カナダ戦勝利の80分、ピッチでは何が起きていたか。坂手淳史ゲームキャプテン、藤原忍試合後会見レポート | ラグビージャパン365

カナダ戦勝利の80分、ピッチでは何が起きていたか。坂手淳史ゲームキャプテン、藤原忍試合後会見レポート

2024/08/27

文●編集部


ラグビー日本代表は25日、「アサヒ・スーパードライ・パシフィック・ネーションズカップ2024」カナダ代表戦に55-28で勝利。第2期エディージャパンとなってテストマッチ初勝利を収めた。世界ランキングでは格下の相手に対して、勝利はもちろん、試合の内容も問われた試合。ゲームキャプテンを努めたHO坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)とSH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が試合後の会見に応じた。

HO坂手淳史ゲームキャプテン

坂手淳史ゲームキャプテン

坂手淳史ゲームキャプテン


――準備について


準備段階では、そこまで若いチームだとか、細かく自分がゲームの中でどうしていくということにアプローチせずにやってきました。ただゲームに入ったときにはしっかりと落ち着きを持ちながら、自分たちの超速ラグビーというところに対してアプローチできるようと思っていながらプレーしていました。

SH藤原忍とSO李承信の2人が中心となってアタックは話してくれましたし、ディフェンスについては7版の下川甲嗣が中心となってチームを引っ張ってくれてたので、その中でチームがどう落ち着きながら次のプレーにフォーカスできるかというところを考えながらプレーしました。

この勝利というのは若いチーム、特にあまりテストマッチで勝つことが初めての経験の選手たちが多いので、今のジャパンの中でいい勢いになればいいなと思います。更にしっかりと反省しながら次に向かってみんなでいい準備を勧めていければ、自ずとこのパシフィックネーションから(チームが)良くなったねと思えるようなそういうシリーズにしたいですね。

――うまくいった試合であっても相手に流れを渡すチームと最後まで渡さないで勝ち切るの違いは


やっぱり流れを渡したのはペナルティがあったところかなというふうには思うんですが、ゲームの中ではそういうことが起こり得るというところは事前にもわかっていますし、レフリーが少しずつ見方がかわってきたりであったりとか、今まであまり前半見ていなかった部分を注視するようになるというところも、テストマッチだったり、試合ではよくあることなので、そこに対して一つのペナルティが二つになって、三つに、というように重なってしまったところが相手に流れをわたしてしまったかなと思います。

元々スカウティングでもカナダはフィジカルが強いというのはわかっていますし、そのフィジカルが発揮されるというのが自陣であったこと。ミスだったり、ペナルティが続いたことで侵入されてしまい、カナダに生き返らせてしまった。

――その部分はどう改善していきたい?


しっかりと落ち着きを取り戻すこと。不用意なペナルティも中にはあったので、そういったペナルティをしないというのは簡単ですけど、もう少し具体的なところでいうと、オフサイドなのか、ロールアウェイなのか、ジャッカルいったところなのか、後半はその場面で取られた印象があります。ディフェンスの部分が多かったので、その部分について具体的に話すことが大事かなと思います。


――ゲームコントロールについて、前半フェイズアタックを繰り返してきて、前半の後半疲れたかなという部分もあったようですがその辺は

前半初めは特に、9番10番がコントロールしてくれて良いアタックを組み立てていくことができて前にでることができました。少し疲れてしまったというところを具体的に言うと。特にエッジから9番のアタックのところでFWが3人入るんですけど、そこが疲れてだいぶ遅れてしまったところが大きな原因ではあるかなと思っています。疲れた中でもセットして、キャリーをし続けることができれば、残り10分のところで相手に流れを渡していく時間をなくすことができたと思いますし、その部分ではFWのハードワークが必要になるんじゃないかなと思います。

少しミスが増えたところは、良いアタックもできていて、少し脚を溜めるべきところで、前のめりになってしまった部分もあったんじゃないかなと思います。オフロードのところですけど。そこに対してはこれからまた準備していきたい。


――MOMのワーナー・ディアンズについて

良かったです。ラインアウトでもいいコール出してくれてすごく放りやすかったですし、セットプレーでもフィールド上のジェネラルプレーでも良さを出し続けてくれたので本当に頼もしいですし、他の選手もたくさん動いていいプレーをしていたので良かった。

もっとフィジカルを鍛えて自分たちからBKにいいボールを供給できるようなアタックとセットプレーをもっと作れるようにみんなで頑張っていきます。

――エディーHCが「イタリア戦では(選手たちに)情報を与え過ぎた」と話していましたけど今回試合では改善した点や良かった点はありますか。


シンプルでしたね。僕たちがするオプションもシンプルでしたし、相手がしてくることも結構シンプルに自分たちは捉えていたので、そこに対してやることはシンプルでした。だからこそフィジカルが特に大事になってくるという1週間だったので、そこに対する準備はしてきましたし、いい部分もあったし、悪い部分もあったなという感じです。

フィジカルで前に出れないと「超速ラグビー」は難しいと思う。BKがどんなにいい球を欲していても、僕らが出せないと。フィジカルの部分はさらに追求していきたい。


――スクラムについて


全体としてコントロールできていたと思います。前半はお互いブレーキフットのところをレフェリーから言われてたので、そこはコントロールしながら組んでました。前半最後のスクラムは少し悔やまれますけど、全体としてはいいプレッシャーをかけ続けられたかなと思っています。

ペナルティ取られたところは角度の部分だったかなと思うんですけど、そこでのレフェリーへの見せ方だったりはしっかりと映像見ながら、もう1回、8人で組むところにフォーカスしながらやっていきたい。ただ、結構ポジティブに捉えているので、さらに成長できたらいいなと思っています。


――キックオフレシーブでフェアキャッチするところと、攻めるところと両方あったと思うんですけど。そこの判断や先に決め事があったのか


決めていたことは10番からアタックをするということでした。ただ相手のキックが結構伸びて、ちょうど承信のところに落ちてきたので、そこをマークしてしっかりけるというところは精度もすごく良かったんでFWとしては助かりました。


SH藤原忍

藤原忍

藤原忍


――ご自身のパフォーマンスについて


FWがしっかり前に出てくれたおかげで、僕の持ち味であるスピードというところを出せたと思いますし、10番の李承信とのコミュニケーションをうまく取れて、迷うことなく前にアタックすることができました。


――前半テンポアップできていたけど、後半、反則が多くて自分たちのリズムを作れず、攻め急いだところもあった??


前半の後半もペナルティが続いて後半の入りもペナルティから始まったんですけど、リーダー陣でハドルして話して李承信ともコミュニケーションとりながら、まず急ぐんではなく、しっかり1つのプレーに集中してやっていこうと話していました。反則については我慢しきれずに反則してしまったなという感じです。


――ディフェンスでも体を張っていました。


自分ひとりだけじゃなかったんで、ラインアウトであったら、坂手さんだったり、横のコミュニケーションをしっかりと内側の仕事をしてくれたからこそ、自分の仕事を全うできたというのがあります。

――最初の方はキックあまり使わなかったと思います。組み立て方と狙いとうまくいったところいかなかったところ。


狙いとしてはキックオフからしっかり自分たちのフィジカルを出していくというふうに決めていました。それが前半の最初は成功していて、中盤もしっかりフィジカルで圧倒していてよかったんですけど、前半の後半で疲れてきたときにちょっと集中が切れてミスがおおくなったので、そこからはしっかりと相手を背走させるように(李)承信とも話して実行しました。


――超速ラグビー、100点中、何点?


80点くらいですかね。


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