第6回全国U18女子セブンズフォトレポート―1回戦から決勝まで | ラグビージャパン365

第6回全国U18女子セブンズフォトレポート―1回戦から決勝まで

2023/11/03

写真●大友信彦


10月28日、29日に埼玉県・熊谷ラグビー場Bグラウンドで行われた「第6回全国U18女子セブンズ大会」は関東学院六浦の優勝で大会を終えた。1日目の1回戦から決勝までを写真で振り返る。ユース世代のレベルアップを感じた戦いを感じ取ってほしい。

DAY1・1回戦  京都成章 31-5 北海道選抜

北海道のスクラム

北海道のスクラム



京都成章は前半、斎藤綺良、亀井柚季奈、吉田翠希がトライをあげ21-0とリード。北海道も後半、PKから大坂咲来主将の突進を起点に大竹琉奈がトライを返すが、京都成章は田中亜美が自陣のPKから60mを独走して突き放しのトライ。さらに亀山日和がトライを加え、31-5で初戦を突破した。

京都④田中亜美 独走トライ

京都④田中亜美 独走トライ


京都成章①亀山日和トライ

京都成章①亀山日和トライ

アルカスユース 40-0 CHEERS

アルカス⑥加藤璃子トライ

アルカス⑥加藤璃子トライ



アルカスユースが地元の強みを発揮した。開始早々の前半2分、4分と、太陽生命シリーズチャレンジチームも経験した加藤璃子、丸山希香の両エースが豪快なランでトライ。さらに山田清楽、寺山佐与がトライを加え26-0で前半終了。後半も橋本佳乃、九鬼苺花がトライを重ね、40-0で圧勝した。

アルカス④橋本佳乃トライ

アルカス④橋本佳乃トライ


佐賀工31-10桐蔭学園

佐賀工は前半2分、⑦伊礼門千珠が自陣のPKから80mを独走して先制トライしたのを皮切りに伊礼門が4トライの固め打ち。太陽生命シリーズのチャレンジチームに高1から選ばれていたエース⑤谷山三菜子主将も後半早々に70mを独走トライと3ゴールを決める活躍。桐蔭学園も大会最長身の⑧杉浦夏麗が60m独走を含む2トライをあげてポテンシャルを示した。

桐蔭学園⑧杉浦夏麗

桐蔭学園⑧杉浦夏麗



佐賀工⑤谷山三菜子 独走トライ

佐賀工⑤谷山三菜子 独走トライ



関東学院六浦 14-5 追手門学院

関東④高橋あいりトライ

関東④高橋あいりトライ



1回戦随一の好カードを先制したのは追手門。関東のキックオフがダイレクトとなったFKから攻め込み、相手ゴール前のPKからクイックで仕掛けた⑤辻伶奈がトライ。追手門が前半を5-0とリードするが、関東は後半3分に相手ゴール前のスクラムから④高橋あいりがトライ。⑤山本梨月のコンバージョンで逆転すると、7分にはゴール前PKから1年生⑥伊藤ちひろがトライで突き放し、関東学院六浦が熱戦を制した。


石見智翠館 19-12 鳴門渦潮

石見智翠館③八尋瑛

石見智翠館③八尋瑛


中国v四国の隣接ブロック対決は、鳴門渦潮が昨季を含め優勝3回の女王を追いつめた。
前半は石見智翠館が野口明彩陽、古澤瑞希のトライで12点を先行して折り返すが、後半は鳴門渦潮が反撃。佐藤晃羽と千葉友貴奈のトライで12-12の同点に追いつく。試合は同点のままロスタイムに入り、石見智翠館が相手ゴール前へ。鳴門渦潮も粘りのタックルで対抗するが、フェイズを重ねた智翠館は9分、相川らいみがトライ。佐藤志乃がコンバージョンを決め、接戦を勝ちきった。

鳴門①山本蒼空

鳴門①山本蒼空


石見相川らいみトライ

石見相川らいみトライ



麗澤 14-0 花巻東

東北ブロックから初の単独チームとして出場した花巻東が上位の常連、麗澤に果敢に挑んだ。前半から⑥小野寺萌桃主将を先頭に激しいタックルで麗澤の攻撃を食い止め、多くの時間を敵陣でプレー。ゴール前で再三チャンスを得たが惜しくも得点にはつながらず。0-0で前半を終えると、後半は麗澤が反撃。3分に自陣のPKからクイックスタートでつなぎ、⑪池崎美誉が初トライ。その後も花巻東の攻撃を耐えきった麗澤は終了直前にも池崎がトライを加え14-0で逃げ切ったが、初陣・花巻東の健闘が光った。

麗澤⑤山口桃佳

麗澤⑤山口桃佳




福岡 45-0 ORYGINA

福岡L⑥大内田葉月

福岡L⑥大内田葉月


タレント揃いの福岡が猛攻で新潟から初出場したクラブチーム・ORYGINAを圧倒した。開始1分に妹川真奈が50m独走トライで先制すると、沖千緒里、大隅珠姫がトライを連ね、前半を21-0とリード。後半も2分に舞田優楽がトライ。さらに大内田葉月、田代未空がトライを重ね、終了直前には自陣ゴール前のPKで相手DFの隙を見た大内田葉月がタップしてスタート、約95mを走り切ってダメ押し。7トライの猛攻で45-0と圧勝した。

福岡L⑪舞田優樂トライ

福岡L⑪舞田優樂トライ




2回戦・京都成章 17-7 アルカス

京都成章vアルカス

京都成章vアルカス



前半は互いに厳しいディフェンスをみせ5分までスコアレス。6分に京都成章は⑧山住小雪のトライで先制。アルカスは後半3分、丸山希香のトライとコンバージョンで7-5と逆転するが、5分に京都成章は②蔵田澪のトライで逆転。終了直前にも④田中亜美のトライで突き放し、初優勝した2020年以来3年ぶりの4強入りを決めた。




四日市メリノール 22-0 佐賀工

佐賀工⑦伊礼門千珠

佐賀工⑦伊礼門千珠


四日市は前半2分に②野澤友那の仕掛けから⑩棚田温香が先制トライ。8分にも野澤友那からPスを受けた⑦勝島朱香里がトライし、10-0とリードして折り返し。佐賀工は後半、敵陣でPKを獲得すると、2度にわたってラインアウトモールでトライを狙うがグラウンディングできず、PKを得るとスクラムからアタックに出るが落球。

佐賀工⑦勝島朱夏里

佐賀工⑦勝島朱夏里


四日市はシンビンが出て6人になっていたが、この自陣ゴール前スクラムからアタック、最後は⑦勝島朱夏里がハーフウェーから独走してトライ。終了直前には④渡辺りんごもトライを加え22-0で圧勝。単独チームとして初の4強入りを決めた。


関東学院六浦 12-10 石見智翠館

関東学院六浦⑥伊藤ちひろ

関東学院六浦⑥伊藤ちひろ


昨季優勝の石見智翠館と一昨季優勝の関東学院六浦。決勝級の対決は前半、石見智翠館が⑥野口明彩陽、②相川らいみのトライで先行。10点をリードされた関東学院六浦は6分、③高田明里のトライと⑤山本梨月のコンバージョンで7点を返して前半を終えると、後半2分に山本梨月が相手タックルを受けながら執拗に前進して右隅に逆転トライ。

石見智翠館⑥野口明彩陽

石見智翠館⑥野口明彩陽


その後、山本が危険なタックルでイエローカードを受け、KGMは2分間にわたり数的不利の時間を迎えるがこれを耐え、最後は戻った山本が蹴り出し2点差で熱戦を制した。

関東学院六浦⑤山本梨月

関東学院⑤山本梨月



福岡 17-5 麗澤


麗澤は開始1分、オフロードパスを使って敵陣に攻め込みPKからの速攻で⑦中野亜胡が先制トライ。福岡は3分に①妹川真奈が自陣10m線から右タッチ沿いを抜けだし60m独走トライ。妹川は7分にもトライを決め、福岡が10-5とリードしてハーフタイム。後半も4分に相手ゴール前でオフロードパスを受けた大内田葉月がトライを決め17-5で勝利した。

福岡⑫沖千織里のタックル

福岡⑫沖千織里のタックル





DAY2■準決勝 京都成章 10-5 四日市メリノール

四日市メリノールは前半4分、相手ゴール前ラックからがら空きになったショートサイドに持ち出した⑥鈴木柚來がトライ。5-0とリードして折り返す。


後半も四日市が敵陣に攻め込むが、京都は自陣ゴール前のピンチをしのぎ、スクラムでFKを得ると④田中亜美がクイックスタート。敵陣に入り、田中のキックをさらにドリブルした⑫塚原彩月がトライし同点。


その後、一進一退の攻防が続くが、京都成章はラストプレーの7分、右ラインアウトから左に展開し、⑥藤原郁が左を走り切ってサヨナラトライ。激戦を制して3年ぶりの決勝進出を決めた。



関東学院六浦 27-7 福岡

福岡①妹川真奈トライ

福岡①妹川真奈トライ


試合開始のキックオフを自陣で捕った関東学院六浦の1年生FW浅利那未がキックオフリターンで70mを独走し、わずか16秒のノーホイッスルトライで5点を先制。福岡も4分、①妹川真奈のトライと⑥大内田葉月のコンバージョンで7-5と逆転するが、関東学院六浦はハーフタイム直前、前半のラストプレーで④高橋あいりのトライで逆転。12-7で折り返すと、後半も③高田明里、⑤山本梨月、⑦齋藤紗葉がトライを重ね、27-7で圧勝した。

関東学院六浦⑥伊藤ちひろ

関東学院六浦⑥伊藤ちひろ



関東学院六浦③高田トライ

関東学院六浦③高田トライ



関東学院六浦⑤山本梨月のタックル

関東学院六浦⑤山本梨月のタックル


決勝 関東学院六浦 21-0 京都成章

決勝は3季前の決勝再現となった。前回は京都成章が、現サクラセブンズの須田倫代、RKUグレースの麻田瑞月らの活躍で、現サクラXVの向來桜子、サクラセブンズの矢崎桜子が2年生だった関東学院六浦を破り初優勝を飾っていた。

京都成章、試合前の「鬨の声」

京都成章、試合前の「鬨の声」




開始1分、京都成章は左サイドを⑦斎藤綺良が快走するが、関東学院六浦は⑦齋藤紗葉が追いすがってトライセービングタックル。京都成章はさらに攻撃を続けるが、4分、DFでPKを得た関東学院六浦は自陣からアタック。

開始1分、関東学院六浦⑦齋藤紗葉のトライセービングタックル

開始1分、関東学院六浦⑦齋藤紗葉のトライセービングタックル



齋藤が左オープンを前進し、タックルされると起き上がってパス、ここから1年生SO⑥伊藤ちひろが約60mを走り切って先制トライ。⑤山本梨月のコンバージョンで7-0として折り返すと、後半は敵陣で試合を進め、5分にフェイズを重ねたところから1年生FW⑨浅利那未がトライ。

関東学院⑨浅利那未がトライ

関東学院⑨浅利那未がトライ



7分には開始早々のトライセービングタックルを決めた2年生の齋藤紗葉がダメ押しのトライ。山本のコンバージョンも決まり、21-0の完封勝ちで2年ぶり2度目の優勝を飾った。

関東学院六浦⑦齋藤紗葉のトライ

関東学院六浦⑦齋藤紗葉のトライ





大会MVPに選ばれた関東学院・山本梨月

大会MVPに選ばれた関東学院・山本梨月



大会MVPにはゲームキャプテンを務め、2T7Cの24点をあげた山本梨月が選ばれた。



コンソレーション(9位以下トーナメント)

CHEERS 24-10 北海道選抜

北海道選抜

北海道選抜


CHEERS

CHEERS




桐蔭学園 31-10 SCIX

桐蔭⑥前田成実

桐蔭⑥前田成実


桐蔭⑨ポドビー花

桐蔭⑨ポドビー花


SCIX⑥森田奏

SCIX⑥森田奏




追手門学院 48-0 鳴門渦潮

追手門学院

追手門学院


鳴門渦潮

鳴門渦潮



花巻東 17-0 ORYGINA

花巻東①片山彩子タックル

花巻東①片山彩子タックル


ORYGINA

ORYGINA



■13位以下戦準決勝
北海道選抜 24-12 SCIX
鳴門渦潮 36-5 ORYGINA
■9位以下戦準決勝
桐蔭学園 36-0 CHEERS
追手門学院 43-0 花巻東




5位以下準決勝 佐賀工 29-0 アルカスユース




5位以下準決勝 麗澤 28-7 石見智翠館

麗澤⑦中野亜胡

麗澤⑦中野亜胡


石見⑥野口明彩陽トライ

石見⑥野口明彩陽トライ


15位決定戦 ORYGINA 35-12 SCIX

ORYGINAは③齋藤千央が開始3分の先制トライをはじめ3トライを荒稼ぎ。正確なキックを決めた⑨細川優那も相手キックをチャージしてトライを決めた。SCIXも後半に反撃、⑦夏亜八華と⑩福井苺心がトライを返し、大会を通じての成長を証明した。

SCIXタックル

SCIXタックル


ORYGINA③齋藤千央トライ

ORYGINA③齋藤千央トライ


ORYGINA⑨細川優那トライ

ORYGINA⑨細川優那トライ


13位決定戦 鳴門渦潮 27-10 北海道選抜

前半、鳴門が⑦辻川綾音と⑤千葉友貴奈のトライで先行すると北海道は⑨松下優花がトライを返し前半は10-5。後半も鳴門は⑥小櫻祈代、⑨堀場瑞稀、千葉の2トライ目とトライを重ねるが、北海道もラストプレーで⑨松下が自陣から60m独走トライを返し意地を見せた。

鳴門

鳴門



北海道選抜

北海道選抜


北海道⑨松下優花

北海道⑨松下優花


11位決定戦 花巻東 26-0 CHEERS

花巻東は前半、①片山彩子のトライで先制。②阿部柚希がトライを重ね、⑦高橋胡春のコンバージョンで12-0と前半をリード。後半も高橋胡春のトライ&コンバージョンでリードを広げ、終了直前にも②阿部柚希がトライを加え、完勝した。

CHEERS

CHEERS


花巻東⑦高橋胡春

花巻東⑦高橋胡春


コンソレーション決勝(9位決定戦)追手門学院 19-12 桐蔭学園

追手門⑫木本凛音

追手門⑫木本凛音


前半、追手門は自陣ゴール前のピンチを耐え、PKを得るとクイックスタート。⑫木本凜音が快足を飛ばし、独走で先制トライを奪う。桐蔭学園も5分に⑦山名タピアワサがトライを返すが、追手門は8分、桐蔭ゴール前で執拗にラックサイドを突き、②大隅優月がトライ。12-5と勝ち越して折り返すが、後半が始まるとすぐに桐蔭学園⑥前田成実がトライを返し12-12の同点に追いつく。

追手門②大角優月トライ

追手門②大角優月トライ



ここからは互いのディフェンスがアタックを上回り、延長戦突入の気配も漂ったが、終了直前の7分、追手門はハーフウェー付近のスクラムから左へ。⑫木本が内→外への鋭いステップでディフェンスを振り切りポスト下にトライ。③椎村心媛のコンバージョンも決まり、19-12とリードすると、キックオフを短いゴロで蹴ってキープし、蹴り出して勝利。コンソレーション優勝を飾った。

桐蔭⑦山名タピワアサ

桐蔭⑦山名タピワアサ



7位決定戦 石見智翠館 26-5 アルカスユース

石見智翠館は前半、⑨湯浅月葉の2トライで12-0とリード。後半も湯浅の3トライ目、⑧萩原凛のトライで26-0とリードを広げた。地元の意地を見せたいアルカスは7分、⑥加藤璃子がハンドオフで相手DFを外して独走トライ。さらにタイムアップのホーンがなった後も攻め続けた。トライには至らなかったが、守り続け、ボールを奪っても攻めた石見智翠館ともどもさわやかな戦いだった。

石見智翠館

石見智翠館


石見智翠館⑨湯浅月葉トライ

石見智翠館⑨湯浅月葉トライ


5位決定戦 佐賀工 29-0 麗澤

佐賀工は前半、⑥松川美麗と①豊島愛実のトライで前半を12-0とリード。後半は⑦伊礼門千珠が相手パスをカットすると反転してカウンターアタックに転じて自らトライ。さらにエース⑤谷山三菜子がキックを交えて走り切るなど2トライ。昨季準優勝の佐賀工が5位を勝ち取った。

佐賀工⑥松川美麗トライ

佐賀工⑥松川美麗トライ


麗澤⑤山口桃佳

麗澤⑤山口桃佳


3位決定戦 四日市メリノール 12-5 福岡

福岡⑥大内田葉月

福岡⑥大内田葉月


試合は前半3分、福岡①妹川真奈が先制トライ。しかし四日市メリノールは5分、④渡辺りんごがトライを返し、②野澤友那がコンバージョンを決め7-5と逆転して折り返す。
四日市メリノールはさらに後半2分、⑥鈴木柚來がトライを加え、12-5とリード。
福岡もそこから四日市ゴール前に攻め込み、PKを得ては攻め続けるが、攻めきれず。最後はPKからラインアウトでトライを狙ったが痛恨のノットストレートで万事休した。四日市メリノールは昨季まではPEARLSユースとして出場していたが、今季は高校単独チームとして出場。PEARLS時代の最高成績(昨季の4位)を上回る成績を残した。

四日市メリノール⑥鈴木柚來トライ

四日市メリノール⑥鈴木柚來トライ


大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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