11月30日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学ラグビーリーグ戦1部の最終戦が行われた。6戦全勝で首位に立つ東海大が、勝てば逆転で3位になる流通経済大の挑戦を受けた。
東海大は0-10と先制されたものの、前半24分にはラインアウト起点に、左右にボールを動かしLO中村太志朗(3年)がトライ。27分にはSO北村光基(4年)が個人技でトライ、さらに38分にはラインアウトからCTBコンラッド・セブンスター(3年)が一発で取り切り右中間にトライ、さらにロスタイムにもう1トライを挙げて26-17と逆転して折り返した。

中村太志朗のトライ

コンラッド・セブンスターのゴール

北村光基のトライ

コンラッド・セブンスターのトライ
後半もオフロードパスをつないでトライを挙げたが、相手の反撃に遭い、モールから2トライを許して後半27分には33-31と2点差に迫られた。だが、接点で前に出続けた東海大は29分、SH吉田永遠(4年)がトライ、34分にCTBセブンスターが50mのPGを決めて、さらに38分にPR小浜由路(3年)もトライを挙げた。終わってみれば46-31で勝利し、関東リーグ戦史上最多となる14度目の優勝を飾った。

ウェスリー・トンガ

セブンスターが50mのPGを決める
昨年連覇が6で途絶えてしまった東海大だったが、今年は7戦全勝(勝点40)で、2シーズンぶりの王座奪還となった。14度目の優勝は13回の法政大を抜く単独トップの数字となった。

東海大が2年ぶり14度目のリーグ戦優勝
なお関東リーグ戦1位となった東海大は、大学選手権はシードとなり12月20日の準々決勝(※京都産業大対慶應義塾大の勝者と対戦)から参戦となる。
HIGHLIGHTS
東海大 木村季由監督

薄田周季キャプテン・木村季由監督
リーグ戦の最終戦ということで、とにかく今までの集大成になるようなゲームにしようとした。課題はリーグ戦が続く中であって、秩父宮が初めての学生もいる中で、どれだけ地に足についたラグビーができるか、にフォーカスしようとした。やることは明確で、プレッシャーの中で違うことが起きるが、流通経済大さんとは毎年、最終戦、厳しい試合になるが、よく勝ち切れたと思います。本当に流通経済大さんの粘りに成長させてもらえた。心からありがとうございますと言いたい。

東海大学スタッフ陣
――昨季3位から、今季は全勝優勝です。
学生ですので、毎年新しいチームになっていくが、うちの場合は上級生になって初めて試合に出る選手が多いもんですから、今年は薄田キャプテンを中心に1つ1つ階段を上ってきた。「勝心」というスローガンを掲げて、勝つことにこだわって日々過ごしてきて、リーグ戦の(全勝)優勝は我々にとっては大きな成果と感じています。昨季はケガ人が多くて、いろんなアクシデントがあって、チーム作りがうまくいかなかったところがあったが、今年はそういったところも改善しながら、今日は勝つことが一番の目的だったので、良かったなと思います。
――初戦は12月20日、京都産業大対慶應大の勝者と対戦します。
相手がどこであっても、この選手権までの3週間、幸いにも大きなケガ人もなく来ているので、メンバー間のズレを修正すべくレベルアップするための大切な時間帯になるのかな。それをすることで自分たちの武器をいかんなく発揮できる。(大学)選手権では自分たちから勝手に崩れてくるシーンがあり、浮き足だってうまくいかない。そういったことをなくしていかないと勝てない。そういうことを徹底してやっていきたい。
(ズレとは)プレーの遂行する判断も含めて、プレッシャーの中、正しい判断して、みんなが同じ画、セイムページを作り上げることに時間をかけていかないといけない。
キャプテンNO8薄田周希

薄田周季キャプテン
今日の試合、流通経済大さんは絶対、フィジカルで勝負してくると読んでいて、そこでどれだけ前に出させないか。フィールドプレーではタックルに入ってうまく前に出させないディフェンスできたが、そこで不用意なペナルティーを起こしてしまった。そしてセットプレーのアタックに自ら付き合ってしまった。ペナルティーのところはリーグ戦通して改善できていないので、そこが課題になってくると思います。それ以外のところはフィジカルで戦えていたので評価できると思います。
――全勝優勝です。
本当に去年が思うような結果ではなく、連覇が途切れてしまったが、自分たちの手で一歩踏み出せて良かった。去年は15人が揃ってシーズン通すのが厳しい状況だったが、春からケガをしない体作りをしてきて、ケガ人が少なくここまでやってこられて、春の積み上げが今につながっていると思います。
――セットプレー、そしてオフロードパスで良いアタックが見られました。
セットプレーからのアタックは準備しやすいので準備していました。オフロードパスは春から準備してきたので今日は多くでたかなと思います。
――初戦は12月20日、京都産業大対慶應大の勝者と対戦します。
もちろん、今までリーグ戦に勝つためにやってきたが、大学選手権で優勝するためにこの1年、積み重ねてきた。それに向けた準備もできていますし、(関東)リーグ戦勢が勝つと大学ラグビーも盛り上がると思う。僕らが1位になったので、その使命があるので、あと3週間あるので、どっちが来ても勝つための準備をしたい。
SCOREBOARD
関東大学リーグ戦1部 第7節
TRY(4)前半21分 4.福田拓人, 前半34分 1.土屋英慈, 後半17分, 後半26分 2.土井雄斗G(4)前半22分, 前半35分 10.紺井大士, 後半18分, 後半27分 22.隈江隆希PG(1)前半5分 10.紺井大士 PENALTYPK(10)FK(1)TRY(7)前半24分 4.中村太志朗, 前半27分 10.北村光基, 前半38分 13.コンラッド・セブンスター, 前半45分 7.細川聖, 後半7分 7.細川聖, 後半29分 21.吉田永遠, 後半38分 18.小濱由路G(4)前半25分, 前半28分 13.コンラッド・セブンスター, 前半46分, 後半8分 13.コンラッド・セブンスターPG(1)後半34分 13.コンラッド・セブンスター PENALTYPK(8)FK(1)1 土屋英慈 後半34分 OUT → IN 16 土方倖矢2 土井雄斗 後半34分 OUT → IN 17 小澤天3 長田士導 後半25分 OUT → IN 18 松尾燎治4 福田拓人 5 中野莉音 後半16分 OUT → IN 19 キム・ボムソック6 益田遥眞 後半8分 OUT → IN 20 佐藤椋介7 豊田晃清 8 ティシレリ・ロケティ 9 幸妻怜治 後半25分 OUT → IN 21 竹本悠希10 紺井大士 後半11分 OUT → IN 22 隈江隆希11 仲野優輝 12 アンドリュー・ヘイウォード 13 加藤アディナン 後半25分 OUT → IN 23 中川輝也14 濱谷海斗 15 青木鴻志 16 土方倖矢 17 小澤天 18 松尾燎治 19 キム・ボムソック 20 佐藤椋介 21 竹本悠希 22 隈江隆希 23 中川輝也 i>22 隈江隆希
23 中川輝也
東海大学
1 小柳(木に夘)竜晟 後半27分 OUT → IN 16 大橋蓮音2 川村航平 後半27分 OUT → IN 17 津田仁3 杉浦皓亮 後半31分 OUT → IN 18 小濱由路4 中村太志朗 5 トゥポウ・ランギ 6 張剛士 後半31分 OUT → IN 19 大原功泰7 細川聖 後半15分 OUT → IN 20 末吉晃樹8 薄田周希 9 川久保瑛斗 後半27分 OUT → IN 21 吉田永遠10 北村光基 11 鬼頭慶 12 羽根田陸 13 コンラッド・セブンスター 14 ウェスリー・トンガ 後半31分 OUT → IN 23 正木空馬15 浦本明惟 16 大橋蓮音 17 津田仁 18 小濱由路 19 大原功泰 20 末吉晃樹 21 吉田永遠 22 古屋健太朗 後半40分 OUT → IN 13 コンラッド・セブンスター23 正木空馬
関東大学リーグ戦2025・ベストフィフティーン
関東大学リーグ戦は今季の全日程を終了し、恒例のベストフィフティーンが発表された。