川合レオ。かつてNECの緑のジャージーを身に纏いジョン・カーワン(元ニュージーランド代表WTB&前日本代表ヘッドコーチ)とCTBコンビを組んだ名選手だ。淡麗な顔つきとスラッとした容姿ながら激しいプレーでラグビーファンを魅了した。
2003年に現役引退後は、母校・玉川大ラグビー部でヘッドコーチを務めた後、現在はラグビーの普及と育成のため、神奈川県を中心に「NPO法人ラグビーパークジャパン」を運営し、土日のスクール以外にも「ラグビーをやりたい!」という子どもたちに指導している。と同時にラグビー協会の「リソースコーチ」として若手育成プロジェクトである「ジュニア・ジャパン」のコーチを務めるなど育成世代を指導するスペシャリストの一人として活躍中だ。
そんな川合氏がスクール運営に続き手がけたのが「トライバル」というサイトにおける、子どもたち向けのラグビー用品の販売である。「“R80”というブランドはニュージーランドなどでは知られていて、色もカラフルでわかりやすいし、もともとスクールで使おうと思って輸入したのが始まりなんですよ」
中でも特に力を入れているのが「2.5号球」の普及と販売だ。日本は楕円球を初めて持つ場合は現在のルールでは3号球であることをご存じであろうか。「幼児や、小学校1年生、2年生も3号球なんです。日本の子どもたちは体が大きくないので、そういった年齢で3号球はちょっと大きい。適正サイズではないと思ったんです」と川合氏。
ラグビー先進国ではすでに使用球が年齢毎に分かれている
川合氏は玉川大で教員を務めていたときに、ラグビー先進国であるオーストラリアやニュージーランド(NZ)の実情を調べた。するとオーストラリアは7歳まで2号球、NZは7歳まで2.5号球を使用しているということを知った。そして「ラグビーパークジャパン」で3年前から、幼児や、小学校1・2年生の子どもたちを指導するときに「2号はちょっと小さすぎるし、3号は大きい、2.5号がちょうど良いと思った」という。
幼児や小学1・2年生の子どもたちが3号球をいきなり使用すると、写真のように大人が“どでかボール”を扱うような感覚になるという。ボールをキャッチするときに怖がったり、胸で取ろうとしたりてしまうというわけだ。またパスをするときも腕と手だけで投げるクイックハンズではなく、大きく振りかぶって投げてしまう場合もある。
「もちろん3号球でも指導者の方が工夫されているスクールもあるかと思いますが、ボールが大きいと変なクセも付きやすいと思います。また2号だと逆に小さすぎてスキルが必要になってしまうと思うので、幼児や小学1.2年生の子どもたちは2.5号球でプレーした方がよりハンズアップしてのキャッチや、パスなどのテクニックを覚えやすい。体に染みつきやすい時期なので子どもたちに変なストレスを与えたくないんです」(川合氏)
ただ現在の日本のルールでは、小学校1、2年生も試合では3号球を使わないといけない。「小学校1〜2年生向けに2.5号球を使ってくださっているスクールさんもありますが、ルールの問題もあって、現時点では普及が難しい面もあると思います。ただ幼児はローカルルール(地域)で行われている場合が多いので、まず小学生以下に2.5号球がじわじわ広まれば一番いいのでは」と川合氏は感じている。
最後に川合氏は訴える。「将来大きくなってラグビーをやらせたいという思いのあるお父さんやお母さんが、子どもたちと2.5号球を使って遊んでほしいんですね。2.5号球が将来のラグビー選手になる子どもたちの“ファーストボール”になってほしい。だから今後もリーズナブルに販売していきたいと思っています」。子どもたちに日々接している川合氏だからこその言葉である。
エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が率いる日本代表も標榜するのは「世界一パスの多いチーム」だ。世界の強豪とフィジカル的にどうしても後手を踏んでしまう日本代表は、今後もパスラグビーを追求していくことには変わりはない。近い将来、2.5号球でラグビーを始めたスキルフルな選手たちが桜のジャージーに袖を通す日もそう遠くないのではなかろうか。
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