京産大が23年ぶりのリーグ優勝に王手!天理大との大一番を制する | ラグビージャパン365

京産大が23年ぶりのリーグ優勝に王手!天理大との大一番を制する

2021/11/20

文●編集部


20日、神戸ユニバー記念競技場では関西大学Aリーグ、注目の大一番、京都産業大学(現在リーグ1位)と天理大学(現在リーグ2位)の優勝をかけた戦いが繰り広げられた。

ここまで5戦全勝の京産大は、部内でコロナ陽性者が出た影響を受け、活動休止を余儀なくされた。活動を再開したのは9月に入ってから。リーグ戦初戦となる立命館大学戦では、試合勘含め、チームがゲームにフィットするまで時間を擁し、前半リードされて折り返すも後半、ラウシー、ソロモネといったパワフルなランナーを中心に攻撃を組み立てリズムをつかむと連続トライで突き放し41-20で勝利した。

8月の活動休止からトレーニングは個々の選手が自主的に行い「ラグビーがやりたいというメンタルが高まった」(平野叶翔キャプテン)という。その思いをピッチで出せる喜び、そして愚直にひたむきにプレーし続ける京産大のラグビーを体現し、勝利を積み重ねた。

第3節では、今シーズン、台風の目となっている近畿大学との対戦。試合の入りは近大にスクラムでペナルティーを取られるなど相手の流れになる時間帯もあったが、今年の京産大は「試合中に修正できる」アジャスト力が持ち味。しっかり後半、PGで突き放すと得点力がある近大のトライを後半は1本に抑え込み勝利。

前節の同志社大戦では、22-19と3点差の僅差で勝利。「FWが同志社のプレッシャーに耐えてくれたと思います。この試合は京産大にとって次に繋がる試合」(廣瀬佳司監督)と話し、天理大との大一番、さらに23年ぶりのリーグ戦優勝にむけチームとしてはいい流れで迎えた。

一方、天理大は開幕節の近大戦でまさかの黒星。主力メンバーの多くが怪我ということもありベストな状況ではなかったとはいえ、トーナメント戦に近いリーグ戦の状況で1敗は大きかった。小松節夫監督は「関西で負けるのは本当に久しぶりで、この負けをどう捉えるか考えて、チームで諦めずに頑張っていきたい」と試合後に話した。

その後、天理大は関大、摂南、立命、関学に連勝。この試合から上位校の連戦となる。先日、日本協会からの発表で大学選手権の関西リーグ枠が4枠になったことを受けて、選手権出場は確定しているものの、リーグ戦6連覇をかけた負けられない試合だ。

MATCH REVIEW

序盤ペースを掴んだのは天理。ボールポゼッションで優位に立つと、セットプレー、スクラムでもプレッシャーをかけ京産大陣内ゴール前での時間帯が続いた。天理の強みの一つである強力FWとモールでゴールに迫るも、京産大がしぶとく、粘り強いディフェンスでトライを許さない。

京産大は少ないチャンスを活かす。京産大PR平野叶翔キャプテンがハーフウェイ付近で相手ボールに絡んでジャッカル。PKを獲得するとようやく敵陣22m入る。ラインアウトをしっかりキープすると、FL三木、CTBヴァカラヒ、LOラウシと強いランナーでゴール前までボールをキャリー。最後は平野がピックアンドゴーでトライ。FB竹下拓己のコンバージョンも決まり7-0と京産大が先制。

天理は32分、HO佐藤がハーフウェイ付近から敵陣22mの裏スペースにボールを転がす。ラウシがカバーに入るも天理もすぐさまチェイス。FB江本がラウシにタックルをすると佐藤がボールに絡みノットリリースザボールのペナルティー。天理がタップキックでリスタート。FWで近場でフェイズを重ねるとSO筒口がインゴールへショートパント。自ら抑えてトライ。天理が同点とする。

さらに40分、天理がスクラムでペナルティーを獲得。ショットを選択すると筒口が決めて10-7と逆転に成功し前半を終えた。

3点を追いかける天理が開始早々、相手のミスからチャンスを掴む。敵陣22m手前のマイボールスクラム。フェイズを重ねる京産大。天理がラインオフサイドのペナルティー。京産大は竹下が確実に決めて10-10の同点とする。

51分、京産大の勢いあるアタックを受けてしまった天理はハイタックルのペナルティ。再び竹下が決めて13-10。さらに23分、37分、と自陣でペナルティ。いずれも竹下がPGを決め19-10とリードを広げて、後半も残り少ない時間帯となる。

後半ノースコアの天理は、怒涛の攻撃をしかける。苦しい時間帯でも京産大のディフェンスは集中力きれることなく天理をおさえこみノーサイド。19-10で京産大が天理大に勝利し全勝をキープ。23年ぶりのリーグ優勝に大きく近づいた。

最終節は、今季未勝利の関西学大。勝利すれば優勝が決まる。敗れた天理大は2敗目。最終節は同志社大と対戦。

SCOREBOARD

関西大学Aリーグ第6節 2021.11.20

  • TRY(1)
  • G(1)
  • PG(4)
  •  
  • PENALTY
  • PK(12)
  • FK(3)
  • TRY(1)
  • G(1)
  • PG(1)
  •  
  • PENALTY
  • PK(13)
  • FK(1)
  • TIMELINE

  • 前半22分 京産⼤ 3.平野 T 5 - 0
  • 前半23分 京産⼤ 15.⽵下 G 7 - 0
  • 前半35分 天理⼤ 10.筒⼝ T 7 - 5
  • 前半35分 天理⼤ 10.筒⼝ G 7 - 7
  • 前半43分 天理⼤ 10.筒⼝ PG 7 - 10
  • 後半5分 京産⼤ 15.⽵下 PG 10 - 10
  • 後半14分 京産⼤ 15.⽵下 PG 13 - 10
  • 後半23分 京産⼤ 15.⽵下 PG 16 - 10
  • 後半37分 京産⼤ 15.⽵下 PG 19 - 10
  • MEMBER_京都産業大学

  • 1 野村三四郎 後半 31分 OUT → IN 17 ⽊村圭汰
  • 2 梅基天翔
  • 3 平野叶翔
  • 4 フナキ・ソロモネ 後半 37分 OUT → IN 19 堤⽥京太郎
  • 5 アサエリ・ラウシ
  • 6 福⻄隼杜
  • 7 三⽊皓正
  • 8 藤井颯 後半 24分 OUT → IN 20 ヴェア・タモエフォラウ
  • 9 廣⽥瞬
  • 10 家村健太
  • 11 松岡⼤河
  • 12 ジェイミー・ヴァカラヒ 後半 24分 OUT → IN 22 ⻄仲隼
  • 13 堀⽥礼恩
  • 14 船曳涼太
  • 15 ⽵下拓⼰
  • 16 内⼭⼆千⽃
  • 17 ⽊村圭汰
  • 18 杉本祐太
  • 19 堤⽥京太郎
  • 20 ヴェア・タモエフォラウ
  • 21 ⼟永旭
  • 22 ⻄仲隼
  • 23 ⾼井良成
  • MEMBER_天理大学

  • 1 高橋虎太郎
  • 2 佐藤康 後半 23分 OUT → IN 16 谷口永遠
  • 3 金山忠次 後半 37分 OUT → IN 18 松野楓舞
  • 4 ナイバルワガセタ
  • 5 アシペリ・モアラ
  • 6 鄭兆毅 後半 16分 OUT → IN 20 パトリク・ヴァカタ
  • 7 服部航大
  • 8 山村勝悟 後半 41分 OUT → IN 19 亀沖泰輝
  • 9 北條拓郎 後半 23分 OUT → IN 21 藤原健之朗
  • 10 筒口允之
  • 11 内村祐介
  • 12 高部勇 後半 41分 OUT → IN 22 間森涼太
  • 13 奥田北斗
  • 14 アントニオ・トゥイアキ 後半 0分 OUT → IN 23 マナセ・ハビリ
  • 15 江本洸志
  • 16 谷口永遠
  • 17 宮田悠暉
  • 18 松野楓舞
  • 19 亀沖泰輝
  • 20 パトリク・ヴァカタ
  • 21 藤原健之朗
  • 22 間森涼太
  • 23 マナセ・ハビリ
  • COMMENT

    京都産業大学 廣瀬佳司監督


    2013年から天理には勝っていない。今年はチャンスだといって学生たちを送り出しました。前半、天理のプレッシャーで反則があり、耐える時間が長かったですがよく耐えてく照れたと思います。後半は、逆に風上となり、プレッシャーをかけてペナルティーをもらってPGで積み重ねて勝つことができました。


    ――ディフェンスがよかった。就任してからディフェンスに対する指導は


    特に1on1タックルのスキル面をやってきた。そこからチームディフェンスに移行してきましたが。指導する以上に選手たちが前に出て(ディフェンスして)いこうという意識が高かった。選手たちが作り出した(ディフェンスという)感じです。


    ――後半、風上というのはあえて前半風下を選択したということですか。


    そこは狙っていないです。コイントスで(たまたま)前半風下だったので、後半はもっとアグレッシブにボールを動かしていけるかなと思っていましたが、こちらのミスやプレッシャーからペナルティーを犯しなかなかリズムにのれなかったと感じています。ですが、こちらもプレッシャーを重ねてPKを獲得して得点を重ねることができていたと思います。
    選手たちがゲームをしっかりとコントロールしてくれていました。


    ――23年ぶりのリーグ優勝に王手


    今日は、天理に8年ぶりに勝てたということで、学生も私も良い1日になった。まだあと、関学戦があるので全勝で23年ぶりの優勝を掴み取りたい。



    ――キッカーとして勝敗を握るキープレーヤーとして竹下選手が「自分のキックに責任をもつように意識している」と言われましたが監督からみてそう感じますか?



    感じている。平野がペナルティーをとって竹下が決める。シーズンを深めるにあたり、そういう京産大らしい得点のとり方ができてきている。毎試合毎試合成長しているなと感じています。


    京都産業大 PR平野叶翔キャプテン


    天理のいいアタックから、ディフェンスでうまくいかないことがあった。そしてプレッシャーを受けて我慢しなければならない時間が多かった。ただ、そういう(我慢する)練習をしてきたので、みんながしっかりと耐えてくれた。規律のいいディフェンスができたラグビーで、相手にプレッシャーをかけてPGを取ることができたのが勝因だと思います。


    ――天理に対してモールディフェンスのポイントは


    しっかりと組まれると強いのは知っていたので、組ませない、足を動かすこと。そういう練習もやってきました。普段であれば、アタックにフォーカスして練習していますが。8割くらいモールディフェンスの練習に時間を割いてもらいました。その結果がこの試合で出たと思います。

    ――「ディフェンスは学生たちが作ってきた」と監督はいっていましたがどういう意識をしてディフェンス練習をしてきましたか。


    今年から、前にでようと指導していただけたので、そこを意識していたのと、前にでることで、余裕をもって状況判断をしてディフェンスができるようになった。


    ――前に出るディフェンスですが、オフサイドが少なかったですね。


    今シーズンはオフサイドのペナルティーが多かったので、レフェリーとコミュニケーションして、試合中に修正して下がろうという意識をもっていました。



    ――我慢を耐える時間帯の練習とは具体的にどんなこと?


    特別なことはしていないです。京産らしい。粘り強さをやっていこうという意識をもった練習です。

    ――ここまで全勝ですが、昨年と違う点はなにかありますか


    これまでとやっていることは変わらないですし、ここまで先輩たちが残してくれたことを体現していて、それが試合の結果に出ているというだけかなと。京産大らしいラグビーをしようと臨んでいます。



    ――スクラムの手応え


    前半はペナルティーをとられていたので、レフェリーとコミュニケーションとって、ハーフタイムにどう組めばいいか話すことができた。後半は、押し込めたり、うまく組める回数が多かった。(具体的に?)ヒットや低さもよいスクラムが組めました。


    ――今日はスタンドに多くのファンの方が訪れていました。改めて喜びを教えて下さい。


    最後の最後までわからない試合でした。ただ、後半、9点差ということでメンタル的に余裕をもって戦えました。笛がなった時はやっと勝てたんだという気持ちになりました。


    ――23年ぶりのリーグ優勝まで目前です。今の心境は。


    リーグ優勝も大きな結果の一つですが、これまでとやっていくことは変わらないので良い準備をして次の関学戦に挑みたいと思います。

    京都産業大学 FB竹下拓己


    タフな試合になることはわかっていました。それ以上にみんなが、チーム全体で粘り強くひたむきに戦ってくれた。そして、ペナルティーをとってくれて、キックができて、得点を積み重ねることができた。今日は京産大の我慢強さが出たと思います。



    ――これまで近大、同志社大とPGで明暗が分かれる試合をやっている。プレッシャーはありませんか


    (いずれの試合も)タフな試合になるのはわかっているので、普段の練習から自分に自信をもてるようにどれだけ多くのキックができるか。そして自分がキックを蹴ることに対して、責任感をもっています。

    天理大学 小松節夫監督


    強い京産大に対して、しっかりチャレンジャーの気持ちでぶつかろうという風に今日の試合は臨みました。強みであるセットプレーではしっかり戦えたと思うのですが、スコアできるところでできなかった。その展開で後半自分たちのペナルティーで失点を重ねてしまった。
    まだリーグ戦は同志社戦がのこっているので、最後勝利して選手権に臨みたい。


    ――中盤のアタックでなかなかゲインができなかった要因


    京産大のディフェンスが良かった。余りがなかった。そこはしっかりオフロードでつないだりして突破するとかしないとゲインできない。FWもなかなか突破ができなかった。

    ――後半からマナセ選手を投入したのはゲインをするための意図があった。


    WTBではなく、CTBにいれて、アクセントをつけたいという意図で変更しました。


    天理大学 HO佐藤康キャプテン


    前半、勝って折り返せたんですが、後半自陣にいる時間帯が長く、セットプレーでペナルティーが増えてしまい簡単に得点されてしまった。そこを見つめ直して次の同志社戦に臨みたい。



    ――前半15分、ゴール正面でショットを選択のは


    先に用意していたプレーがあって、自信があってそれで勝負しようとおもいました。

    ――京産大のモールディフェンスはどこが強かった


    ああいう風に来るとはわかっていたんですが。自分たちのモールを組みきれずにやられてしまった。次はモールでとりきれるようにしたい。



    ――6連覇が途絶えてしまったことについて


    自分の代でこういうふうになってしまった、途絶えてしまいましたが、次を見ないといけないのでしっかり準備していきたい。


    ――スクラムについて、前半ペナルティを取れたけど後半は逆に取られてしまったのは


    フロントスリーの戦いで、向こうの方がうまいように組んでいた。そこで試合中の自分たちの対応が足りなかった。もう少し対応能力をあげていきたい。

    FW戦になるとイメージしていたけど、自分で8人固めてスクラム組もうと話をしていましたが…。そこはコミュニケーションをとっていきたい。

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