エディージャパン、イタリアに大敗。テストマッチは未勝利で夏ツアーを終える | ラグビージャパン365

エディージャパン、イタリアに大敗。テストマッチは未勝利で夏ツアーを終える

2024/07/22

文●編集部


21日、ラグビー日本代表は「リポビタンDチャレンジカップ2024」イタリア代表とのテストマッチに挑み、14-42で完敗。7月から始まったJAPANXVを含めた5試合を1勝4敗で終えた。2023年ワールドカップスコッドから大幅にメンバーを入れ替え、2027年を見据え、新たなメンバーと「超速ラグビー」というチームコンセプトに挑んだエディージャパンの初ツアーは悔しい結果となった。

HIGHLIGHT



イタリア国歌斉唱

イタリア国歌斉唱



竹内柊平_ディラン・ライリー_ワーナー・ディアンズ_リーチマイケル

竹内柊平_ディラン・ライリー_ワーナー・ディアンズ_リーチマイケル



ジャパン、ハドル

ジャパン、ハドル



イタリア代表・ハドル

イタリア代表・ハドル







序盤15分までに2本のトライと1本のPGでリードを許したジャパンは31分にイタリア側にイエローカードが出され数的優位となるもこのチャンスを活かせず。逆に35分にトライを許し0-24と苦しい展開。それでも、前半終了間際にCTBディラン・ライリーが自陣からブレイクしゴール中央にトライを決めて7-24で前半を折り返す。

前半3分マルティン・パジェレロのPG

前半3分マルティン・パジェレロのPG



ワーナー・ディアンズ

ワーナー・ディアンズ



サミソニ・トゥア

サミソニ・トゥア



パオラ・ガルビージ

パオラ・ガルビージ



見事なカウンターからトライに導いたFBアンジェ・カプオッツォ

見事なカウンターからトライに導いたFBアンジェ・カプオッツォ


初キャップの桑野詠真

初キャップの桑野詠真



ゴール前、ワーナー・ディアンズがノックオン

ゴール前、ワーナー・ディアンズがノックオン


前半終了間際、ディラン・ライリーがブレイク

前半終了間際、ディラン・ライリーがブレイク


そのままディラン・ライリーがインゴールへトライ

そのままディラン・ライリーがインゴールへトライ



後半に入ると42分に再びディラン・ライリーのトライで14-24と追い上げるためにいい流れを作る。さらに53分にはイタリアが再びイエローカードが出され、数的優位となるもスコアにつなげることができない。ゴール前まで攻め込んだタイミングでのラインアウトのミスやチャンスを自ら逃す場面が目立った。

後半2分、再びディラン・ライリーのトライで流れを掴んだかと思われたが・・・

後半2分、再びディラン・ライリーのトライで流れを掴んだかと思われたが・・・





松田力也のゴールも決まって12-24

松田力也のゴールも決まって12-24



ファウルア・マキシが裏に出かかり、藤原忍へのオフロードパスがつながる

ファウルア・マキシが裏に出かかり、藤原忍へのオフロードパスがつながる


藤原忍が裏スペースにショートパントをけるこむも

藤原忍が裏スペースにショートパントをけるこむも・・・イタリアも対応しチャンスがつながらず



このツアーで優位に働いたスクラムも、イタリアがジャパン対策として「低く組むスクラム」でジャパンの優位性を打ち消した。ディフェンスでも「超速ラグビー」の命である、スピーディーなボールのクリーンアウトを打ち消すためにブレイクダウンでプレッシャーをかけてジャパンを苦しめた。

後半からインパクトプレーヤーとして出場したHO坂手淳史

後半からインパクトプレーヤーとして出場したHO坂手淳史



後半追い上げるチャンスを逸して悔しそうな表情を見せるリーチ

後半追い上げるチャンスを逸して悔しそうな表情を見せるリーチ



後半から出場したテビタ・タタフもマークにあいなかなか前進できなかった

後半から出場したテビタ・タタフもマークにあいなかなか前進できなかった



74分、イタリアに三度イエローカードが出され数的優位となったジャパンだったが、追加のスコアをあげることができず、試合終了間際にイタリアにダメ押しトライを許しノーサイド。14-42で大敗を喫した。


日本代表 エディ・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC



――残念な結果だったが


このような素晴らしい環境を作ってくれたファンにまず感謝します。そしてイタリアにおめでとうと言いたい。今夜は本当に素晴らしいパフォーマンスでした。ハードなツアーを終えて今日も良かったと思います。自分たちにもチャンスはあったんだですが、相手にプレッシャーをかけるには、十分ではなかったと思います。


――追い求めているような速いテンポがなかなか得られなかったようです。その理由は何だと思いますか?


試合では常にそういうことがあります。イタリアはディフェンスが強いチーム。後半はサポートプレーが少し遅かったし、チャンスを作れなかったし、作ったチャンスをフィニッシュできなかった。

ブレイクダウンではイタリアのプレッシャーが強かった

ブレイクダウンではイタリアのプレッシャーが強かった



――夏シリーズはこの試合で終了です。これからのPNCにどう挑みますか?


まず、夏のシリーズから学んだことを、しっかりと実践すること。練習を通じて、自分たちの悪い部分を無くしていくことです。


日本代表 FLリーチマイケルキャプテン

リーチマイケル

リーチマイケル



――悔しい結果になりました。率直な感想をお聞かせください。


まず、たくさんのファンが札幌ドームに集まっていただき、本当にありがとうございます。負けた後の試合は、コメントがいつも難しい。でも今日はしっかりこの結果を受け止めて、次につなげたいと思います。


――今日はセットプレーもうまくいかなかったし、これまでの試合とは難しいところはたくさんあったと思います。どのあたりが難しかったでしょうか?


そうですね。セットプレーがあんまり安定して80分間できなかったんですけど、途中少しは修正はしたんですけど、イタリアの方が上回ったところは多かったと思います。




―― これで日本代表の試合は一段落となります。ファンの皆さんに一言メッセージをお願いします。


夏のシリーズはこれで終わりです。あの最初の試合。 国立から始まって仙台、そして札幌と多くのファンの前でプレーできて本当に嬉しいです。まあ、ただここで終わりじゃないので、2027年のワールドカップに向けて必ず結果を出すので、引き続きよろしくお願いします。


日本代表 HO原田衛

原田衛

原田衛


前半で24点も取られてしまったので、そこはもう大きく響いてしまったかなと思っています。フィジカルで負けてしまい、日本のラグビー、日本のモメンタムを作ることができなかったかなと思います。


――スクラムに関してはどうでしたか


自信を持って準備してきたつもりでしたけど、あまりうまくいかなかったので残念です。


――そこはやりながら何か想定外の部分があったのか、あるいは自分たちでやろうとしてきたことが何か出せなかった要因というのは。


思った以上にプレッシャーがかかってて、僕らがペナルティー取ろうとしたんですけど、逆に取られてしまったので、まあ想定外が大きいかなと思います。


原田衛

原田衛



――ただ、この5連戦で代表としても収穫というものはあったと思いますが、いかがでしょうか?


エディジャパンが始まってこう最初の5連戦だったんで、始まりですけど、一つも勝てなかったっていうところはすごい大きな反省点かなと思います。


――8月以降に向けて改めて一言お願いします。


もう一度8月にしっかり勝てるように、いい準備をしたいなと思ってます。


日本代表 CTBディラン・ライリー

ディラン・ライリー

ディラン・ライリー




――今の心境は?


本当に悔しいです。イタリアには試合早々からプレッシャーをかけられて、彼らはすごくいいラグビーをしてきたかなと思っています。自分たちは次を見るしかないので、レビューをして2週間リフレッシュして、次また修正して試合に挑みたいと思います。


――今日の試合、このまま前半終わると嫌だなという展開の中で独走トライがありましたね。


あのトライだけ見ると。 すごくラッキーなトライだったんですけど、チーム全体のパフォーマンスを見ると、まだまだ足りないなっていう気持ちでいます。


――そして、後半も始まってすぐにええ、インターセプトからのトライありましたね。


こちらもまたたまたま本当にチャンスが舞い降りてきてトライが取れて、まあそれは良かったんですけど、チーム全体のパフォーマンスとしては足りなくて、ラッキーなトライだけに頼っていれば、80分間勝てる試合ではないのは分かっているので、本当に次にフォーカスしたいと思います。


――ファンへメッセージお願いします。


皆さんありがとうございました。次の試合ももっともっとお客さんが来ていただけるように頑張りたいと思います

日本代表 FB矢崎由高

矢崎由高

矢崎由高


――今の感想?


結果という形に繋がらなくて、とても悔しいです。


――その悔しさを改めて具体的に教えてください。


自分たちでも今週1週間、いいハードワークして練習して、いい準備はできていたにも関わらず負けてしまって。自分たちの準備がまだ足りてなかったっていうのがすごく悔しいです。


――個人的にはどうでしょうか?相手の15番カプオッツォ選手は?


もちろん試合前から、数年前からすごい活躍されてて、自分としても意識した相手でしたけど、実際に試合してみても、スピードのある常に脅威になり続ける選手だったと思います。


イタリアのフィジカルを前に前進できなかった矢崎

イタリアのフィジカルを前に前進できなかった矢崎



――そうなると、これからの個人としてもこうターゲット、目指す何かそういったイメージが見えてきた?


そうですね。あくまで自分は自分なので、自分の強みを活かして、まあ、これから代表生活を送っていければと思います。


――改めてこの5連戦、全ての試合に出場しました。個人としての収穫は?


自分としてもいろいろと学びました。何段階もレベルアップできたツアーだと思いますし、この経験を殺すことなくしっかりこれからの自分の成長につなげていきたいなと思います。

イタリア代表 ゴンサロ・ケサダHC

ゴンサロ・ケサダHC

ゴンサロ・ケサダHC



――特に前半はゲームプラン通りだったか。


前半はほぼ計画通り。日本がボールを持てば、スピードに乗り、本当に危険なプレーをすることを知っていたからです。ですから、まずはボールをキープすること。そして2点目は、ボールをスローダウンさせるためにプレッシャーをかけること、これもとても重要でした。前半、選手たちが本当によくやったと思うのは、このコンタクトゾーンで、激しくぶつかり合い、ボールをスローダウンさせたことです。そのおかげで、チームの他のメンバーがプレッシャーをかけることができました。そして、プレッシャーをかけ、ラインスピードを上げ、ボールをスローダウンさせるという一連の流れは、私たちにとって重要でした。日本がクイックボールを持ったときにやろうとしたことをさせなかった。

イタリア代表 FLミケーレ・ラマロキャプテン

――うまく行ったところ、スクラムは?


このような大きなスタジアムで、日本に来て試合をするとき、まず、フィジカル面で取り込まれないようにすることはとても重要なことだと思います。正直なところ、前半は自分たちに求められるプレーを体現し、お互いのプレーをつなぐことに集中していました。というのも、日本の強みのひとつは、最初の数フェイズにおけるセットプレーだと思うからです。最初の3つのフェーズの後、彼らは多くのチャンスを作ります。


それに立ち向かうには、私たちはとても強くつながり、それに集中する必要がありました。前半は本当に見事だったと思います。後半、おそらく彼らはアドバンテージを得たでしょう。だけど私たちはよくディフェンスしました。でも、前半にあのようなプレーをしたことで、いくつかのタックルに見舞われたことは覚えています。

ミケーレ・ラマロキャプテン

ミケーレ・ラマロキャプテン





それが絶対的な鍵になると思います。というのも、その後はフィジカルに加え、攻撃的なプレーをすることになるからです。でもそれは確かなことで、私たちはスクラムポイントで我々の側にいたいと思っていました。フロントファイブは先発もフィニッシャーも素晴らしい仕事をしました。日本にプレッシャーをかけ続けました。日本のスクラムから数本の反則を奪ったのは、素晴らしいことです。スクラムに勝つことでそのプレッシャーを跳ね返すことができた。


――日本がやろうとしているラグビー、つまり速いラグビーというのは、情報も入っていると思います。日本代表と対戦してみて、日本代表のスピードについてどう思いますか?


まず、この質問は私にとって本当に興味深いものです。今のラグビーには、もう少しエンターテインメント性が必要だと思うから、 チームはもう少し積極的にプレーする必要があります。今の状況は、明らかに2つのバランスが取れています。なぜなら、正しいポジションで攻撃すること、正しい瞬間に攻撃することで、勝利を収めているのですから。というのも、攻撃してボールを失うと、その失ったボールを挽回するのはとても難しいからです。だから。今の日本は理想的なゲームをしていると思います。

正直なところ、彼らがトップに立つと、とても危険です。彼らは非常にこのトレンドを成長させると思います。もちろん、マインドセットとして、それは私が常に同意するものですが、同時に、私たちはここ2、3年、同様にこれを経験してきたたと思います。すべてをプレーしたかった。とても、とても速いプレーをしたかったんです。でも、ビッグチームとの対戦では、プレーのしすぎで試合を失うこともあることを理解しました。

だから、プレーすることと、正しい瞬間にプレーすることのバランスを見つける必要があるんです。それが非常に重要だと思います。日本がどこに行こうとしているのか、それは信じられないような旅だと思います。というのも、いいプレーをすることで、どこでもプレーすることで、試合に勝てるようになるのであれば、それはみんな同じことだと思うからです。それは誰もが認めるところでしょう。見ていて信じられなくなりますよ。質問の答えになっていればと思います。

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ