日本代表トレーニングスコッド菅平合宿レポート、エディー・ジョーンズHC「チームを作り直す」29日はセレクションゲーム | ラグビージャパン365

日本代表トレーニングスコッド菅平合宿レポート、エディー・ジョーンズHC「チームを作り直す」29日はセレクションゲーム

2024/05/21

文●編集部


20日から菅平で合宿を行っている「15人制男子日本代表トレーニングスコッド」は、21日練習を公開、練習後取材に応じた。エディー・ジョーンズHCに今回の合宿の印象や招集した選手たちの評価など現状について話を聞いた。

「日本代表としてチームを作り直す」

エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC


――菅平の合宿の印象


ここ、ゾンダックには素晴らしい施設があります。日本代表を再構築しているので、まずは基本的なことに立ち返りたかったので、ラグビーの魂みたいなこの聖地に戻ってきたいと思っていました。(菅平は)とにかく練習施設が充実していますし、ラグビーのことだけを考えられる場所です。選手たちにもそうして欲しいので、この場所が適していると思いました。

――大学生の選手が9人います。若手選手に期待することは


まずこの環境に慣れること、そして毎日ここで自分自身のベストを見つけ出してもらうことですね。


――トレーニング合宿での狙い


今回は12クラブ中5つのクラブから選手を呼んでいるトレーニングスコッドです。彼らにとっては自分たちを日本代表のスコッドにアピールするチャンスですし、そこからさらに初戦のイングランド代表戦の23人のメンバーに入ってくることを期待しています。

本橋拓馬(左)、青木恵斗(右)

本橋拓馬(左)、青木恵斗(右)


――日本代表としての目標は


まずはチームを作り直します。そのためには、セレクションを行い、若い選手を育成する。日本のラグビーの戦い方を見直したい。そしてもちろん、勝ちたいです。


――2月の合宿から何をバージョンアップした?


まず大事なのはフィジカルの部分です。今回は1日3回トレーニングセッションを行います。そこが重要で、テストマッチで私たちが戦うのに不可欠なベストのフィットネスを作り上げる必要があります。前回はラグビーのコンセプトを落とし込んだ合宿で知ったが、今回はダンとデーヴィッド(コーチ)がいるので、細かい部分を導入していこうと思います。そして、もちろんイングランド代表戦に勝つためのプランも練っています。



――この合宿から宮崎に何人くらい呼ぶつもりか


何人かということは分かりません。選手たち次第です。とにかく宮崎の合宿には33人呼びます。


――アイデアレベルで良いので聞かせてください。「超速ラグビー」では集団のスピードが重要だと何度も話していましたが、この合宿で若い選手がそれを身につけることは可能ですか


チーム作りというのはプロセスと考えています。現実的に私たちが今置かれている場所からどこに向かうべきか、4年かけて到達していく。毎日が学ぶチャンスで、少しずつ良くなっていかなければならない。今日は昨日より良くなっていなければなりません。そして明日はさらに向上しないといけません。



――そのためにこの2日間で何をやったのですか


初日はまずお互いを知るためのオリエンテーションで、私たちが考えていることを理解する。2日目は2回セッションをやったんですけど、選手にやってほしいプレースタイルの基本を学んでもらいました。

小野澤謙真

小野澤謙真




――FB小野澤やWTBツイドラキの評価。


ツイドラキは27歳ですが、まだ若い部類の選手かなとは思います。パワーがあって空中戦にも強い。ポテンシャルがかなり高い選手かなと思っています。小野澤は、まだ大学1年で、慶應義塾大でまだ1回くらいしか試合に出ていない。非常に若い選手です。体を見ると筋肉のつき方なんかは彼の父親によく似ているなと思います。彼のプレーを見たことがありますが、抜くスキルなども父親譲りなのかなと思います。「りんごは木から遠いところには落ちない(子供は親とはあまりかけ離れた存在にはならない」ということでしょうかね





――ハードワーク以外に選手に求めること


そもそもハードワークができる才能が要ります。まずそれが不可欠なもので、そのハードワークができた上で学ぶのです。良い選手というのは今日学んだことを明日実践できる選手です。忘れてしまう選手はいい選手とは言えない。だからハードワークをして一生懸命学び、チームメイトといい関係を築かないといけない。


――2015年以来、日本の選手を指導して進化を感じるところは


フィジカルのベースが上がったと思います。ただやはりもっと自発的に行動して欲しいですね。もっともっといい選手になりたいというハングリーさをむき出しにしてほしい。
日本には才能のある選手がたくさんいます。しかし世界のベスト15に選ばれる選手は一人もいません。だからその才能をどうパフォーマンスに出させるか、なんで出せていないのか。そういう選手が誰なのかを見るのがこの合宿の一つの狙いです。本当のベストの選手、ベストになりたい選手、なりうる選手を見つけることです。


――リーグワンを見て日本のラグビーの印象


今は非常に強いなという印象です。日曜日に決勝が行われますが、対戦する両チームはシーズン通して質の高いラグビーをやりつづけたベストの2チームです。大会自体の質も明らかに上がっています。モウンガ、フリゼル、デヤハー、デアレンデといった選手がスタンダードを上げてくれています。


――リーダーシップグループに対する考えは


作りますが、宮崎合宿からですね。今回は日本代表ではなくてあくまでもトレーニングメンバーです。もちろんここから日本代表になる可能性を持った選手たちではありますが。

――キャプテンは決めている


はい。もう自分のメモには書いてあるので、これを盗めば誰かわかりますよ。(ヤッケのチャックを閉めながら)しっかり閉じておきますけど。


――ここまでで印象的なパフォーマンスを見せた選手はいますか


まだ2日なのでそこまで出来上がっていませんが、若い選手たちには感心しています。LO本橋、FL青木の帝京の2人、早稲田のHO佐藤、京産大の土永、明治の秋濱、慶應の小野澤。彼らを大学で見ると測れない部分がわかるので良かったと思うし、嬉しいですね。


佐藤健次

佐藤健次




――ゾンタックの新しいサウナを使いましたか。


最高です。朝6時にサウナに行って、110度の中に入ると10年若返ります。帰るまでには45歳くらいになっているでしょうね(苦笑)。だから菅平に来たんです。



「キャプテンはすぐに発表しない」29日はセレクションゲーム

――キャプテンの発表は5月30日?


すぐには発表しないつもりで、おそらく試合に向かっていくところで決めていきます。選手とも話す必要がありますし。プレーオフで戦っている選手たちとのアクセスは制限されているので、宮崎合宿に来てから選びます。リーチがキャプテンになるということではないけど、彼が重要な役割を担うのは確かなので、リーチとも話す必要があります。


――イングランド戦まであとほぼ1ヶ月、6月からの本格始動で日程的にはチャレンジングなスケジュールです


それは仕方のないことなので、賢い時間の使い方をするだけです。


――この合宿でもイングランド戦を想定したメニューを与えている?


これはイングランド戦に向けた練習ではないですが、その試合で大事になるだあろう部分はいくつかやっています。


――来週、29日のゲーム形式の練習ではイングランド戦を想定している?


いいえ。完全なセレクションゲームの予定です。ここにいる33人の選手はすでにプレーオフに進出したチームの選手たちと戦っています。なので、最後の33人のメンバーに入るためのセレクションです。

髙橋汰地

髙橋汰地


――残れる人数は決まっていない


そうですね。まだ8日くらいありますから。成長するか脱落するか。(菅平の山々を指しながら)この山を見てください。最初にスタートした人が最初に頂上に着くというわけではないですよね。だから到達した人が選ばれるわけです。


――今日の選手たちのビブスの色に意味はあるか


赤と白。それだけ。意味はありません。


――今日のメンバーで来週ゲームをするのか?


もう一度コーチ陣と話をします。



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