代表戦後、後半のようなスタイルを最初からしたいと話していたが、試合のキーは?
エディー 世界チャンピオンと戦うにあたって、ジャパンとしてはどう良いスタートを切るかですが、 (オーストラリア代表戦では)スタートが悪かったとしても、集中力を切らさず、最後のところで勝機を見いだすこともできるということを証明した。でもファストスタートを切りたい。相手にポゼッション、勢いを与えたときにディフェンスが試される。そういう時間帯で、どういう試合の運びになるかはディフェンス次第になるかと思います。ロングフェーズでもディフェンスすることを選手たちはプライドを持ってやっているが、そういう時間帯が来たときに、試練、テストになると思います。
――10年前の試合、シンボリックということですが、どう日本のラグビーは変わったと感じているか?
エディー 2015年の(南アフリカ代表と)日本代表の試合があってから ティア1と定期的にマッチメイクできるようになったのは大きい。10年前はトビリシ、ブカレスト、南フランスで試合をするという状況だったが、2015年と比べると(現在は)強豪のオーストラリア代表、そして南アフリカ代表、アイルランド代表、ウェールズ代表、ジョージア代表と今回のツアーみたいなマッチメイクができるようになった。選手にとって大事なのは、10年間で作り上げたレガシーを引き継いでいかないといけない。あの(ブライトン)とき以上のプレーをする責任があると思うが、選手たちは楽しんで責務を果たしたいと思っていると思うし、日本代表にかかっている責任に対応して、責任を果たせるか見せたい。
――HO江良颯がケガをしてしまったが、若手以外のベテランを呼ぶオプションはなかったのか?
エディー 今、選ばれていない、今いないメンバーについてはコメントしたくありません。我々の意向は若手でチームを前に進めることです。
――HO平生選手の成長をどう感じている
エディー 若いがこの半年でもフィジカル的にも成長しています。スローイングも良い形になってきています。ポテンシャルもあるので、若い選手としてテストマッチで通用する選手に育っていってくれると思っています。
――南アフリカ代表戦、若いチームのキャプテンとしてどう声をかけて、引っ張っていきたい?
ワーナー 楽しみですね。小さい頃から南アフリカ対NZの試合を朝の3時くらいに起きて試合を見ていた。トップのトップというか、ずっとトップ3、トップ4のチームにチャレンジできる機会だと思います。(南アフリカは)ワールドカップ2連続優勝して、チャンピオンシップも去年も今年も優勝しているトップだと思います。
――FB矢崎由高の現在のコンディション、またティエナン・コストリーの起用方法は?
エディー 矢崎はちょっと負傷を抱えていたので火曜日は休ませた。移動もできて、今日も軽く動いた。明日からフルトレーニングに入ってゲームにはフィットしてくると思います。
南アフリカ戦はフィジカルバトルになるので、ベンチに(コストリーを入れて)FWを6人にした。コストリーはWTBの75%の素早さ、ジャンプ力、身体能力を持っているのでバックローだけでなくWTBとしても活躍できる選手です。
(コストリーは)ユニットキャンプの時、BKの方に過去、2回参加した。間違いなく役割を果たしてくれるし、彼自身楽しみにしていると思います。イングランド代表でもFWを12番、WTBに起用する傾向がある。HIAの時に複数のポジションを果たしてくれる貴重な存在です。
――超速ラグビーをするために大事なことは
エディー 超速ラグビーをやるにあたって明確な定義がされていることは、スクラム、ラインアウトといったセットプレーを安定させ、ブレイクダウンが整理されていないといけない。そこからクイックボールを出して、しっかり空いたスペースに素早く運ぶ。コンテスト、セットプレー、ブレイクダウンに勝つ、ブレイクダウンを処理することで、相手にかなりトラブル、問題を起こすことができる。南アフリカはフィールドの反面だけをディフェンスする傾向があり、逆サイドに大きなスペースが空いてくる。まずコンテストに勝って、速い球出しをしないとボールを運べない。コンテストができ、世界の強豪に負けないくらいスピードを持ってボールを運ぶことが大事になってくる。
――オーストラリア代表戦を通して選手たちは自信を得た?
ワーナー はい、自信はついているかなと思います。東京で良い練習ができて、すごい自信がある雰囲気かなと思います。また連続ですごくフィジカルな試合が続くので、その自信をしっかり使っていきたい。
――ワーナーはツアーのキャプテンなのか? キャプテンに期待していることは?
エディー (ワーナーは)ツアーのキャプテンです。試合ではキャプテンとして与えられることをやるが、毎週、毎週、同じではないので適応していってほしい。今回は南アフリカ代表のデヤハー、スナイマンといった大きなLOと対戦する重要なコンテストがあるので、フィジカルでリードしてやってくれると思います。なぜならばワーナーは世界でも有数のLOを目指していると思うので意気込んでいると思います。
――(15年ワールドカップの)ブライトンでは、監督の言うことを守らなかった選手がいたが、(ワーナーにも)自分で決めろということを言っているのか?
エディー そうするように促しています。選手たちは試合の中の流れに適応していって決断する責任を持ってほしい。あくまでもアドバイスを与えるが選手の判断を尊重したいと思います。

 
	