リオ五輪スペシャル・学びを活かせず敗れたサクラセブンズ 2020年に向け、アジリティを活かした強化を | ラグビージャパン365

リオ五輪スペシャル・学びを活かせず敗れたサクラセブンズ 2020年に向け、アジリティを活かした強化を

2016/08/09

解説●後藤翔太 文●大友信彦


翔太です。サクラセブンズは残念ながら、9/10位決定戦でブラジルに5−33で完敗。10位でリオ五輪を終えました。

まずは選手、スタッフのみなさんを労いたいと思います。思ったような試合はほとんどできなかったと思いますが、日本だけでなく世界のラグビー界にとって初めてのオリンピック。初めてのことばかりの中で、当事者には経験したことのない重圧がかかっていたと思います。本当にお疲れ様でした。


ブラジルとの「再戦」。前の戦いからの学びがなかった

試合自体は残念な内容でした。
ブラジルとは、プール最終戦に続いての対戦。お互いに、相手の強みと弱みを分かった上で、修正するべき時間もしっかりあった上で臨んだ再戦でしたが、厳しい言い方になりますが、前の戦いからの学びが何もなかった。

その象徴が、後半の立ち上がりに奪われた連続トライです。後ろにキックを蹴られて、戻りが遅れて、そのままトライを取られた。これはこの五輪で初戦のカナダ戦で最初に取られたトライから、何度も取られた同じ形でした。

日本は7人がフラットに並んで前に出るディフェンスをしていました。このディフェンスなら、相手が後ろに蹴ってくることは容易に想像できたはずです。この時間帯は中村知春主将がシンビンを受けた関係で1人少ない状況でしたが、ブラジルから見れば、日本は対策を立てているだろうと想定した上で、揺さぶりのつもりで蹴ってきたと思いますが、予想外にそのままトライが取れてしまったという感覚かもしれません。

次のキックオフもブラジルはキープしてそのままアタックして、キックを蹴ってチェイスしてそのままトライ。まったく同じ形での連続トライでした。

5−12で折り返した後半開始の時点では十分逆転可能だったはずですが、たちまち5−26まで開いてしまった。

では地上戦ではいいディフェンスをしていたかといえば、そうでもない。前半は大黒田裕芽選手のトライで先制しましたが、次のキックオフからのシリーズでは、6度のフェイズを守っていながら、大黒田選手と中村知春選手のダブルタックルの真ん中を突破されてトライを奪われた。サクラセブンズは、フィジカルコンタクト、タックルとフィットネスの強化を最優先にこの5年間、強化を重ねてきましたが、オリンピックの最後の試合で、それが出せなかった。相手が自分たちの想定していない動きをしてきたときに対応できなかったし、試合を重ねる中で、じわじわと消耗していったのだと思います。

 

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