パールズがBreakThrough!2024シーズンで3年ぶりの決勝進出し準優勝!ジャネット・オケロがMVPに選出 | ラグビージャパン365

パールズがBreakThrough!2024シーズンで3年ぶりの決勝進出し準優勝!ジャネット・オケロがMVPに選出

2024/04/08

文●編集部


女子セブンズの日本一を決める、太陽生命ウィメンズセブンズ2024・第1戦北九州大会が4月6日、7日、北九州・ミクニワールドスタジアムで行われ、昨年総合優勝のながとブルーエンジェルスの優勝で幕を閉じた。今シーズンの初戦、各チームに新しい選手が加わり、どういったポテンシャルを持っているか注目された。その中でも新しい風が吹いたといえば、3年ぶりに決勝進出を果たしたパールズだ。ジャンナ・ヴォーンHC体制としては初のファイナル。ながとと最後まで肉迫する戦いで紙一重のところで勝利をすることができなかった。

しかし昨シーズン、大きく立ちはだかった「ベスト4」の壁を、チームスローガンでもある「BreakThrough」したパールズ。試合後、今大会のMVPに選出されたジャネット・オケロ、ゲームキャプテンを務めた末結希2選手に話を聞いた。

「次やったら、絶対勝ちます」末結希ゲームキャプテン

――3年ぶりの決勝でした。チームにはどんな話をしたか


毎試合同じなんですが、これが本当に最後の試合だと思って、全部出しきろうと。特別なことは何も言っていないんですが、自分たちがお互いのため、この家族のために戦おうと話したました。





――これまでなかなか超えられなかった「ベスト4」の壁を今大会で打ち破れたのは


ラグビーの面ではチームで準備してきたことをしっかり出せたというところが大きいかなと。メンタル的な部分でパールズはこれまで弱かったところがあったんですけど、全員でそこに向き合って、どんな試合でもどんな相手でも最初から100%出すために練習してきたのが出せたところが成長したところかなと思います。


――序盤でいい流れだと強いパールズの試合ができて、流れが悪くなるとなかなか立て直せないゲームが多かったが、そういう部分では成長できた?


昨日3試合目で負けてしまったんですけどそこからすぐに切り替えて、今日勝てばいいんだよというふうに全員で思えたのがよかったと思います。ファイナルでも相手に得点されたあとも次々切り替えようというのを若い選手も新しい選手も全員共通の認識でいけたので、そこは成長できている部分だと思います。



――今シーズンはいつもより早く練習を開始したというのは


1つはキックオフで去年のシーズンはキックオフ自分たちのキャッチの時も、自分たちがキックの時もなかなか獲得できずに苦しい試合になったことが多かったんで。セブンズでは絶対ボールを持っていた方が得点できるということがあるので、キックオフを重点的に練習してきてそこがしっかり出せたのが良かった。


――コフィ選手とのコンビネーションも練習してきた?


そうですね。いろんな組み合わせをやってきて、最後本当にコフィ選手に行かせるのが一番いい形だとなりました。コフィ選手も本当に毎回100%で行ってくれて、そこはうまくいったところだと思います。


新戦力のモニーク・コフィ。パールズにエナジーを与えてくれる熱いプレーを2日間見せた!

新戦力のモニーク・コフィ。パールズにエナジーを与えてくれる熱いプレーを2日間見せた!



パールズのやりたいことを出せたのは良かった

――コフィ選手をはじめ、新しい選手とのコンビネーションはどうですか?


外国人選手はジャネット以外は入れ替わったんですが、来日した当初は結構コミュニケーションが難しかったんですけど、本当にここ2週間で一気に高まって、またこの2日間でもすごく良くなっていったので、言葉の共通認識の部分とあと、お互いが何をやりたいかというのがだんだん言わなくても感じれるように少しずつですがなってきていると思います。お互いのフィーリングを感じてプレーできるところがもっと良くなればさらにレベルアップできると思います。

追手門を卒業してパールズに加入した村田彩乃。精度高いキックスキルとディフェンス力でチームに欠かせない存在になっていた

追手門を卒業してパールズに加入した村田彩乃。精度高いキックスキルとディフェンス力でチームに欠かせない存在になっていた



新加入のニア・サザーランド。中盤から仕掛けてくる、相手にとっては予測不能なプレーをしてくる

新加入のニア・サザーランド。中盤から仕掛けてくる、相手にとっては予測不能なプレーをしてくる



――ながととの「差」を感じましたか?


差ですか・・・。あまり思い浮かばないです。次(対戦したら)絶対勝ちます。


――ボールが相手側に入っちゃったりとか、偶発的な部分もありましたしね。


そういうスポーツの難しさだったですね。ただ最後まで諦めずジャネットも追いかけてくれましたし、私がラインブレイクしても、足が遅いってみんなわかっているんで、全員サポートしてくれてトライに繋げられたり、勝てはしなかったですけどパールズがやりたいことを出せたのは良かったと思います。

2日間で6試合目の終盤苦しい場面、ジャネット・オケロが、ラインブレイクした選手に対して最後まで追いかけてジャンピングタックルでとめた!

2日間で6試合目の終盤苦しい場面、ジャネット・オケロが、ラインブレイクした選手に対して最後まで追いかけてジャンピングタックルでとめた




――ラインブレイクしてもスピードを緩めて味方をまってサポートに入ってゴール前でトライを取りきるというのはこれまでのパールズにはない部分だと思いましたが。


ジャンナコーチが来てから、昨年のシーズンからですが、「ブレイクスルー」というのをずっと言ってきたんですが、誰かがラインブレイクしてもブレーし続けるというのを全員が、自分がパスしたとにもう1回ボールをタッチしにいくということを目指していました。それがやっと今できてきて練習でも、誰かがラインブレイクしても絶対そこで終わらずにもらいに行く、というのをジャンナコーチもすごく厳しく言ってくださって、ようやくできるようになってきました。

ゴール前では「練習よりも落ち着いてできた」のはチーム全員のおかけ

ラインブレイクした末選手。味方を待って冷静にボールを繋いだ。結果的にここからボールを展開してオケロのトライにつながった。

ラインブレイクした末選手。味方を待って冷静にボールを繋いだ。結果的にここからボールを展開してオケロのトライにつながった。


――ゴール前でも慌てている様子ではなく落ち着いて見えました


そうですね。全然慌てることはなくて、実際練習よりも落ち着いていたかなと思います。今年パールズ創設してから一番人数が多くて、試合に出られない選手の数も一番多いんですけど、その選手たちがすごくいつもいいプレッシャーを与えてくれるので、練習よりも(今日の試合で)落ち着いてできたのはチーム全員のおかげだと思います。


今季がラストイヤーという保井沙予

今季がラストイヤーという保井沙予



――今季で保井沙予選手がラストイヤーということです。何か特別な思いはありますか。


私は安井選手と同じ年に入って、年は1つ違うんですけど同期なので、パールズが強い時も去年みたいに全然うまくいかない時も一緒にやってきて、本当に長い事パールズのために尽くしてくれている選手なので、もうみんな大好きですし、(保井)沙予さんと一緒に優勝したいという思いがすごい強いです。


――みんなで「辞めないでほしい」と言ったのですか?


そうですね。みんなで言ったんですけど、多分やめないだろうなとは思っていました(笑)。


――久々の優勝に向けて次回の熊谷大会までにどんな部分を修正したいか


よりプレッシャーの中でやりたいことをできるように、練習でももっと試合よりきつい状況でやることもそうですし、その状況でより精度高く、プレッシャーがある中で同じことを繰り返せるように練習していきたいと思います。

パールズ ジャネット・オケロ(今大会のMVP)



――MVPおめでとうございます。チームは2021年以来の決勝進出でしたが試合前の雰囲気はどんな感じでしたか。


すごくリラックスできていましたし、既にいい準備はできていて、やることもやってきたし自分自身もしっかりと戦ってきた自信もあったので、ものすごくリラックスして決勝に入りました。


――今年のパールズは強いという評判ですが、それに対してはどう思いますか?


チームとしても個人としてもすごくいい準備ができてきて、選手たちのうちから湧き出るエナジーみたいなものを私も感じながらやってきていたのですごくいい状態にチームはしあがってきています。


――これまでパールズはなかなかファイナルに進出することができませんでした。今大会では何が良かったのか


先ほどもいったように良い準備ができていたことと、優勝したいという情熱が、みんなのボディーランゲージから伝わるくらい強いことが良かったかなと思います。

――新しく入ってきた選手たちはチームにインパクトを与えてくれていますが、ジャネットさんから見てどう感じていますか。


若い選手も入ってきて、彼女たちもいいエナジーをチームにもたらしてくれています、パッションを感じています。


新加入のモニーク・コフィ

新加入のモニーク・コフィ



――保井沙予選手がラストシーズンです。


本当に才能がすごくあって、長年にわたってすごくチームに貢献してくれた選手なので、この大会も最後までやりきってもらって、彼女の次のステージもベスト尽くしてもらいたい。



――オケロさんがパワーをつけるためによく食べるものは?


ジャパニーズフードはすごく好きですけど、ケニアに帰った時に持ち帰ってくる「ケニアンフード」を食べます!


――チームに戻ってきたのは


太陽生命が始まる3週間ぐらい前です。ケニア代表の活動があるときはケニアに戻ります。ただ、長い遠征から戻ってきてもこの3年プレーしているので、すぐにシフトチェンジしてチームにもフィットできています。


――今シーズンは優勝が目標ですね。


はい。今大会のように頑張れば、シーズン優勝できると思います。







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