中村知春「ここからはメダルだけを見る」目下成長中のチーム現在地を訊く | ラグビージャパン365

中村知春「ここからはメダルだけを見る」目下成長中のチーム現在地を訊く

2023/11/26

文●編集部


19日、女子セブンズ日本代表は、パリオリンピックのアジア予選で優勝を果たし見事出場枠を獲得した。東京五輪で12位という結果からチームを立て直し、自らも選手としてピッチにたつ中村知春選手に試合後話を聞いた。ここまで紆余曲折あった中で「もう過去のことは全部しまってここからオリンピックのメダル、それだけを見ようという感じ」と話した。

中村知春「ほっとした」



ほっとしました。本当に皆さんありがとうございました。(勝ち切れたのは)本当に強みが出たというところかなと思います。準決勝までみんな固く戦っていたので、ミスをしないようにとか、安全にいった戦い方になったと思うんですけど、本当に平野(優芽キャプテン)が試合前に言ってくれた挑戦者だから、チャレンジャーだからというところを大谷(芽生)を筆頭に非常に見せてくれたところがうまくいった要因かなと思います。

(試合後のハドルでは?)ちょっと嬉しすぎて覚えていないですけど。(北九州では)1勝もできなかったのでその点は不安もあったんですけど、これでいい思い出にみんなのおかけで塗り替えられたかなと。(声援は)良く聞こえていて、少しクスッとしてしまうところもありました笑。


(パリ行きの切符を掴んだことについて)本当にいろんなことを経験してきたので、なんか本当にもうこれで何か第1章、第2章みたいな感じですね。東京からここまでは自分の中では続いていて、立て直して、立て直せたなというのが、入替戦のときもおもったんですけど、なんかもう過去のことは全部しまって、ここからオリンピックのメダルに向けてそれだけを見ようという感じですね。

(キックオフも良かったし、2人・3人目の動きも速くなったしラグビー的な手応えもある?)何が要因なのか本当に正直なところわかりません。それが怖いなというところもありますけど、選手個々がもう世界レベルの選手に育ってきたというところが大きいかなと思います。

精度高いキックオフボールを蹴った須田倫代(追手門Venus)。ワールドシリーズでは各チームも当然マークしてくる

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(いい状態でパリに迎えるのでは?)本当にマインドが変わりました。本当にメダルを狙うって言っていい位置に来ているかもと感じています。ただ、スピードの部分がどうしても世界にいくと追いつかないというか手の届かないという部分があるので、今回は非常に固く戦ってしまったけど、ここのアジリティで抜いてボールを繋ぐというところと、実際はスピードに対応していくDFのコネクトの部分はどうしても勝てない部分があるのでそこは課題かなと。

(この後のワールドシリーズがあって、それからパリに迎えるのはポジティブ?)コアチームとして回れるというのは、非常に大きいです。前年のシリーズがあったからここまでこれたというのもありますし、ワールドシリーズでは強豪国と戦えるので良い自信になると思います。




(いろんなスキルをシリーズを転戦しながら磨いていく?)そうですね。たくさんスコッドがいますので、今回はいろんな選手が活躍できる場があると思うので、切磋琢磨して、サクラセブンズの中でもより戦える体制になっていければいいと思います。

太陽生命ウィメンズシリーズの開催で女子セブンズ選手の強化が一層高まった。現在チームは20人ほどのスコッドで世界に挑む

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(過去にも前に出るDFを試みてきた。ここ10年間くらい。今が一番ハマっているのは?)
個々のスキルかなと思います。やっぱり世界のスピードを体感している選手たちが本当に中堅になってきて、勝てない時代を一緒に経験している子たちが今リードしてくれているので、その子たちの成長っていうのが、一番大きいかなと思います。早めに世代交代ができたんじゃないかな。

アジアのライバル、中国に勝利したラストプレーも堤ほの花の前にでるディフェンスだった。世界との戦いでもディフェンスはサクラセブンズの生命線となる

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やっぱりハーフブレイクをつくれる選手が増えました。大谷もそうですし、須田もそうですし、平野もそうですし、そのきっかけが作れればボールがつながる、ハズレが起きるシーンが非常に増えてきたのでそこが違いかな。大谷も須田も世界にこういう選手がいるということが知られてくると思うので、これからどういう駆け引きをしていくかですね。

予選では大暴れした大谷芽生。

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これまでラグビージャパン365では中村知春さんを多く取り上げてきました。
その中から厳選した記事を紹介。

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