最初の1戦でキックを多用したジェイミージャパンはワールドカップ本番まで、どんなストーリーを描いているのか。 | ラグビージャパン365

最初の1戦でキックを多用したジェイミージャパンはワールドカップ本番まで、どんなストーリーを描いているのか。

2022/10/05

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


翔太です。
来年のW杯に向けた日本代表の強化シリーズがいよいよ始まりました。

日本チームの名は「ジャパンXV」ですが、選手もスタッフもすべて日本代表で、相手のオーストラリアAもワラビーズ経験者がたくさんいる編成です。かなりレベルの高い、強化試合としては申し分のない相手でしょう。

僕がこの試合で注目したのは、来年のW杯に向けて、ジェイミー・ジャパンがどんなストーリーを描いて試合に臨むのか、ということでした。W杯まで1年、どんな戦術を使いながら強化していくのか。試合ごとに変えるのか変えないのかも含め、どんな布石を打っていくかという点です。

実際の試合を見て思ったのは「キックを多用したな」ということです。

そのクオリティも高かった。コンテストキックあり、キックダミーを入れて蹴ったり、外へ動かしてから蹴ったり。相手FBを背走させたりヨコに走らせたりするキックもあり、相手DFラインの背後を狙うチップキックやグラバーキックあり。キックの蹴り合いになっても落としどころ、捕らせる相手をうまく使い分ける多彩なキックで相手DFを幻惑していたと思います。

試合中は、スタンドを埋めたお客さん(2万人近い大観衆が入りました!)から「おおっ」とか「ああっ」とかいったどよめきが(控えめに)聞こえました。そういう声が上がるのは観客の予想を超えたプレーがあったときだと思うし、それは高い確率で、相手チームの予想も超えていたと思う。オーストラリアAは、かなり対応に苦しんでいたと思います。

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