日本ラグビーが19歳の藤田慶和、20歳の福岡堅樹の躍動に目を奪われていたこの春、時計も季節も日本とは正反対の場所で、もうひとり忘れてはいけない才能がスパークしていた。
桐蔭学園を卒業後、南アのシャークスアカデミーに留学していた松島幸太朗が、シャークスXVの一員としてスーパーラグビーの登竜門・ボダコムカップに初出場、その試合で先制トライまで決めて見せたのだ。
翌週のプレーオフでは、スーパーラグビー経験者がズラリ並んだライオンズに敗れ、タイトル獲得はならなかったが、大目標である南アでのスーパーラグビー入りへ前進したのは確かだろう。
日本にはなかなか情報が届かないが、多くのファンがその動向を気に懸けているのは間違いないだろう。5月、ボダコムカップを終え、U21カリーカップを前に短期帰国した松島に、大友信彦がインタビュー。貴重な松島幸太朗の肉声を、余すところなくお届けする。
スーパーラグビーの選手は、良くないと思ったことはすぐに指摘してくれる
――お帰りなさい。改めて、ボダコムカップでの先発出場とトライデビューおめでとうございます。
松島幸太朗(以下、松島)「ありがとうございます」
――昨年10月、U19のシーズンを終えてから、ボダコムデビューまでのことを教えて下さい。
松島 U19が終わって一度日本に戻ってきて、11月に南アに帰って、ボダコムカップに向けた練習に参加しました。このときは35人くらい。スーパーラグビーのメンバーを抜いています。そのあと、年末年始の休暇があったので一度日本に戻って、1月6日から、3月のボダコムカップ開幕に向けた練習に入りました。
――このときの人数は?
松島 前の時よりも絞られていました。29人くらいですね。このときからは、練習もスーパーラグビーのシャークスと同じ時間、同じ場所でやることが多くなって、たまにアタック/ディフェンスを一緒にやったりしました。
――去年はU19で同世代の選手と一緒のことが多かったですが、今回は?
松島「ボダコムカップには年齢制限がないので、年齢はバラバラです。24〜25歳くらいの選手が多いけれど、中には30歳を過ぎている選手もいます。全体的には半分ちょっとがジュニア契約の選手ですね。