12月16日(月)~23日(月)、ラグビーU19日本代表26名は現在、台湾遠征を行っており、18日(水)、22日(日)に開催される「アジアラグビーU19チャンピオンシップ」に出場する(※出場資格が拡大され、2005年1月1日~2005年12月31日までの間に生まれた選手も出場可能)。
12月18日にチャイニーズ・タイペイ代表と対戦し、勝利すればホンコン・チャイナ代表と韓国代表の勝者と激突する。優勝チームには来年の「U20トロフィー」の出場権が与えられる大事な大会である。そこでU20日本代表を率いる大久保直弥HC(ヘッドコーチ)はリーグワン所属の選手や、花園や大学選手権に出場できなかったチームの選手を中心に招集した。
合宿中に聞いた大久保HC、そして高校生ながらU19日本代表に選出された6名選手のコメントを紹介する。
大久保直弥HC
(花園直前だったり、大学選手権開催中だったので)選手を選ぶのが大変でした。大学選手権期間中に選手を出してくれたチームもあるので感謝しています。高校生も参加してもらっているし、(昨年から)単年の世代よりもその前後がグループで成長していくことに手応えを感じています。
(今回の大会はU20トロフィーにつながる大会なので)勝たないといけないが、日本人のチームがどう勝つかもベースとして指導していきたい。良い選手の姿勢が見えています。
(高校生を呼んだのは)高校日本代表のコーチ陣のサポートもあり、国スポも見に行った。花園には残念ながら行けなかったが、高校代表としても気にかけている選手を共有できています。
(U19で活躍すれば高校代表U20に入っていく?)もちろん。その形が、今まで足りなかった。花園に出ていないから高校代表に選ばれないこともないし、大学選手権に出てないからU20に入らないこともない。ちゃんとチャンスがしかるべき選手に行くようにしたい。今の形を続けていけば、才能を見落とすことはないと思います。
(長崎南山3年のPR本山選手がリーグワンにチャレンジしますね)どんどん上のカテゴリーでやっていくべきでしょうね。今のところコンタクトエリアで高校生の縛りがあるが、無限の可能性を秘めている。(スクラムは)ルールが違いますから、これから上の舞台で揉まれていけば(2年くらいで日本代表も)あるんじゃないですか。
(早稲田大2年のFB矢崎)由高だって、去年の3月くらいはここ(U20)にいましたが、(その)3ヶ月後はジャパンにいました。BKは、SO小林(慶應義塾3年)は今のアタックに合う選手だと思うので、新たな引き出しを増やしてくれればいいと思います。
誰が見ても良い選手は普通に(高校生でもU19代表に)入って来る。こうやって集まってくると、大学と違う学びがあると思う。そのきっかけでガラッと変わるのがこの世代の特徴でもある。
人が変わるたびにシステムが変わるのではなくて、協会のシステムとしてこれを継続してやっていけば、トップも何年後かに変化があると思います。今年はFWの選手を(日本代表に)送り込めるように頑張ります。
LO加賀谷太惟(東海大相模3年)
花園に行きたいという気持ちでやっていて、(神奈川予選決勝で負けて)完全燃焼できない感じでやりたりない気持ちだったが、この話が来て、チャンスしかないという気持ちになりました。高校代表にも選ばれたい。この話が来たとき、正直、なんで自分なんだろうと思いましたが、絶対にU19でアピールしてU20に入りたいので、やってやろうという気持ちで来ました。
CTB安西良太郎(慶應義塾3年)
高校代表候補にも今回(追加で)入りました。こういうチャンスは嬉しいし、ものにしたいと思いました。強みはBKではコンタクトがウリなので、そこを前面に出してスキルも伸ばしていきたい。このチャンスを活かしていきたい。
SO小林祐貴(慶應義塾3年)
この大会自体は夏が終わったくらいに知っていたので 花園に行けなかったら(U19)入りたいと思っていたので、入れて良かったです。初日に(高校日本代表やU20日本代表につながっている)チャンスだ、高校生とか言い訳しないでガツガツアピールしろと大久保HCに言われたので、そういう気持ちでやっています。大学生の選手たちは上手いのでいい経験や刺激になっています。
CTB山口滉太郎(早稲田実業3年)
選ばれてビックリしました! 大学生や社会人でやっている方々もいて、ハイレベルな環境でラグビーができるので嬉しい気持ちと、自分がこのレベルまで上がってきたと実感しました。(福岡出身で)小学校の時、草ヶ江ヤングラガーズでここのグラウンドで、毎週練習していたので、こういう形で戻ってきてラグビーできて嬉しい。きつい思い出ばかりですが感慨深いです!
FL染谷昌宏(成城学園3年)
(東京都の花園予選の)決勝戦が終わった後、1週間後に(U19の話を)言われてビックリしました! まだ高校生としてラグビーができるので嬉しいです! バックローとして良いアピールをして高校日本代表にも選ばれたい。
PR本山佳龍(長崎南山3年)
花園に出られず悔しかったですが、チャンスをいただいたので、それを掴むためにここ(U19)に来ました。毎日、課題だらけですが、ひたむきにそれを一歩一歩クリアして成長していきたい。大学生といっしょに練習ができて、自分がどういう立場にいるかわかって、自分にとってよい経験ができて嬉しい。(U19の後に)高校日本代表もU20も呼ばれたいです。
(大学に進学せず、リーグワンに進むと聞きましたが)自分が強くなれるところと考えたら、大学進学の選択肢もあったが、一番はリーグワンで、プロの教えを経験して自分に吸収した方が強くなれるし、課題のスクラムも強くなれると考えてリーグワンにしました。
(大学進学も)多少は悩みましたが、そこで考えていたらプロでは通用しないと思った。世界のトップに行きたいと思ったので、一番自分が強くなれるところを選びました。
(高校卒業後にリーグワンに進んで、すぐに日本代表になったブレイブルーパスのLOワーナー・ディアンズ選手の活躍は刺激になった?)そういうのはなかったです。チャレンジという部分もあったし、自分が強くなれるところ加味して選択しました。
斉藤健仁 スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当する。リーグワン、日本代表を中心に取材。 プロフィールページへ |