サクラフィフティーン・ワールドカップ2017第1戦フランス代表、体格差があっても「互角」に戦えることを証明した津久井と江渕。 だからこそそれを言い訳にできない。メンタルのセット、準備の大切さを理解した戦いを。 | ラグビージャパン365

サクラフィフティーン・ワールドカップ2017第1戦フランス代表、体格差があっても「互角」に戦えることを証明した津久井と江渕。 だからこそそれを言い訳にできない。メンタルのセット、準備の大切さを理解した戦いを。

2017/08/11

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


サクラフィフティーンのワールドカップ初戦は残念な結果でした。

ずば抜けていたSH津久井の精度

ワールドカップは短期決戦ですから、ポジティブな面から見ていきたいと思います。

勝ち負けを別として、フランス戦で最も印象に残ったのはSH津久井萌選手です。いい選手ですね。12月のワールドカップ予選のときは、じっくり見ることができなかったし、「17歳の割には」「高校生の割には」という評価なのかな、と思って、今回初めてじっくり見たのですが、本当にいい。すごいプレーをする。パスのスピード、精度が女子のレベルではずばぬけてるな、本当にしっかりした技術を持っていることが分かりました。

僕自身がSHだったし、女子の指導をしていたし、間違ったフォームで延々練習している選手の実例もたくさん見てきました。結構厳しい目で見る癖がついているのですが、その目で見てもフランス戦の津久井選手は素晴らしかった。ことフランス戦に関して言えば、サクラフィフティーンのベストプレーヤーだったと思いました。『女子ラグビーのフミアキ(田中史朗)』と呼んでもいいんじゃないでしょうか。


もちろん、津久井選手はタックルも素晴らしかった。ラグビー選手としてのトータルな能力が優れているなと思いました。もちろん、それは彼女の持つ技術によって支えられているのでしょうが、僕が何より感じたのは、彼女はどの局面でも、自分ができることを最大限出し切ることに集中していたなということです。

ラグビーは相手がいるスポーツです。自分が100の力を出しても、相手が120の力を持っていたら勝てない。だけど「だから勝てない」と思って60の力しか出さないでいたら、いつまで経っても力関係は変わらない。自分が100を出したとき、相手の力がどうであろうが、自分は自分の100を出す――その気持ちで臨まなければ、それまでの評価を変える可能性は出てこないのです。

この試合のサクラフィフティーンのほとんどの選手は、いいタックルに入れませんでした。

自分のベストの体勢でタックルして、それでも弾き飛ばされたのなら、それは仕方ないことです。だけど、サクラフィフティーンのほとんどの選手は、その体勢を作れていなかった。タックルに入る以前に、『吹っ飛ばされたらどうしよう』ということに意識が行ってしまい、自分からしっかりコンタクトするポジションを作れていなかったのだと思います。

 

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