欧州遠征2014・現地発レポート「ルーマニア戦で見せたジャパンの強さとは」 | ラグビージャパン365

欧州遠征2014・現地発レポート「ルーマニア戦で見せたジャパンの強さとは」

2014/11/17

文●斉藤健仁


エディ・ジャパンことラグビー日本代表は、欧州遠征第1戦となるルーマニア戦を終えた。試合は18−13で日本が勝利し、テストマッチの連勝記録を11に伸ばした。ルーマニア戦は先発選手には、FWはマオリオールブラックス(以下、マオリ)第1戦で負傷したPR三上正貴、LO伊藤鐘史が復帰を果たした。BKに関しては、マオリとの第2戦が良かったということで、そのままというメンバー。スコアは6本のPGをすべてFB五郎丸が決めて18点だった。

総キャップ数712のルーマニア、ベテランぞろいの先発メンバー

2年前、初めて敵地で欧州勢に対戦し勝利したのがルーマニア代表。今回のルーマニア代表はワールドカップ前年ということで、先週アメリカにこそ負けましたが、先発メンバーの総キャップ数が712とベテランがほとんど。3番はペルピニャン(フランス)でプレーをするイオン・パウリカで試合前は66キャップ、FLのオビディウ・トニツァも69キャップ。日本代表のエディ・ジョーンズHCも言っていたようにFWは大きい選手が多かった。

そして9番、10番も国内の選手ですがそれぞれ63キャップ、74キャップ、そして15番はサラセンズ(イングランド)でもプレーをするカタリン・フェルクで73キャップ。

しかも日本代表は敵地へ移動し、あまり日本では経験のない重たいグラウンドということでタフな状況での戦いとなった。その中で前半早々はアタック&シェイプでしっかりと攻め続けるが、キックオフからのミスなどで相手に攻め込まれてしまう。前半、相手のLOマリウス・シルベにシンビンが出された中でも押し込まれて、結局27分、シルベが戻った後に、スクラムでペナルティトライを奪われてしまった。

 

我慢しながらのアタック・時にはキックを交えてアタック&シェイプで前進

それでも日本はボールをキープして我慢して攻め続けた。SO小野晃征も言っていたが、ランだけでなく時にはキックを交えてゲームをコントロールしていた。前半の後半になると徐々にラインブレイクする場面が増えてきたが、相手のオフサイド気味のディフェンスに手こずって守りきられてしまう。

そういう中でも我慢して、PGを獲得し、FB五郎丸がしっかりと決めたということは、日本の攻撃が意図的に行われていたという証。やはり、マオリ第2戦で見られた、アタック・シェイプをやりながらも逆目に第3列の選手を残す形はこの試合でも見られた。

難しいところだが、後半途中あたりまでアタック&シェイプを順目順目に繰り返し相手のディフェンスを疲れさせるということも選択肢の一つとしてあったのかもしれない。ただ、相手にペナルティトライを与えて、リードを許した後に逆サイドにFLを残す形に変更。また相手のディフェンスライン裏へのキックが目立ちましたが、相手WTBが前に上がってスペースがあったのでそこを狙っていたのだろう。日本代表が柔軟に戦いながらペースをつかむことはできていた。

 

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