1勝が遠い三重ホンダヒート、トム・バンクス、呉洸太、植村陽彦に訊く | ラグビージャパン365

1勝が遠い三重ホンダヒート、トム・バンクス、呉洸太、植村陽彦に訊く

2024/04/17

文●野辺優子


今季からディビジョン1で戦う三重ホンダヒート。第13節の東京サントリーサンゴリアス戦で10-60と敗れ、10位以下で入替戦出場が決定した。試合後、BKの3選手に試合を重ねて向上してきたことや、さらに改善すべき課題などを聞いた。


FBトム・バンクス「ファーストタックルはまだ改善しないといけない」

トム・バンクス

トム・バンクス



――ここまで、結果になかなか結びつかないんですけど、チームとして良くなってきた部分っていうのを教えてください。


チームとしてはシーズンの序盤は非常に歩みが遅かったし、パフォーマンスも悪く相手にかなりスコアされてしまいました。だからディフェンスが最大の課題だったわけですけど、新しいディフェンスコーチのマリウス・フーセンも来ましたし、そういう意味ではよくなってきているかなと思います。それでも、やはりファーストタックルはまだ改善しないといけませんね。良いディフェンスがアタックのベースになります。だから、そのエリアはまだまだ課題です。


――その新しいディフェンスコーチになって変わってきたことといいうのはどこですか?


新しいコーチが来て何か新しいことをしているというより、もっと一人一人が責任を持ってディフェンスをする、その精度を上げることだと思います。1人目がタックルでしっかり止め、そのまま戦い続け、ゲインラインを守って相手にモメンタムを作らせないようにしないといけないですよね。


――ゲームの序盤にスコアされるのが課題だと思います。


本当にそこはしっかり見直さないといけないですね。今日もそうですが、最初早い時間に3トライを取られてしまいました。でも、そのあとは非常に良いプレーができていたので、もしあの3トライがなかったとしたら、もう少しクローズな点差でいい勝負になったはずです。そういう試合がいくつもあったと思う。


――リーグ戦3試合を残して入替戦を戦うことが決まりました。


とにかく前を向いて戦うことです。リーグ戦の残りの3試合は強い相手ばかりだし、来週のブレイブルーパス戦はいいチャレンジになるだろうし、次のスピアーズ、そしてスティーラーズ戦もそうです。残り試合はだから、我々にとっては本当にいいテストになると思います。そして、今ディビジョン2にいる相手も強いです。でも、繰り返しになるけど、すべては自分たちの力次第だし、自分たちができることをより高めていくことが大事なんです。

――スピアーズ戦ではワラビーズのチームメイトでもあるSOバーナード・フォーリーとの対戦も待っています。


彼はチームに大きな変化をもたらす存在ですよね。彼は本当にチームに多くのことをもたらしてくれるし、方向性のようなものを導いてくれる選手なので、スピアーズでの彼のプレーはうまくいっていると思う。だから今回の対戦も、バーナードを封じることが大きな焦点になるでしょうね。


WTB植村陽彦「変化の時期だと思うので、見守ってください」

――今季サンゴリアス戦でデビューして、また同じ相手と戦ってどうでしたでしょうか?


毎シーズンプレーオフに進出するようなチームと戦って、やっぱり力の差を見せつけられたなって感じですね。

植村陽彦

植村陽彦




――そこから試合を経験して、ご自身の成長を感じる部分はありますか?


最初に試合に出た時は、足を引っ張らないようにしようとしていました。そのデビュー戦の足を引っ張らないようにというレベルから、一個レベルアップして、自分が活躍してチームに勢いをつけられるようにっていうマインドセットは変わったなっていうのはありますね。

――このリーグワンのレベルでやっていけるっていう自信はもうついたということでしょうか?


最近は、もっとチャレンジしないといけないなっていうメンタルになっています。 (今までは)こう受け身、受け身だったんですけど、自分からもっとチャレンジしないと。


――もっとトライを取らなきゃなという気持ちもありますか。


(静岡ブルーレヴズ、埼玉パナソニックワイルド戦で)やっぱり結構早い段階で2トライ取ったんですけど、そこから全然取れてなくて。だけどトライを期待されているので、ボールもらいに行かないとうまく取れないと思うんで、積極的に仕掛けていってチャレンジするしかないです。トライは取りたいですけど、チャレンジするっていうのが一番の目標です。




――デビュー戦の時と比べて、今日は随分落ち着いている雰囲気がありますが。


今日はプレータイムも前回とは全然違うこともあるかもしれないです。今日本当に人生で一番疲れたぐらいの試合です。


――最終戦は神戸ですが、おそらく以前やってみたいと言っていた先輩の松永寛汰選手との対戦になるかなと思うんですけど、楽しみですか?


楽しみです。やっぱり敵として戦ったことが多分ないので。一応絶対負けられないなっていうのはありますね。まあ、何回1対1で勝負できるかわかんないですけど。寛汰さんは、本当にビデオとか見ていても、めっちゃ目立っていて、めっちゃいいプレイヤーなんですけど、すごい負けないぐらい、自分もいいプレイしたいなと思ってます。


――「ハルヒコッツォ」と呼ばれることについては?


知らなかったです!でもクローリーHCにも「イタリアの15番(アンジェ・カプオッツォ)は、 体格が似ている」と言われたことがあるので、期待されている部分もあるのかなと思います。(彼は)自分の一つ上なんですけど、シックスネーションズを見ていますし、15番をやりたい気持ちもあるので、参考にしています。だから嬉しいですね。


――ファンに「ポジティブな」メッセージをお願いします。


変化の時期だと思うので、見守ってください。やっぱり失敗しながらもっと成長できるように頑張るので、成長した姿をいつか見せられるように頑張っていきます!


SO呉洸太「イングランド留学でキック練習したことがつながっている」

呉洸太

呉洸太



――今日はちょっと残念な結果でしたけど、今シーズン試合を重ねてだんだん良くなってきた部分はありますか。


キックのところですね。自分は(昨年)イングランドの方に留学させてもらって、そこで結構キック練習をしたことも繋がっていると思うんですけど、試合を重ねるごとにキックでエリアを取る場面が増えてきて、フォワードを前に出させような、そういったキックをたくさん蹴れているっていうのは成長してきている部分かなと思います。


――イングランドに行かれて、具体的にどこがこう大きく変わったことはなんでしょうか。


本当に細かい部分を現地のキッキングコーチを始め、いろんなコーチからアドバイスいただいて、いろんな種類のキックの蹴り方とかも色々レクチャーされたんで、そういった細かなボールを落とす位置だったり、ボールの落とし方だったり、そういう一つ一つのことを教わったのが、今に繋がっているかなと思います。


――イングランド留学中の経験で一番思い出に残っていることは何でしょうか。


キッキングだけのセッションが練習で組み込まれていて、キッキングコーチがもう付きっきりでキックに対してアドバイスしてもらったことですね。一つ一つのキックを見てもらってアドバイス一つずつもらっていました。



――今シーズンは色々なスクラムハーフとコンビを組んでいます。


そうですね。毎試合結構変わっていますが、人それぞれ、タイプが違うSHで、今日一緒にプレーした根塚(聖冴)の持ち味もありますし、山路(健太)さんなら山路さん、北條(拓郎)ならといろいろな持ち味があるんで、そういった部分を生かしながら、でもやることはもう明確で、試合前から話をして意思統一して試合に入っているので問題なくできていると思います。まあ、根塚は大学からやっていて、こういう時こう仕掛けるとか、パスのタイミングとかはわかっているのは大きいかなと思います。北條選手は若いですけど、若いなりに自信持って怖がらずに何でもチャレンジして、どんどんいけとは言っていて。初めて組んだのが横浜キヤノンイーグルス戦だったんですけど、結構そこでも息があって、うまく連携取りながらできていますね。


――前半早い時間に点を取られてしまいますが、課題はどこにあると思いますか。


チームとしては序盤から体を当てて、相手のモメンタム、勢い崩しながら、自分たちもコンタクトで勝って前に出ていこうと話しているんですけど、フィジカルの部分で少し、今回も前半の最初から前に出られてしまって、受けてしまった感じで、相手のラグビーをさせてしまったのが悪い結果になったと思います。


――リーグ戦残り3試合で入替戦に臨むことも決まりましたが、今後に向けてどのように戦っていくかを教えてください。


まずは一試合一試合、目の前の試合にしっかり1週間準備して、あの今回入りの部分、スタートの部分悪かったので、スタートの部分を意識しながらまた来週に取り組んでいって勝ちたいなと思います。


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