7月2日に日本代表の宮崎合宿に合流したSH齋藤直人(フランス・トゥールーズ)。クラブとの取り決めで1戦だけの出場ということで、12日に行われたウェールズ代表とのテストマッチ第2戦に先発出場した。
チームでの準備期間の短い中、フランス「TOP14」21試合に出場した若武者がエディージャパンにどんなプラスアルファを加えてくれるのか大きな期待が高まった。

齋藤直人
前半アタックらしいアタックができないまま、ウェールズに3つのトライを決められリードを許す展開となったが、後半勢いを取り戻すと、途中2点差まで迫るも勝ちきれず、代表復帰戦を勝利で飾ることができなかった。

竹内柊平のトライに祝福する齋藤
PNCには参加せず、これでチームを離れる齋藤が、2年目のエディージャパンをどう感じたか。代表に対して強い思いを持つゆえに、これからジャパンのためにどうしていくのか。試合後取材に応じ話した。
SH齋藤直人

プランはあって、遂行したつもりですけど、終わった後、エディーさんとも話をしたんですけど、そのプランが前半うまくいかなかったときにどうするかという、そこがなかったですね。
ただ後半最初の十分とか、後半全体通してですけど、すごいモーメントがありましたし、逆にあそこで多分スコアしなければいけなかったですね。

前半は特にあんまりアタックできなかったというか、本当に言い訳みたいになっちゃうんですけど、本当のボールがものすごく滑って、正直、感覚的にはあんまりも攻められないなというぐらいだったんですよ。
流れの中で、本当にスクリューパスもなかなか引っかからなかった。そういうイメージになっていたんで、お互いにキックが多かったと思うんですけど、僕が蹴ってコンテストした後になかなかボールが入らなかったです。
ハイパントについては、入ったり、入らなかったりで、もちろん入らない日もあると思うので、その中で次のプラン、どうするのかというのは次に繋がるところだと思いますね。僕も多分もっと精度高いキックを蹴られたらと思いますし、チームとしても課題かなと思いますね。
9番から蹴らない場合は、アタックしながらバックスペースの動き見ながらになりますけど、実際に自分たちが裏へ蹴ると、まだ映像見ていないのですが、相手は3人、4人下がっているシーンもあったらしいので、そうなれば次スペースはどこにあるのか。外側にスペースがあるなら、ボール運びながら裏蹴るとか。そういうところは今後もっとやっていけるんじゃないかなと思います。
今シーズン9番からのハイパントに対して、(石田)吉平だったりトウア(ハラトア・ヴァイレア)だったりが競って前回の試合なんかはそれがこっちに入っていましたし、まあひとつの強みというかオプションとして感じています。

石田吉平がハイボールを競る
(フランスでは)基本的には自陣だったら蹴りますし、スペースがあれば攻めるというのがトゥールーズのスタイルですけど、基本的にそれで毎回勝てればそれを続ければいいですし、日本代表としては競り合うところでの精度をこれからどんどん上げていけば、本当に限りなく武器になると思っています。

(収穫は)去年、今年とやってきましたけど、去年はすごくアタックにフォーカスして、今年キックを織り交ぜているといい、積み重なっているなというふうに思います。あとはディフェンスのところはもう少し積められるかなと思っています。
(チームに合流してからのリーダーシップ)僕も合流してから、2週間も経っていないので僕自身もやっぱりコミュニケーションたくさんとらなければならない。もちろん試合も勝ちたかったですね。多分、これでチームを離れちゃうんですけど、まずは自分を磨いて合流出来る時にそれをチームに還元できるようにしたいですね。
別にフランスで学んだことじゃないですけど、オフザフィールドでどうコミュニケーションとるか、ラグビーのことも含めて、一緒に映像見るとか、そういうのはどんどんやっていかなきゃいけないかなとは意図的にというよりは必要だと思ってやってますね。

(秋のヨーロッパ遠征について)もうフランスでプレシーズンが始まるので、多分代表が集まる前に向こうへ言っていると思います。それはエディーさんともともと話していました。自分も向こうで必ず成長して、もし呼んでいただければ、またヨーロッパで合流できるかなと思っていますけど。まだ何も決まっていないです。

もう一回キックの精度を、今日かなり蹴って感触が悪くなかったですけど、もっともっと上げられるし、精度が上がれば本当に毎回取れれば、毎回それをやればいい。そこは積めていきたい。あとは全体的には僕がトゥールーズにコミットし続けることで、結果として自分の成長とそれを日本にいろいろと持ってくることにつながるかなと思います。
(これからも代表とクラブの活動が並行するが、コンビネーションやコミュニケーションを高める部分で何か発見は?)
コンビネーションとかは分からないですけど、自分のコンディションを整える上では、あんまり時差ボケとかもなくて、決勝終わってから早めにSCと連絡取り合っていたりしたので、そういうところはまあ一つ自信になったというか、同じことやれば時差ボケなくやれるんだなと思いました。

コンビネーションとかはやっぱり向こうにいる間は向こうにコミットしなければならないし、するべきだと思っています。やれる範囲で向こうのシーズンが終わって、帰国途中でまた代表に準備、そういうふうにやれたらよいかなと思っています。

(フランスに行ってから、準備やルーティンで変わったところは?)いや、試合前後のルーティンはあんまり変わらないですけど、ラグビー的に言えばより自由な部分がフランスにはあって、そこはもっと伝えられるかなと思います。でも、日本には日本の良さがあるし、形のある中でというのが、多分強みとなる部分もあるかと思いますが。