サンウルブズ・森谷圭介主将インタビュー―ここに来たのは自分の殻を破るため | ラグビージャパン365

サンウルブズ・森谷圭介主将インタビュー―ここに来たのは自分の殻を破るため

2020/02/14

文●大友信彦


意外な人選と受け取った人も多いと思う。

サンウルブズ2020のキャプテンに指名されたのは、CTB森谷圭介。
帝京大、U20日本代表、パナソニックを通じていぶし銀の活躍をみせ、才能は高く評価されていたものの、いわゆる「リーダーキャラ」には見えなかった。そんな森谷が、スーパーラグビーデビュー戦かつキャプテン初試合で自ら先制トライを決め、チームを創設初の開幕戦勝利に導いてしまったのだ。

開幕戦勝利、そして1週のBYEウィークをはさみ、いよいよ勝負の8連戦に突入するサンウルブズのスキッパー、森谷圭介に話を聞いた。

シュンさんがつないでくれた。

サンウルブズ入りへの橋渡しをしたのはパナソニックの先輩「シュンさん」こと布巻だった

サンウルブズ入りへの橋渡しをしたのはパナソニックの先輩「シュンさん」こと布巻だった

――サンウルブズに参加するパナソニック勢の中で森谷選手は他の3人より遅れました。経緯に違いはあったのですか。


チャンスがあれば、サンウルブズには参加したいと思っていました。特に、沢木さんがコーチをすると聞いて、一緒にやりたいなという気持ちが湧いてきたんです。U20のとき、沢木さんに受けたコーチングがすごく印象に残っていて、日本代表を目指す上で、沢木さんのコーチングを受けてみたいなあと。

そう思っていたときに、シュンさん(布巻峻介)から『サンウルブズに興味ない?』と聞かれたので『行けたら行きたいです』と答えました。サンウルブズにはあまり人が集まっていないみたいだとも聞いていたし、高いレベルで試合を経験できるとも思いましたし。



そしてシュンさんが沢木さんに連絡してくれて、そのあと、12月の宮崎合宿中にシュンさん、谷田部さん、テビタ(ツポウ)の3人のサンウルブズ参加が発表になったのですが、その頃僕はパナソニックのロビーさん(ディーンズ監督)、相馬さん(朋和ヘッドコーチ)、部長の飯島さんと相談していました。

飯島さんとは直接お話したわけではないのですが、相馬さん経由で本人に任せる。という言葉をいただいて、ロビーさんも任せる。と。僕的には『行ってこい』と言っていただいたと受け取りました。



――チームを離れることに不安はありませんでしたか


僕はパナソニックというチームが好きですし、パナソニックで試合に出てトップリーグを戦いたいなという思いはありました。ただ、僕自身、パナソニックのチームの中で、絶対に必要な選手になれていないと感じていて、もっと信頼される選手になりたい、殻を破ってレベルアップしたいと思っていたんです。

そのためには環境を変えて、しんどいところに行くのがいいんじゃないか。そう考えたときにサンウルブズに参加したいと思った。ちょうど沢木さんがコーチに就かれたタイミングでしたし。

沢木さんとは考えていることが近いというか、ニュアンスが近い。

沢木敬介コーチングコーディネーターとはU20日本代表以来の師弟関係だ

沢木敬介コーチングコーディネーターとはU20日本代表以来の師弟関係だ

――U20で沢木さんに受けた指導はどんなものだったのですか?


僕は今、ユーティリティバックという、どこのポジションでもできることがウリということになっているんですが、U20のときは沢木さんが僕を12番に固定してくれて、そのときのプレーが自分にしっくりきていた記憶があるんです。沢木さんとは考えていることが近いというか、もちろん沢木さんはすごくいろんなことを深く考えているんですが、ニュアンスが近い。キャッチングひとつ、ディフェンスの流し方ひとつとっても。そしてU20は楽しかった記憶があるんです。

あとCTBというポジションに対する考え方ですね。今のトップリーグはほとんどのチームがCTBにはフィジカルの強い選手を並べるのが主流で、ディフェンスでもまず前に出て相手のオプションを奪う、外のスペースを使わせない戦法が多い。そうなると戦術はSOからのワンパスかキックだけになってしまう。でも、CTBにパスやキックを使える選手がいれば、オプションが増えてもっと外のスペースを使えると思うんです。キックを蹴れるのは僕の強みだし、9番、10番からのシェイプだけでなく、1個遠いところでゲームメークすることで、シンプルに、外のスペースを使うことができると思う。

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