サンウルブズ、ホームでの初勝利ならず「世界一のサポーターのため、残り2試合を戦う」 | ラグビージャパン365

サンウルブズ、ホームでの初勝利ならず「世界一のサポーターのため、残り2試合を戦う」

2019/06/01

文●編集部


ヒトコムサンウルブズは1日、秩父宮ラグビー場で国内最終戦となるブランビーズとの試合に挑んだ。ここまで2勝のサンウルブズ。代表強化とチームスコッドの入れ替わりの多さでここ数試合は厳しい試合が続いている。この試合でも、ケガから復帰した代表候補選手のFL徳永祥尭とCTBラファエレ ティモシーがメンバー入り。出場停止だったトライゲッターのFBセミシ・マシレワも出場した。

キレキレのマシレワ、クリンドナリ

ホームには16,741人の大観衆が訪れ、サンウルブズの初勝利に期待を膨らませた。いきなりスコアが動く。1分、FBセミシ・マシレワのハイパントがWTBホセア・サウマキに入り。サウマキがそのままインゴールへ。サンウルブズが先制のトライを決める。

サウマキのトライでサンウルブズが先制!

サウマキのトライでサンウルブズが先制!

7分、ブランビースはラインアウトモールでプレッシャーをかけるも、この場面はサンウルブズがなんとかしのぎ切るものの、直後のラインアウトでオーストラリア代表CTBクインドラニにゲインを許し最後はNO8ピート・サミュがトライ。SOリアリーファノのコンバージョンも決まり7-7の同点。

スクラムで劣勢のサンウルブズ。

スクラムで劣勢のサンウルブズ。

この試合サンウルブズはペナルティーとセットプレー、特にスクラムで劣勢の展開。12分、自陣のオフサイドから攻め込まれる。この場面ではNO8ベン・ガンターがボールに絡みなんとか凌ぐ。直後の18分、ノックオンで相手ボールスクラム。ここはプレッシャーを受け再び自陣での展開。ブランビーズはこのチャンスをしっかりとものにしCTB12シモーネがトライを決め14-7。さらに29分、SOリアリーファノのキックパスをWTBスペイト、クリンドラニとつながり、最後はワラビーズFBトム・バンクスがトライ。21-7とリードを広げた。

マシレワがディフェンスを物ともせずトライ

マシレワがディフェンスを物ともせずトライ

36分、サンウルブズはFBマシレワが敵陣22m手前から切れ味鋭いステップと独特のリズムでブランビーズDFを揺さぶりそのまま右隅にトライを決め12-21として前半を終える。

ケガから復帰した徳永。低いタックルでアタックを止める

ケガから復帰した徳永。低いタックルでアタックを止める

後半はブランビーズのキックオフでスタート。サンウルブズがボールを継続、さらにキックチェイスでプレッシャーをかけ敵陣22m手前でマイボールラインアウトのチャンスを迎えるが、密集でプレッシャーを受けモールパイルアップでチャンスを活かすことができない。

この攻撃を凌いだブランビーズはPKで敵陣10m付近でのラインアウト。フェイズを重ね、ブレイクダウンの局面ではサンウルブズに対しプレッシャーをかけペナルティーを獲得する。48分、ブランビーズはゴール前ラインアウトからのドライビングモールでトライ。28-12とリードをさらに広げた。

前半に続き後半もランが光ったマシレワ

前半に続き後半もランが光ったマシレワ

サンウルブズも直後の52分、相手のハイパントからのリターンでFBマシレワが相手ディフェンスを3人抜き、ビックゲイン。サポートに入ったSHジェイミー・ブースへのラストパスがつながりトライ。19-28となんとか食らいつく。

久々に出場したラファエレ。ボールキャリーするも、クリーンアウトできずボールに絡まれる場面も。

久々に出場したラファエレ。ボールキャリーするも、クリーンアウトできずボールに絡まれる場面も。

サンウルブズは、ケガのため代表、そして今シーズンサンウルブズとしては初出場となるCTBラファエレ ティモシーを投入。スタジアム全体が追い上げ機運を後押しする雰囲気になる。しかしブランビーズはこの勝負どころで一つギアをあげる。SOパーカーのキックがインゴールになり、ブランビーズのフリーキックから再開。サンウルブズはCTBジェイソン・エメリーがグラバーキックで相手のスペースをつくも、ここからブランビーズが12フェイズかけサンウルブズ陣内に攻め込む。差し込まれたサンウルブズはノットリリースのペナルティー。

後半、流れを引き戻すチャンスを迎えるサンウルブズ。ゴール前モールで押し込むも押しきれず。

後半、流れを引き戻すチャンスを迎えるサンウルブズ。ゴール前モールで押し込むも押しきれず。

ブランビーズは強みであるラインアウトからのドライビングモールからHOマキナニーがさきほどに続きトライ。35-19と大きくリードを広げた。62分、サンウルブズは相手ペナルティーから敵陣22m内側でもラインアウトのチャンス。ボールをキープしフェイズを重ねる。ブランビーズのオフサイドでゴール前でのラインアウト。ここはなんとかスコアにつなげたい場面だったが、ドライビングモールを押し切ることができずノックオン。直後のスクラムでサンウルブズがペナルティーをとられ万事休す。流れを引き戻すことができなかった。

すると71分、サンウルブズはブランビーズのピックアンドゴーに対し受けてしまいゲインを許すと、ディフェンスが戻りきれずオフサイド。ブランビーズは三度(みたび)モールを選択しトライを決め勝利をものにした。42-19でブランビーズが勝利、ブランビーズは勝ち点5を追加し、総勝ち点39とした。一方、サンウルブズは今シーズンホームでの初勝利を果たすことができなかった。





「今日の雰囲気は素晴らしかった。ワールドカップをこの日本で開催されるのでもっと盛り上がると思う」SOクリスチャン・リアリーファノキャプテン

ブランビーズ、ダン・マッケラーヘッドコーチ(左)とクリスチャン・リアリーファノキャプテン(右)

ブランビーズ、ダン・マッケラーヘッドコーチ(左)とクリスチャン・リアリーファノキャプテン(右)

試合後、勝利したブランビーズ、ダン・マッケラーヘッドコーチは「前半はサンウルブズのプレッシャーを受け、ディシプリンの部分で時間を費やした。ただBKが少ないチャンスを生かしてくれた。後半は方向性が明確になりチャンスの場面ではモールでいき、バランスのいい戦い方ができた」と試合を振り返った。

また、クリスチャン・リアリーファノキャプテンは「試合をしながら調整することが出来た。前半はボールを動かすことに注力しそれをBKが実行できた。後半はよりゲームをコントロールできている感覚があった。FWが(自分たちの強みである)モールで(トライをとるよう)変えて行った。」と話した。ワールドカップについて質問があがると「今はブランビーズに100%集中している。

チームが目指していることに楽しめているので、残りの2試合にフォーカスしたい。ワールドカップがこの日本で開催されることはもちろん知っていますし、今日のこの雰囲気を感じると、日本のファンは本当に素晴らしい。ワールドカップが開催されるともっと盛り上がると思うし日本に来た選手たちはエンジョイできるとおもうよ」と答えた。

多くタレントのいる中で、精神的にも、プレーの面でも彼のような選手が存在するワラビーズの層の厚さを感じずにはいられない。

「コンビネーションの部分では難しいのは確か。でも、最高のファンのために残り2試合を戦う」スコット・ハンセンHC代行

スコット・ハンセンHC代行(左)とヘイデン・パーカーゲームキャプテン(右)

スコット・ハンセンHC代行(左)とヘイデン・パーカーゲームキャプテン(右)

今シーズンホームでの初勝利を成し遂げることができなかったサンウルブズ。代表強化とスーパーラグビーでの勝利。両輪を成し遂げるのは容易ではない。試合後の記者会見で、スコット・ハンセンヘッドコーチにはスコッドが毎試合入れ替わることに対する難しさについて質問が続いた。

――ブランビーズが今シーズンのスコッドが40名くらいに対してサンウルブズは60名くらい。不運なケガもあって選手が入れ替わることが多かった。チームをまとめることは難しかったのでは?


ハンセンHC代行: それだけですか?(苦笑) サンウルブズはすごく”ユニーク(特異)”なチームです。環境も、(どんな状況でも)エクスキューズ(言い訳)しないというところも。スコッドの入れ替えが激しい中ではありますが、ジャージを着たらお互いのため、ファンのために選手たちは戦ってくれました。

確かにコンビネーションの部分では難しい部分はありました。選手から「今週は自分はどのポジションですか」と質問がありました。他のチームではありえないでしょうね。そういう意味でも本当に”ユニーク”なチームなんです。


コンビネーションの中でお互いのプレーを理解するのは難しい。毎週毎週そこは練習の段階で意識して組み立てています。(来週以降は)南アフリカ、アルゼンチンと遠征はすごく楽しみです。次の週も引き続きその部分は準備したいし、今日の試合ではスペースにボールを運ぶことができていたのでそこはフォーカスしていきたい。

また、ゲームキャプテンを努めたSOヘイデン・パーカーは「正直スコッドが多いことで難しさはある。ただ、みんなで一緒にホテルで過ごして、団結できている。そこは他のチームとは違っていい部分。シーズン最初はいいパフォーマンスができていました。(けが人や人の入れ替わりで)難しい状況ではあります。ただ、その中でも勝利のためにプレーする選手たちを誇りに思います。14試合やって2勝しかしていない(チームにもかかわらず)今日も満員のファンが来てくれます。自分たち選手たちにとってはすごくクールな環境です。」と話した。


最後にハンセンHC代行がこう締めくくった。「この記者会見終わる前に、一言。まずはありがとう。大変なシーズンでした。メディアな人がすごく親切に接してくれて。サンウルブズのサポーターがスーパーラグビーの中で一番のサポーターだと信じています。その人たちのためにもしっかり(残り2試合)やりたい。」

「代表に向けてのアピールは出来た。3ヶ月走り続けたい」FL徳永祥尭

ケガから復帰した徳永祥尭は「ボール継続して攻めているときは、自分たちのアタックができていて、サンウルブズらしい攻撃ができた。ミスが増えたときは、ペナルティでモール組まれてトライされることが多かったのが反省点です。復帰したがまだまだ足りないところが多い。それでもいろんな選手のサポートがあって2週間でフィットできた。(日本)代表は呼んでもらえたら頑張るだけ。そこに向けてのアピールはできたと思う。後悔しないように3ヶ月走り続けたい。」とコメントを残した。

「やれることをしっかりやるだけ」SO山沢拓也

ボールタッチの時間は少なかった山沢。

ボールタッチの時間は少なかった山沢。

「自分たちのしたいラグビーが前後半通してやりきれなかった。自分の出た時間帯はみんな疲れ切っている状態だったので、いっぱい脚を使って相手にプレッシャーあたえようと思って入った。

そういった面ではトライにはつなげられなかったが相手にプレッシャーをかけることができたとおもう。代表については、自分としてはやれる事をこちらでしっかりやって、それが結果につながればいい。やれる事をしっかりやるだけ。ただ、こういう試合経験ができるのはいい事なので、たくさん試合を積んでいい状態で臨みたい。」


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