桐蔭学園が連覇!決勝で大阪勢に初勝利、白ジャージでも初めての優勝を成し遂げる | ラグビージャパン365

桐蔭学園が連覇!決勝で大阪勢に初勝利、白ジャージでも初めての優勝を成し遂げる

2025/01/08

文●編集部


1月7日、東大阪花園ラグビー場では、第104回全国高校ラグビー決勝が行われた。決勝に勝ち進んだのは、連覇を狙う桐蔭学園(神奈川県)と3大会ぶりの優勝を狙う東海大大阪仰星(大阪)。

桐蔭学園は準々決勝で優勝候補の筆頭と目されていた大阪桐蔭に勝利。準決勝では國學院栃木との接戦を制した。

桐蔭学園

桐蔭学園


対する東海大大阪仰星は準々決勝で東福岡に勝利。準決勝では常翔学園との「大阪対決」に勝利して決勝進出を果たした。

東海大大阪仰星

東海大大阪仰星


風はメインスタンドからバックスタンドに強く吹いていた

風はメインスタンドからバックスタンドに強く吹いていた

ここまで先制を許しながらも後半逆転する試合が続いていた桐蔭学園が前半9分、CTB松本圭太のトライで先制することに成功。その後は拮抗した展開が続くも、29分、細かいパスを繋いで最後は今大会初先発のWTB西本友哉(2年)のトライで桐蔭学園が12‐0とリードして前半を折り返した。

前半7分・CTB松本圭太が裏に出てゲイン

前半7分・CTB松本圭太が裏に出てゲイン


FW対決をしていた桐蔭はBKへ展開し、前半9分CTB松本圭太がトライ

FW対決をしていた桐蔭はBKへ展開し、前半9分CTB松本圭太がトライ

CTB松本圭太からFL小川健輔へ

CTB松本圭太からFL小川健輔へ


小川健輔から西本友哉へラストパス

小川健輔から西本友哉へラストパス


今大会初先発の西本友哉がその起用に応えた

今大会初先発の西本友哉がその起用に応えた



丹羽雄丸のゴールも決まり12‐5とリードを広げて前半を終えた

丹羽雄丸のゴールも決まり12‐5とリードを広げて前半を終えた

後半、追いかける東海大大阪仰星は敵陣ゴール前のペナルティーから、SO吉田琉生が一瞬の隙を狙ってクイックリスタート。自らインゴールにボールを持ち込みトライ。12‐7とする。

対する桐蔭学園は9分、自陣10m付近の相手ボールスクラムをペナルティで22m手前のラインアウトからドライビングモールで30m以上押し込みHO堂薗尚悟がトライ。このトライで桐蔭学園が流れを引き寄せるとそこから4連続トライで突き放し勝負を決めた。

後半9分、桐蔭は敵陣でのラインアウトからドライビングモールでHO堂薗尚悟がトライ

後半9分、桐蔭は敵陣でのラインアウトからドライビングモールでHO堂薗尚悟がトライ


丹羽雄丸のゴールも決まって19‐7

丹羽雄丸のゴールも決まって19‐7


後半11分、SH後藤快斗からSO丹羽雄丸へノールックパス

後半11分、SH後藤快斗からSO丹羽雄丸へノールックパス


丹羽雄丸のトライ

丹羽雄丸のトライ


後半15分、WTB西本が仰星SO吉田をハンドオ

後半15分、WTB西本が仰星SO吉田をハンドオ


西本がトライを決めて仰星を突き放した

西本がトライを決めて仰星を突き放した


後輩のトライに喜ぶFB古賀龍人

後輩のトライに喜ぶFB古賀龍人


後半21分丹羽雄丸がゴール前でボールを落としそうになるも確保してインゴールへ

後半21分丹羽雄丸がゴール前でボールを落としそうになるも確保してインゴールへ


丹羽がボールをグラウディングして勝負を決めた

丹羽がボールをグラウディングして勝負を決めた

なかなかトライが取れなかった東海大大阪仰星は25分、30分と意地を見せるがそこまで。40‐17で桐蔭学園が勝利して2年連続5回目の日本一を果たした。

試合終了のホイッスルが吹かれ両手をあげて喜ぶ丹羽

試合終了のホイッスルが吹かれ両手をあげて喜ぶ丹羽

チームを指揮した藤原秀之監督とチームを牽引した申驥世キャプテンの試合後コメントをたっぷりお伝えする。

桐蔭学園 藤原秀之監督

桐蔭学園・藤原秀之監督

桐蔭学園・藤原秀之監督


思っていたより点差がつきました。最初、得点されないことが大事だと話していたら、こっちが先に取れたので比較的、楽になりましたね。


――昨日はオフでした


5日に勝ったら、コーチ陣の中では6日は休みにすると話をしていた。準々決勝は大阪桐蔭さんと激戦の後で4日の練習もひどかったし5日の準決勝もきつかったので、昨日はストレッチだけにしました。今日は、こっちに来たときに動きが良かった。


――昨季の優勝と違って、どんどん強くなっての優勝だった


大阪勢で決勝に勝つには東福岡でも4回かかった。時間かかるよ、と話していました。今季は新チームになってから、関東新人でも負けて、選抜でも大阪桐蔭にも負けたが、そこからラグビーも変わってきたし軸もしっかりしてきた。申キャプテン、古賀バイスキャプテン、西野、後藤という4人のリーダー体制でやりましたが、彼らが一生懸命やった成果が出た。

優勝報告をスタンドの応援席に行う

優勝報告をスタンドの応援席に行う


――2月、選抜で負けて今回の優勝は嬉しいのでは


めちゃめちゃ嬉しいですね! 見ている人たちも優勝すると思っていなかったのでは。大阪桐蔭に勝ってから流れが変わってきたかな。

――この1年、どのあたりの成長した?


やっぱり、ブレイクダウンもそうですが、ボールをしっかりジャッジして、攻撃で前進したときはつなげるときにつなげと指導しました。中学生も高校生も何でもかんでも止めてしまうと世界で通用しないし、サニックスワールドユースでもわかっていて、サニックスワールドユースではまったところもあった。

申驥世キャプテン

申驥世キャプテン


古賀龍人バイスキャプテン

古賀龍人バイスキャプテン


西野誠一朗

西野誠一朗


後藤快斗

後藤快斗


停滞してからでは綺麗な形はそんな簡単にトライは生まれない。それが世界の潮流なので、イレギュラーをイレギュラーじゃないようにする練習をずっと2年間、積み重ねたのが今日はまさに出たかな。


――昨季と比べて今季替えたところは


球離れをよくした。やり方としては昨季と同じことはできない。昨季は強い選手が多かった。(今)大学でも1年で活躍している選手も多かった。ボール持って突進できる、上手い選手がいた。だから変えないといけないという判断で、2年かけてこのラグビーができた。(決勝でもオフロードパスなどリスクあるプレーも多かった)ありましたね。それはリスクじゃないとしてます。

胴上げは応援席の目の前で行われた

胴上げは応援席の目の前で行われた


――チームが成長しました


こんなに成長したチームは僕の中ではないですね。大阪桐蔭に勝ってかなり自信になったんじゃないですかね。仰星さんは春やって夏もやって、その時もFWが押せていたので、時間が経つにつれて押せるだろうと思っていて、このゲームでも押せた。

――リーダー4人体制も大きかった?


大きかったですね! 申をどこかで休ませたかった。古賀もそうですが、どこかで休ませたかった。夏以降、秋はもがき苦しんでいた。今季のチームには「スゲー」という奴はいないが、申キャプテンに引っ張られた。彼らは中学で見たときからこの代のキャプテンになると思っていたし、「○9期」のジンクスを破ってくれる、全国優勝する文化を作ってくれると思っていた。僕らがやっていないのは『大阪勢に勝っての優勝』と、『白での初優勝』だった。僕がイメージしたことを花園でほとんどやってくれましたね。

――今日のテーマは


継続しようかなと話していたが、いつも通りやった方がいいよと話した。大阪桐蔭もそうでしたが、仰星さんもファーストアタックが非常に上手いので、そこでゲインをとられないこと、FWがラインアウトモールで取られないことをポイントにした。アタックはファーストアタックをどこに攻めるかを確認した。

金子俊哉コーチ

金子俊哉コーチ

――前半からキックを使ったが


風が強かったので、準決勝、決勝はミスが起きるので。


――目黒学院、久我山と並んで5度目の優勝


感慨深いですね。まさかというところですね、5回というのはすごい記録作りましたね。(その2校に)追いついたんですね。決勝戦の勝率がやっと5割になったな。すごいことやっていると思いますね。20年前に初めて花園に来て、10回決勝に来て、4分の1優勝したということですから。桐蔭学園もすごくなったと思います。

――後半が強かった


今季見ていて、前半でダメでも、後半どうにかしようと意志が強いチームだった。優勝した経験者が3人いたことが大きかった。



――連覇した要因は


各種大会で、経験をどう積ませるか、でした。サニックスにも行けたのでラッキーだった。

――SO丹羽について


この大会は最後まで良かった。光っていましたね。高校日本代表候補くらいに呼ばれるんじゃないですかね。うちの9番、10番は今大会では一番だったと思います。

丹羽雄丸

丹羽雄丸


桐蔭学園 申驥世キャプテン

申驥世キャプテン

申驥世キャプテン


――今の気持ち


このチームになってから花園で優勝するのを課がけていたので、本当に嬉しいですし、ほっとしていますし、これを成し遂げた仲間たちが本当に誇らしいです。


――この1年間で振り返ってどんなことを思いおこした


やっぱり去年のチームの強くて、今年のチームは弱くて勝てないと言われていて、関東新人大会も負けて、本当にうまくいかないことばっかりったんですけど、3年生中心に自分たちも花園で優勝するんだっていうのを本当に信じて練習を積み上げてきたので、本当に苦しい時間が長かったですけど、本当に最後優勝できて本当に良かったなと思います。


――今どんな気持ちが込み上げてきますか。


やっぱり去年先輩たちが全部優勝した大会を逃してしまったりだとか、練習もしんどかったですし、本当に自分たちが勝てるのかって葛藤もありましたし、自分たちで話し合って、いろいろ試行錯誤してうまくいかないことの方が多かったんですけど、そういう日々が今までの、今日のこの日に繋がったんだなと思って本当に嬉しいですし、感慨深いです。

――最後にね応援してくださってる皆さん、スタンドの皆さんに挨拶してましたけれども、どんな思いでしたか。


本当に今日勝てたのはメンバーだけじゃなくて、大阪勢との決勝を勝つっていうのは、本当に99.9%どアウェーという状況で勝たなきゃいけないんですけど、今日試合始まってみたら、応援してくれた選手、保護者、桐蔭ファミリーの声援が大きくて、後半なんてもうホームでやってるような感覚でした。

3年生のノンメンバーは1stジャージで応援

3年生のノンメンバーは1stジャージで応援

――改めてどういう感謝の気持ちがあったんでしょうか。


本当にメンバーだけじゃなくて、桐蔭学園は全員で戦っていて、今日試合に出たメンバーもそうですけど、メンバーに入らなかった3年生は、1、2年生のために大阪城で練習のために戦ってきてくれてますし、ベンチメンバーが分析をしてくれたりとか、応援団長は応援を、さらに1年生を指導してくれたりとか、保護者の方々のいろいろなサポートもありますし、OBの方々のサポートがなければ今自分たちがここに立てて優勝することなかったと思うんですけど、その支えがあったから勝つ試合の流れになってきたかなと思います。



――今日キャプテンが一番盛り上がったシーンを挙げるとしたら。


個人的には後半のモールで22メートルちょっと前くらいですかね。そこから押し込んだのがもう1年間FWがずっと練習してきたプレーなんですけど、モールが強い東海大仰星さんに取れたことは本当に嬉しかったし、自信にもなりましたし、そこはもう本当に熱くなりました。

――今日キャプテンが一番盛り上がったシーンを挙げるとしたら。


個人的には後半のモールで22メートルちょっと前くらいですかね。そこから押し込んだのがもう1年間FWがずっと練習してきたプレーなんですけど、モールが強い東海大仰星さんに取れたことは本当に嬉しかったし、自信にもなりましたし、そこはもう本当に熱くなりました。

後半9分、桐蔭は敵陣でのラインアウトからドライビングモールでHO堂薗尚悟がトライ

後半9分、桐蔭は敵陣でのラインアウトからドライビングモールでHO堂薗尚悟がトライ

――プレー以外の熱く盛り上がったシーンは。


本当に最初試合に入った時に桐蔭の自分たちの応援スタンド見たときに、3年生が決勝はジャージを着て応援してくれるんですけど、、本当に喉もガラガラなんですけど、本当に死ぬ気で応援してくれてて、必死で頑張れっていう声をずっと出していてくれたので、それは本当に感動しましたし力になりました。

――胴上げされた気分は。


今まで胴上げされたことがなかったので、された瞬間、今までずっと緊張であったりとかいろいろしんどい思いをしてやってきたんですけど、そこで全て報われたなっていう。解放されたじゃないですけど、本当にあそこで優勝したんだなという実感が湧きました。


――宙に待った感想。


思ったより高くて気持ちよかったです。最高でした。

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