背番号が「8」から「2」へ変わっても、その輝き、ワークレート、ボールを持って走る姿のインパクトは変わらない。
2022年夏の菅平を、フッカー佐藤健次はパワフルに、アグレッシブに走り回った。
それはトライ数を見れば明らかだ。帝京大戦で1トライ。京産大戦で2トライ。同志社大戦で1トライ。夏合宿最後の8日間に行われた早大の3試合で、佐藤健次は4トライをスコア。
FB小泉怜史の3トライ、NO8相良昌彦の2トライを抑え、夏のチーム最多トライを記録した。佐藤は昨季も対抗戦7試合で6トライというFW最多、チーム全体でもWTB槇瑛人の8、SH宮尾昌典の7に次ぐトライ数を残したが、これはボールを持つ機会の多いNO8でのものだった。しかし今季、佐藤はFW第1列のフッカーへ転向。より負荷の高いセットプレーでの仕事をこなしながら(夏の練習試合とは言え)トライ率はむしろ高まっている。
「僕の強みはアタックのところ、走力なので、その強みはしっかり出して、セットプレーも自分の強みと言えるようになりたい」
夏の最終戦、同志社大戦を終えて、佐藤は言った。
「今日はスクラムで課題が残りました。帝京大、京産大という強い相手にいいスクラムを組めたのですが、今日の同志社はちょっと違う組み方で、うまくマネジメントできなかった。やっぱりスクラムはいろいろある。それを見たり聞いたり、自分でも経験して、引き出しを増やしていきたい。慣れてきたけど、やはりスクラム、ラインアウトで絶対的な信頼を得るフッカーを目指さないと。このレベルで満足してはいられない」