太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025がいよいよ開幕する。
第1戦は熊谷大会。例年、初戦は各チームとも手探りで迎えることが多いが、今季は開幕戦が6月中旬。例年よりも2ヵ月後ろにずれ込んだこともあり、各チームとも練習試合や招待大会などで経験値を高めて開幕戦を迎える。
プレシーズンで好調ぶりを見せていたのがパールズだ。地元・鈴鹿で開催したパールズ10sアニバーサリーカップ、札幌・定山渓で行われたピリカモシリセブンズでともに優勝を飾った。

サラ・ヒリニ
19日に発表された熊谷大会登録メンバーには、今季加入したNZのレジェンド、サラ・ヒリニとオリブ・ワザーストン、ブラジル代表のタリア・コスタとガブリエラ・リマ、サクラ7sの須田倫代、5月のホンコン・チャイナ戦でサクラxvデビューを飾った大内田夏月、日経大から加入した下村理紗という新加入選手7人が名を連ねた。

須田倫代

下村理沙
これまでスポットコーチで時折指導していたセブンズ男子日本代表最多キャップのレジェンド坂井克行さんがアシスタントコーチとして正式に入閣したのも朗報。悲願の総合優勝に向け、ロケットスタートを切りたいところだ。
地元で開幕戦を迎えるアルカス熊谷も注目の存在だ。7-8日に同じ熊谷ラグビー場で行われたカレッジセブンズでは今季好調の早大を大破して決勝に進み、大会3連覇中の日体大を相手に終了1分までリードを奪うみごとな戦いぶりをみせた。

廣瀬翠
熊谷大会では、カレッジセブンズトライ王の廣瀬翠はメンバーを外れたが、もうひとりのエース鈴木柚來、戦術眼の光る司令塔・丸山希香、パワーと視野の広さを兼ね備えた山田晴楽らカレッジセブンズで光った大学生に、リオ&東京五輪代表の小出深冬を筆頭に中澤佑衣、松井渓南、杉本七海という経験豊富なベテラン陣が加わった。

鈴木柚來
そのカレッジセブンズで優勝を飾ったのが日体大だ。サクラセブンズで大活躍、ワールドシリーズのトライオブザイヤーに輝いた谷山三菜子は、カレッジセブンズでも自在のゲームコントロールをみせてMVPを獲得。昨季の同大会でMVPを獲得したやはりサクラセブンズの高橋夏未とダブル司令塔で臨む。

谷山三菜子
立正大とのカレッジセブンズ決勝で劇的トライを決めた大内田葉月は熊谷大会のメンバーから外れたが、逆にカレッジセブンズを欠場した藤原郁(京都成章)、浦山亜子(大村工)がメンバー入り。カレッジセブンズでも活躍した齋藤紗葉&杉本姫菜乃との「1年生カルテット」がどんなパフォーマンスを見せるかに注目だ。

藤原郁

杉本姫菜乃
熊谷大会は今季の初戦とあって、他チームもやはり新加入選手が注目される。
大会3連覇を狙うながとブルーエンジェルスではオーストラリアから新加入のダミタ・ベッサム&ジェシカ・ジェントルそしてパールズから電撃移籍で加入したジャネット・オケロが登録された。

ジャネット・オケロ
昨季総合3位の東京山九フェニックスでは、カナダ代表でリオ&東京&パリと五輪3大会出場のレジェンド、チャリティ・ウィリアムスと、関東学院六浦2年で全国U18セブンズMVPに輝いた山本梨月もメンバー入りしている。

山本梨月
積極的な補強の目立つ横浜TKMも、フランス代表のヨレイン・イェンゴ、フィジー代表のナイコレ・ヴィタリナに加え日体大からの山田莉瑚、追手門からの徳永結羽、グレースからの土井美咲と5人の新加入組が並んだ。

徳永結羽

土井美咲
ナナイロプリズム福岡では、2023年ワールドラグビーアワードで女子セブンズプレーヤー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたレアピ・ウルニサウと沖縄超特急・伊礼門千珠がメンバー入り。

伊礼門千珠
横河武蔵野アルテミ・スターズでは日体大から加入した梅津悠月、佐沼から加入の木川海、四日市メリノールから加入の松本栞という新人3人が登録。

木川海
そして北海道バーバリアンズディアナでは、ウガンダのフェラーリと異名を取ったエミリー・レクルがメンバー入り。吉田鳳子主将いわく「馬みたいに速い。誰も追いつけない」という走りがヴェールを脱ぐか?

エミー・レクル
一方で、久々で大会に帰ってきた顔ぶれに会えるのも楽しみだ。
サクラセブンズの大黒柱・中村知春は昨年はパリに向けた準備で大会を全休していて、太陽生命シリーズには2023年花園大会以来2年ぶりの登場。ながとではライチェル&アテザの姉妹デュオがやはり2年ぶりに揃う。

中村知春
新しい顔、懐かしい顔、新しい組み合わせ……様々な楽しみ方が見つかりそうな太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025開幕戦。熊谷ラグビー場が熱くなるのは間違いなさそうだ!

バティヴァカロロライチェル海遥
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |