21日、三菱重工相模原ダイナボアーズは、ホーム開幕戦で横浜キヤノンイーグルスを迎え、17-10と接戦を制し今季初勝利を飾った。18日、オールブラックス18キャップを誇る・SHブラッド・ウェバーの加入を発表。チームにどんなシナジーをもたらすか期待が膨らむ。そんな中、昨シーズンまでキャプテンを務めたSH岩村昂太がこの試合で2トライをあげる活躍を見せた。今シーズン新加入のSO三宅駿は、高校からNZにわたり、カンタベリー代表として州対抗にも出場。NZ永住権を取得することを最優先に柔軟なサポートが得られるということでダイナボアーズへの加入を決めた。開幕節から2戦連続で先発。今節でも自陣から果敢にしかけビッグゲインしチームを前に進めた。試合後の会見でグレン・ディレーニHCは「チームに慣れてきて、リーグワンにも慣れてきた。NPC終わってから合流したので、ルカニョ・アム選手とのコンビネーションも良くなってきている。毎日良くなっている」と評価した。岩村・三宅両選手に試合後話を聞いた。
三菱重工相模原ダイナボアーズ SH岩村昂太
――2トライについて
アタックとしては完璧ではなかったと思うんですけど、入れ違いのシーンでちょっとラッキーな部分もあったかなと。ジャックス(ジャクソン・ヘモポ)の内側をサポートしていて、ジャックスは上からとかいろんな角度からオフロードしてくるのは分かっていたんで、しっかりサポートできるように準備していました。
序盤は風上ということもあってエリアを取りながらスコアにつなげられたのでいい入りができました。ただ、前半の中盤から後半にかけて、敵陣にずっといたんですけどなかなかスコアまでもっていけなかったところは、しっかりレビューして改善しなければいけない。

岩村昂太が先制トライ
もっと激しい試合になるとああいったところでスコアするかしないかで勝敗がわかれてくると思うので、そういったところは改善しなければいけない。
――後半の粘りのディフェンスについて
本当にあれが「ダイナボアーズのDNA」かなとおもっていて、全員がしっかりハードワークして走って、どんな時でも相手を止め続けるそういったところを見せることができたのはすごく良かったかなと思います。
――先日ブラッド・ウェバー選手の入団が発表されました。
一緒にダイナボアーズを強くしたいというか、多分ウェバー選手はすごく経験のある選手で、その経験をダイナボアーズに還元してもらいたいと思いますし、僕もSHとして学べるところは学んで、盗めるところは盗んで、僕も成長できるように一緒に頑張りたいですね。
――三宅駿選手について
若いですけど、ニュージーランドでいろんな経験をしてきたんだなというのも伝わってきますし、外国人選手じゃなくて日本人選手の10番ということで、僕自身もコミュニケーションが取りやすくて、練習の時からどういったアタックをしていきたいとか、そういった詳細を詰めることができているのですごくやりやすい。まあ、「凄く肝の座った10番」なのかなと思います。タッチキック蹴る時とかも恐れず攻めたりしていますし、アタック時の判断もすごく早く明確に声をだしてくれるのでそういうところは10番らしいなあと思います。

岩村昂太がPOM
――キャプテンでないことで変わったことは?
特に変わりはないんですが、変わるといえば、コイントスあるかとか、試合後の記者会見があるかないか、そういったところしか正直変わらないなと思っています。練習中のコミュニケーションであったり、自分が喋れるところはしっかり喋って、(吉田)杏のサポートをしたりとかしています。特に気持ちは変えることなくやっています。
――キャプテンとしての初勝利、(吉田)杏選手の心境を推し量ると?
キャプテンになって勝つか負けるか多分敏感になっていると思うので、勝ちをみんなでプレゼントできたというか、収めることができたというのはよかったなと思いますし、杏もほっとしているんじゃないかなと思います。
(杏選手がトライ後にどんな声がけを?)「ナイス3度目の正直!」って(笑)。前半2本トライできなかったんで。

吉田杏
(吉田杏選手はどんなキャプテン?)もう本当にグラウンドで体張り続けるというか、先陣きって体をはる。そういったのを背中で見せるキャプテンだと思います。厳しいことを言って引っ張るというよりは、自分が厳しいことをやって周りを反応させるじゃないですけど、背中で見せるキャプテンなのかなと思います。
――きれいなダイビングトライでした
僕あんまりトライしたことないんで。映像とかいろんな人のトライ映像は見たりしているんで、なんか体が勝手に動きました(笑)。
――2試合終わって今シーズンのリーグワンのレベルについてどう感じているか?
昨日の試合も2試合、最後は点差開きましたけど、本当に接戦で最後の10分までよくわからない、どうなるかわからないような試合が続いていました。今日の他の試合はまだ見れていないですけど、本当にリーグ全体のレベルが上がってきているなと感じますし、いつどう流れが変わってもおかしくないような状況だと思うので、本当に1戦1戦が大事になるリーグになってきてるんじゃないかなと思います。
三菱重工相模原ダイナボアーズ SO三宅駿

三宅駿
――今日の試合を振り返って
結構スタートは良く切れて、早くトライをいい形で取れたんですが、そこから敵陣に入った時に攻めきれず、ボールが浮いている状態、トライラインを超えて浮く状態が多分2回ぐらいあったのと、得点につながらないというが何回かあったんで。そこを取れたら後半風下でも精神的にちょっと余裕ができたのかなと思います。でも、最後FWがめっちゃ頑張ってくれて、人数少ない中で、ボールラインでキャリー頑張ってくれたんで、いい形で終われて良かったと思います。

三宅駿が自陣深くから抜ける
――自陣から積極的に仕掛けていました
まだ合流して4週間ぐらいなんですけど、自分のスタイルとしてはやっぱりランが得意だと思っているんで先週はちょっと消極的になっていたんで、今日も相手のFWに1回思いっきり入られたんですけど、ああいうところでランのスペースができた時には走りたいなと思っていました。ちょっとずつチームに慣れて、自然にコールとかも出るようになってきたんで、余裕が出てきたら自分がやりたいことができるのかなと思います。
――ピッチでも大きな声が出ていました
10番やっている以上、声がでかくないと。でかいと他の選手にも自信を与えられると思うので、そういうのを明確にはっきりいうように心がけています。

石田吉平をショートパントで抜き去ると

自らそのボールをキャッチし更に前進
――初めての相模原だと思いますけど雰囲気は?
ほんと熱狂的なファンがいっぱいいて、凄く嬉しいし楽しいですね。グラウンドから見ても真緑なんで、やっぱりそういうのはすごいなと思います。
――まだ2試合ですけど、リーグワンでプレーできていることで感じることは?
毎週チームがやろうとしていることを、司令塔として9番の(岩村)昂太さんと良くコミュニケーションを取りながら、敵陣でどれだけプレーできるか、FWにはいっぱいキャリーできる選手が多いんで、後半取れたトライのような形をもっと作れるように9番と10番でコントロールしていくのが大事かなと思います。
――今一番注力している練習は
週のはじめに出される週のプランをできるだけ早く理解して、そのうえで他のFWだったりラインアウトリーダーだったり、CTB陣とコミュニケーションを取って、どういう形でボールを外側がほしいのかとか、そういう形をどうしてほしいとか、そういう話を聞いていって、試合の2日前の大きい練習でそういうのもしっかりできるように。それが今週はできてたんで、それが試合につながったのかなと思います。
――グレン・ディレーニHCさんの出身であるカンタベリーでプレーしていたことでやりやすさは?
そうですね、アタック面ではジョー・マドックコーチがやっているんですけど、やっていることは結構ニュージーランドスタイルなんで、自然にやっている感じで、一緒の考え方をしているなということは僕も認識しているんでやりやすいですね。
――対面は田村選手でした
前半の田村さんのコントロールはすごくうまいなと思いました。風下でゆっくり時間を取りながら、僕らを12点に抑えられていたんで、その辺はすごい経験やなと思っています。

――今日はエディー・ジョーンズ日本代表HCが見に来ていましたがジャパンは?
本当ですか?全然考えていないですね。今はとにかく試合に出たいんで。試合時間を増やせていけばいいかなと思っています。

