エディー・ジョーンズHC「これが現状。やり続けないといけない」エディージャパン。ゼロからのスタート。「選手たちの努力は賞賛すべき」 | ラグビージャパン365

エディー・ジョーンズHC「これが現状。やり続けないといけない」エディージャパン。ゼロからのスタート。「選手たちの努力は賞賛すべき」

2024/07/22

文●編集部


21日、ラグビー日本代表は「リポビタンDチャレンジカップ2024」イタリア代表との一戦に挑み14-42で完敗。イングランド、ジョージア、そしてイタリアと3戦全敗で夏ツアーを終了した。23日にエディー・ジョーンズHCによる夏ツアーレビュー会見が行われる予定だが、まずはイタリア戦後の会見をお伝えする。

エディー・ジョーンズHC

今日で夏のシリーズが終わりました。イタリアが終始継続して良いプレーをして、規律も良かったので勝利した。私たちの方も本当に良いプレーもあったのですが、ハンドリングのミスやラインアウトを取れなかったことで結果を得ることができませんでした。



そして残念なことに、それが私たちの現状なのです。率直で正直なところ、私たちはこうなると思っていました。より一貫性を高めるために必要なステップを踏んでいるところです。選手たちがテストマッチをプレーすることで、これまで経験したことのないようなさまざまな状況に慣れ、試合に出るたびに、いい教訓を得て、さらに強く、賢くなることができるようになるでしょう。

今日はジョージアとは違うスクラムを知った。いろいろなことを学んだり、そこに向けて話し合ったりしていく。ただまだフィールド上でそれを解決することができるようになっていない。イタリアは固いディフェンスをしてきたので、それに適応するのに時間がかかりました。でも、選手たちの努力を本当に誇りに思います。素晴らしい努力をしたと思います。後半のスタッツを見ると、テリトリー76%、ポゼッション74%と上回っていたんじゃないでしょうか。



――前半ペナルティでは、選手たちはショットを狙わなかった。


フィールド上ではキャプテンが判断します。自分はリーチの判断に全幅の信頼を置いている。ただ今回は7つほどペナルティで得たラインアウトで半分くらいハンドリングエラーを犯していた。PGを狙うか、狙わないかの判断の良し悪しは後づけでそう思うことなのかもしれないが、問題の根本はそこではないと思います。

敵陣5mに入った後、得点することができなかったことについては検証すべき

攻め込む坂手淳史

攻め込む坂手淳史



――収穫はあったか


後半はアタックでうまく対応できた。順目、順目のシンプルなアタックで効果的に調整できていたと思う。ボールが自分たち側にある時は脅威となっただろう。敵陣の5メートル以内に入って行った時も自分たちの流れに持ち込めた部分もあった。試合後にイタリア代表のコーチと話したが、「プレッシャーを感じていた」と言っていた。ただし、さっきも言ったが、敵陣5メートルに入った後に得点することができなかったことについては、検証するべきことだろう。

――イタリアは予想と違うディフェンスだったというのはブレイクダウウンのところか


イタリアはとても強く、FWがフォールドしてくる印象でした。だから、序盤はブラインドサイドからチャンスがあるかもしれないと思っていたんですが、彼らは、自分たちのワイドスペースをうまくキープしていました。私たちは同じやり方でプレーし、もう少し彼らのスペースを突いてプレーするように、調整する必要がありました。後半は相手にプレッシャーをかけ始めることができた。

突破を図るNO8サウマキアマナキ

突破を図るNO8サウマキアマナキ




――相手が14人の時にスコアできなかった


ラグビーのゲームは3つのパートにわけて考えられると思います。まず、自陣から出るところ。ここでは、ランやキックを使う。次は50メートルと10メートルのラインの間です。ここではボールをあらゆる形で動かし、相手のディフェンスの間のスペースを狙います。そして最後にゴールライン際で、相手のラックディフェンスを崩さないといけないシーンです。


しかし、ここが我々にとって今足りていない部分で、変えなくてはいけない部分です。我々にはゴール前でフィジカルで持っていくという力がまだ不足してるので、ボールの動きを活発にすることをパシフィックネーションズカップまでに準備していきたいと思います。


「誰もが結果を求めるのはわかる。結果というものはプロセスがないと得ることができない」



――以前だったらこのような試合の時はもっと怒っていたような印象があるが、今日は穏やかに見える


現状を理解しているというだけのことです。リーチを除外したらトータルで120キャップくらいしかないチームというのが現状ですよ。テストラグビーを成長の過程とすると、今はまだまだ幼稚園に通ってるようなチームのようなもので、その現状を私は認識しています


誰もが結果を求めるのはわかります。ただ、結果というものはプロセスがないと得ることができないということを私は理解しています。

今日の対戦相手のイタリアは、5年前まで、トレヴィゾ(ベネトン)はユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップではほとんど勝てずにずっと最下位に沈んでいたチームです。ですが、いまはそのチームの選手の多くがイタリア代表でプレーしていて、チームとしての経験値、連携、知見を積み重ねていったものです。


ただ前回のワールドカップ後にイタリア代表がここまで手ごわいチームになるとは、誰も予想していなかったと思います。

日本代表も同じです。いまのジャパンには才能のある選手こそたくさんいるが、経験値がない。だからやり続けないといけない。日本の選手は努力することができない選手はいません。経験、知識、連携を深め定期的に蓄積することが大事なのです。

新チームで現在地を推し測る最初のテストマッチツアー。多くの選手が国際試合を経験した。

新チームで現在地を推し測る最初のテストマッチツアー。多くの選手が国際試合を経験した。


最低でも20キャップはないとテストラグビーのレベル選手とは言えないので、それぞれが20キャップを得ることがまず大事です。痩せ我慢しているつもりはありません。結果には悔しい気持ちですが、やってきた選手の努力は賞賛すべきです。

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