太陽生命ウィメンズセブンズ2025開幕直前・新戦力情報2、ながとブルーエンジェルス、TKM | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズ2025開幕直前・新戦力情報2、ながとブルーエンジェルス、TKM

2025/06/11

文●大友信彦


女子ラグビーの国内最高峰、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ開幕が21日に迫った。
今年はサクラセブンズがバンクーバー大会で4位、年間ポイントランク5位、最終順位6位と、すべて過去最高順位を上回る最高成績をおさめる躍進。太陽生命シリーズの開幕はワールドシリーズ終了後の6月に設定され、サクラセブンズや同候補のメンバーがシリーズに出場できる環境が整った。それも影響しているのか、各チームも積極的な補強が目立つ。

RUGBYJAPAN365がお届けする新年度の新加入選手情報第2弾は、年間タイトル3連覇を目指すながとブルーエンジェルスと、初の年間タイトルを目指す横浜TKMに加わった新戦力を紹介する。


ながとブルーエンジェルス


アナ・ナイマシ フィジー代表 156cm/31
ダミタ・ベッサム オーストラリア 170cm/19
ジェシカ・ジェントル オーストラリア 168cm/28
フィア・ライコング ニュージーランド 170cm/23
田中亜美 京都成章(洛西RS/SCIX) 164cm/18
ジャネット・オケロ ケニア代表(三重パールズ) 172cm/33
(身長/年齢はチームHPから)

新加入のアナ・ナイマシはフィジー代表で東京五輪とパリ五輪に出場した31歳。東京五輪では銅メダルを獲得している。
NZから加わったフィア・ライコングは2024年の女子カンタベリー代表で8試合で7トライをあげ、女子スーパーラグビーではハリケーンズでプレーした23歳。
ジェシカ・ジェントルとダミタ・ベッサムはともにオーストラリアA代表のBK。ジェシカは経験豊富な28歳、ダミタは伸び盛りの19歳だ。

田中亜美

田中亜美


田中亜美は京都成章2年、3年で太陽生命ウィメンズセブンズシリーズのチャレンジチームを経験。昨年の花園大会では1トライをあげている。ポジションはSH。今春、山口大へ進学したのを機にブルーエンジェルスに加わった。


そして注目は、昨季まで三重パールズのトライゲッターとして活躍してきたジャネット・オケロの加入だ。昨年は34トライでシリーズ年間トライ王に輝くなど3シーズンにわたって活躍し、歴代3位のシリーズ通算112トライをあげてきたトライハンターだ。

ジャネット・オケロ

ジャネット・オケロ


同144で歴代トップのニア・トリバーは今季はアメリカ代表に専念し太陽生命では(今のところ)プレーしない予定。オケロとの差は32。昨年並のトライをあげれば歴代トップに躍り出るが、果たして…。



横浜TKM

山田莉瑚 日体大(四日市メリノール) 156/58/22
根塚智華 日体大(尼崎RS/東海大翔洋) 161/72/22
西村 澪 日体大(南大阪RS/住吉中/石見智翠館) 168/83/22
佐々木理子 流経大/RKUグレース 159/59/23
長瀬拓美 立正大/アルカス熊谷 153/58/22
徳永結羽 追手門学院大(甲子園チビッコ/SCIX/ガールズ兵庫/鳴門渦潮) 158/58/23
土井美咲 順天堂大/RKUグレース(松戸少年RS/麗澤/千葉ペガサス) 160/63/22
高見澤早詠 山梨学院大 163/76/21
高橋胡春 花巻東高→関東学院大 161/56/18
ヨルイン・イェンゴ フランス代表 164/64/32
メレニア・パラワン ニュージーランド 158/71/24
ヴタリナ・ナイコレ フィジー 166/62/24
(身長/体重/年齢はチームHPから)

昨年、総合4位の横浜TKMは、昨季に続き精力的な補強を敢行した。
イェンゴはフランス代表で東京・パリの五輪に出場。15人制ではWTB/FBで、フランス代表2キャップを持つ32歳。
パラワンはスーパーラグビーのチーフス、ブランビーズのほかラグビーリーグ、タッチラグビーでも活躍した24歳。
ナイコレはフィジー出身の24歳。15人制フィジー代表で8キャップを持つ。

徳永結羽

徳永結羽


国内勢の新戦力も大挙して加わった。
徳永結羽は昨季の追手門学院VENUSの主将。地元・関西の花園大会では過去2年で8トライ(一昨季6トライ、昨季2トライ)と爆発しているのが頼もしい。
順天堂大を卒業してグレースから移籍したWTB土井美咲は2022年の4大会で13トライをあげた決定力が魅力だ。

土井美咲

土井美咲


長瀬拓美は京都成章時代の2020年の全国U18セブンズで、サクラセブンズの須田倫代らとともに初優勝を飾ったBK。太陽生命シリーズには昨季まで主にSHとしてアルカス熊谷で出場し、通算11トライをあげてきた。

長瀬拓美

長瀬拓美

高橋胡春は花巻東から関東学院大に進学してTKMに加入。父は盛岡工時代にPRで高校日本代表に選ばれ、日大―釜石シーウェイブスで活躍した高橋竜次さん。父は頑健なFWだったが、娘はしなやかなランニングが光るBKプレーヤー。7-8日のカレッジセブンズではアザレアセブン、湘南ベルマーレなどとの合同チームで出場し、1T4Cの13得点をあげた。

高橋胡春

高橋胡春


日体大から加わった山田莉瑚、根塚智華(ちはる)、西村澪は15人制を主戦場にしてきた。西村は2022年5月のオーストラリア戦で初キャップ、2023年のWXV2のスコッドに入り、今年のアジア選手権ではカザフスタン戦、ホンコンチャイナ戦にともにフルタイム出場を果たした。

山田莉瑚

山田莉瑚


根塚智華はラグビーファンならご存じ、三重ヒートの聖牙、船橋スピアーズ東京ベイの洸雅という根塚ブラザーズの妹。尼崎RSから東海大翔洋に進み、日体大1年の2021年には女子15人制ユースチームにFLで選ばれている。兄たち譲りの闘志を強気なプレー、ハードタックルに期待だ。
山梨学院大から加入の高見澤は小学校時代にレスリングで活躍。格闘技経験をラグビーでどう活かすかが楽しみだ。

谷山美典

谷山美典


また、昨年のシリーズ終了後、15人制シーズンから加入したのが谷山美典。
谷山は埼玉ワイルドナイツの谷山隼大、ワールドシリーズのトライオブザイヤーに輝いた谷山三菜子、佐賀工3年の谷山雅と谷山姉弟の長姉だ。自身は中学までクラシックバレエをしていて、弟&妹の影響で15歳からラグビーを始め、福岡高3年の2017年に太陽生命シリーズ東京大会のチャレンジチームとU18日本代表入り。立正大に進み、アルカス熊谷で2021年の同シリーズ3大会に出場した。22年からはアザレアセブンでプレーし、24年の昇格大会では2トライをあげていた。

新加入の選手たちがどんなプレーを見せ、チームにどんなプラスアルファを加えるかが楽しみだ。

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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