前半34分、自陣でのアイルランドボールのスクラム。スクラムが崩れかかってもしっかりと押し切ったジャパン。見事に相手ボールスクラムでペナルティーを獲得。試合の雰囲気を一変させ、自分たちに流れを引き寄せるキープレーとなった。
サモア戦に向け準備をすすめるジャパン。長谷川慎スクラムコーチが、ジャパンの成長と次なる戦いにむけた思いを話した。
「チームに火をつけていかないと。スクラムは。
――アイルランド戦のスクラムについて
世界的にも強いアイルランドとしっかりスクラムが組めていたので力がついてきたなと思う反面、2つのペナルティーを取られてしまいました。そこは非常に悔しいです。修正しないと他のチームはそこをついてくると思うので。
――前半途中で相手ボールのスクラムをペナルティーとりました。
あそこで、ペナルティーをとってくれたというのは、それまで2回同じことをされていました。2回目でやり返してくれましたね。また3回目やられてしまったのですが、そういうことのないようにしたい。もっとディテールを詰めていきたい。
やろうとしていることがやれているときは自信をもっています。8人全員がやらなければならない。ちょっと不具合が起きてしまった時に2回続けるなよという指示はしました。
もっと80分間、8人がしっかりスクラムを組むという覚悟みたいなものを持てなければ、その先はうまくいかないだろうと思っています。せっかく積み上げてきたのに、スクラムから崩れていくのは嫌なので。逆に火をつけていかないとスクラムは。
――2試合戦ってみて、レフェリングの傾向は。FLが45°で付いていることがスクラムを落としている原因だと見られていることもありましたが。
もともと何で45°で付くかということを我々とレフェリーのところで考えが違っていました。それをしなくても組めるようになってきたというのが一番大きい。名指しでそこが悪いと言われ、それがレフェリーの中で伝わっているということで直しました。もっと不利に吹かれるかと思いましたが、皆さんフェアに吹いてもらっています。我々に不利に吹かれるという予想が外れてよかったです。
――45°に付けていたことの理由は?
もともとFLを45°につけているのか、決して斜めに押しているのではなく、まっすぐ押すとどうしてもフロントローが外に開いてしまう。身体の大きさや相手とのパワーの差から。それをFLが止めてあげる。外に力を漏らさないことが目的でした。フロントローも組み方だったり、パワーもついてきて、開かなくなってきたので止める必要性がなくなった。