ワールドカップイヤーの2015年、エディージャパンの第2戦を前にエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチが話したジャパンの現在地とは。そして、世界で通用するラグビーをするために、指揮官がジャパンの選手に求めるものとは一体。
「チャンスは一回しかない」というマインドセットを叩きこむ
エディー・ジョーンズHC(以下、ジョーンズHC) あくまでもテストマッチです。まずは勝ちたいですね。香港は若いチームで構成していてこの4年で一番若いチームになると思います。あまり、ジャパンとの対戦を経験していない選手で構成されているので恐れていないかもしれません。ですので思いっきり当たってくれば良い戦いになるでしょう。
――ジャパンの悪い癖で、スロースタートであるということが言われますが。
ジョーンズHC 歴史的にはそういうことがありました。ワールドカップの試合を見てみると、特に重要な試合の時に最初の20分で負けていることがありました。たぶん、それは期待度というのもあるのではないでしょうか。
2011年のトンガ戦、最初の20分で敗戦が決まっていました。それをどう乗り越えるか。メンタルの面、そしてフィジカル面もあります。ですので我々のトレーニングは必ず速いスタートを心がけています。そしてチャンスは1度だけということを選手たちにたたきこんでいます。
今までの日本のトレーニングの方法は、ミスがあったら、もう一度やる。そして話し合って、もう一度やる。実際のラグビーではそういうことは起きません。ですので、そうしたマインドセットに関して改革をおこそうと思っています。チャンスは一回しかないという考え方を。
ボブ・ドワイヤー(1991年W杯優勝・オーストラリア代表監督)は 91年のワールドカップでその試合を通して一番良いボールがファーストボールだった、だからそのボールを無駄にしないで使わないといけないと彼は言っていました。
「全員にプレッシャーがかかっている。」
――明日のスタッツでは6人のWTBを3人にしてハーフバックを4人にしました。日和佐篤(SH)はどういったプレッシャーに感じるでしょうか。
ジョーンズHC プレッシャーは全選手にかかっていると思います。W杯キャンペーンはすべてそういうことです。今45人の選手がジャパンでプレーできます。ナキ(アマナキ・レレィマフィ・NTTコム)は戻ってくる予定です。腰のリハビリがうまくいっています。(小野)晃征(SO・サントリー)は首のオペが成功しました。堀江(翔太・HO/パナソニック)は月曜日にスコッドに戻ってきます。 彼の首も改善しています。
このようにケガから復帰する選手も、現在、ハードワークしている選手もいます。今日の朝のミーティング話したのは、「全員が良いパフォーマンスしないというプレッシャーかかっている」ということです。これはW杯の一部です。自分自身のスコットのための戦いです。トレーニングでも試合でも、チャンスがあれば、南アフリカに勝ちたいという意志のある選手たちを連れて行きたいと思っています。そこを私としては求めています。
確かに、日和佐にはプレッシャーがかかっています。ゴロウ(五郎丸歩)、ハタケ(畠山健介)にも、アイブス(ジャスティン)にもかかっています。
LOのリストを見てください。(伊藤)鐘史、(トンプソン)ルーク、非常に上達している宇佐美(和彦)がいます。均ちゃん(大野均)、真壁(伸弥)も戻ってきます。アイブスもLOができます。ワールドカップにはLOは4名連れて行こうと思っています。このように、競い合うという健全な状況が作り上げられています。
――第1列はどうですか。
ジョーンズHC イメージはありますが自分の中では確定していません。9人は連れて行かないといけないかと思います。毎試合6人使うので、8人から9名連れて行かないといけません。