ながとブルーエンジェルスが3大会連続優勝!総合優勝に王手。MVPは辻崎由希乃 | ラグビージャパン365

ながとブルーエンジェルスが3大会連続優勝!総合優勝に王手。MVPは辻崎由希乃

2023/06/19

文●編集部


18日、三重県・三重交通グラウンド・スポーツの杜鈴鹿で行われた「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023・第3戦鈴鹿大会」のファイナルは3大会連続で同じカードとなった。ここまで2大会連続優勝を果たしているながとブルーエンジェルスに、2度敗れている日本体育大学ラグビー部女子が挑んだ。



前半2分、ナディーン・ルースのトライでながとが先制するとさらに4分、日体大陣内で、ながと・バティヴァカロロライチェル海遥キャプテンがジャッカルでボールを奪うとそこから攻勢をかけるながと。ボールを左右に大きく展開し、最後はサクラセブンズ・大谷芽生がトライ。ナディーンのゴールもきまって14-0とながとがリードして前半を終えた。

前半2分ナディーン・ルースの先制トライ

前半2分ナディーン・ルースの先制トライ


自らコンバージョンを決めて7-0

自らコンバージョンを決めて7-0


敵陣深くでバティヴァカロロライチェル海遥がターンオーバー

敵陣深くでバティヴァカロロライチェル海遥がターンオーバー


大谷芽生

大谷芽生


平野優芽

平野優芽


大谷芽生

大谷芽生


バティヴァカロロライチェル海遥

バティヴァカロロライチェル海遥


大きくボールを動かしたながとは、前半4分、大谷芽生がギャップをついてトライ。

大きくボールを動かしたながとは、前半4分、大谷芽生がギャップをついてトライ。


後半1分、日体大が大内田夏月のトライで反撃。さらに敵陣深くで高橋夏未がジャッカルに成功し、PKを獲得。新野由里菜キャプテンはタップからの再開を指示。自らボールを持ってクラッシュ。右サイドに展開し、堤ほの花が、ながと磯貝美加紗のタックルを交わし前進。ルースのタックルをうけながらも後方からサポートしていた新野由里菜にオフロードパスをつなぎ、新野がトライ。12-14と2点差に迫り、試合も終盤を迎える。

後半1分、日体大・大内田夏月のトライで反撃開始

後半1分、日体大・大内田夏月のトライで反撃開始


新野由里菜のコンバージョンも成功

新野由里菜のコンバージョンも成功


高橋夏未がジャッカル

高橋夏未がジャッカル


新野由里菜が仕掛ける

新野由里菜が仕掛ける


高橋夏未

高橋夏未

堤ほの花が磯貝美加紗のタックルを交わし更に先進。ルースのタックルをうけながらも後方からサポートに入った新野へオフロード

堤ほの花が磯貝美加紗のタックルを交わし更に先進。ルースのタックルをうけながらも後方からサポートに入った新野へオフロード


そのままインゴールへ

そのままインゴールへ


堤と新野がハイタッチ

堤と新野がハイタッチ


決まれば同点となるコンバージョン。大きく深呼吸をする新野

決まれば同点となるコンバージョン。大きく深呼吸をする新野


集中力を高めてキックするもわずか左にそれて12-14のまま

集中力を高めてキックするもわずか左にそれて12-14のまま


辻崎由希乃が向來桜子をハンドオフして前進を試みる

辻崎由希乃が向來桜子をハンドオフして前進を試みる


ラックからピックしたながと⑧キヴィットが勝利に大きく近づくトライスコア

ラックからピックしたながと⑧キヴィットが勝利に大きく近づくトライスコア


すると後半5分、ながとは自陣からボールをつないで敵陣に入ると、辻崎由希乃が向來桜子をハンドオフし前進を試みる。最後はラックからブルーニー・キヴィットが試合を決めるトライ。結局、21-12でながとブルーエンジェルスが勝利し、今季負けなしの全勝で3大会連続の優勝を果たした。

ながとブルーエンジェルスが3大会連続の優勝を果たした

ながとブルーエンジェルスが3大会連続の優勝を果たした



残り最終戦を前に、ながとは総ポイント数を60と伸ばし、2位の日体大に6ポイント差をつけた。第4戦・花園大会で3位以上になれば2年ぶりの王者に返り咲きを果たす。

ライチェルに代わり、トロフィーを受けるバイスキャプテンのパラキゆき

ライチェルに代わり、トロフィーを受けるバイスキャプテンのパラキゆき


MVPは辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス)

MVP発表の瞬間、びっくり!

MVP発表の瞬間、びっくり!



この大会のMVPは、辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス)が選ばれた。準決勝で今シーズン初めて東京山九フェニックスと対戦。対面となる、最大かつ最速のボールキャリア―であるニア・トリバーを止めたシーンはその場にいた全員の心に焼き付くエキサイティングなプレーだった。バスケットボールから競技変更しラグビーに挑戦して5年。今シーズンはサクラセブンズにも招集され、ワールドシリーズを経験した。プレーにもこれまで以上に磨きがかかり大きな成長を遂げている。

――MVPおめでとうございます。


呼ばれたときは「私?」と思ったんですけど、自分だけのMVPじゃなくて本当に今大会も12人全員で勝ち取った優勝だったので、私達全員のMVPだと思います。


――ニア選手へのタックルはとても印象的でした


最初CTBのポジションだったので、磯貝美加紗が私の隣でずっとニアのことを止めていてくれました。交代して私がWTBに入ったんですけど、あのときは、自分で抜かれてしまって、(磯貝)美加紗の頑張りを無駄にできないと思って、(ニアも)「同じ人間なんだから止められる!」と思って頑張りました。

ニアとの対峙

ニアとの対峙


辻崎がニアをタッチに追い詰め押し出す

辻崎がニアをタッチに追い詰め押し出す


――ニア選手に対して事前の準備や注意していたことはありますか?


自分はそんなに走るのが速くないので、スペースを先にとって、しっかりタッチラインとタックルに入れるような間合いを考えて、どれだけゲインされてもトライを取られないように止めようと思っています。

――技術的な部分で、ニア選手に抜かれないように意識したことは?


技術的には、本当に私は足が遅いので、ただ勝負しただけじゃ負けるのはわかっていて、昨年の静岡大会でも2度、ニアにやられているので、もう同じことはやられないように。あとは本当にインサイドからセンターのチームメイトが内にプッシュしてきてくれたので、もうそれを信じて自分は外だけ止めるということと、タッチラインを意識して、もう一人の仲間と走ることを意識する練習をしてきました。



――(競技経験のある)バスケットも活かしている?


どうですかね。バスケットが活きたのかどうかはわかりませんが、あのときはもう本当に一瞬で負けると思ったので、ゲインされてもいいかなと思ってしっかり周りをみながら、「ここに走れば、ここに追い込める」というのが瞬時にわかって反応できました。もしかしら、日々うちの外国人選手と練習をやっている経験がいきたのかなと思います。

――決勝ではいい走りをしました。あれはどのようなシチュエーションだったんですか


前が結構空いていたので自分でトライいきたいなと思ったんですけど、自分は後半から入ったので、しっかりモメンタムを生み出すように、トライできなくても、トライに繋がるまでのゲインができるようにというのを意識して走りました。

――今シーズンはこれまで2大会ともに(東京山九)フェニックスと対戦がありませんでしたが、それは嬉しかったのか、もの足りなかったのか。


個人的には、シーズン始まる前から、すごく一番難しい相手だなと思っていたので、ホッとしていたんですけど、やっぱり去年負けて終わっているので、借りを返さなきゃいけないと思っていました。日体大よりも早いシチュエーションで倒しておきたかったというのが本音です。今回はファイナルではなくてなくて、セミファイナルで対戦になったときは「待ってました―!」という感じでした。


――国際試合で日本代表としてプレーして自分のこの辺が成長できたから今、こういうプレーができているというのはありますか。


そうですね。1対1でのステップと、内にスピートに乗りながら入ってくるというのが、去年までは感覚的にやっていたんですけど、ワールドシリーズを経験させてもらって、相手の体の動きを見たり、こう入れば抜けるというのがわかってきました。

タックルが苦手なんですが、仮にパチンと入らなくてもゲインされないようにはどうやって止めたらよいかと言う部分は、タックルの強化はしながらも、多分そこがバスケットをやってきた自分の持ち味だと思っているので、そこも伸ばせたかなと思っています。

今シーズンは、サクラセブンズに招集され、ワールドシリーズ出場

今シーズンは、サクラセブンズに招集され、ワールドシリーズ出場



――ラグビーは今何年目ですか?


今年で5年目になります。


――5年目というのはラグビーで伸びそうな時期なのでは?自分でもそれを感じますか?


そうですね。まだまだできないことがたくさんあって、毎回毎回レビューをもらうと改善点があります。なんていうかな、自分がどこまでいけるのか自分でもわからないので、すごく楽しいです。

村杉徐司ハイパフォーマンスディレクターとハグ

村杉徐司ハイパフォーマンスディレクターとハグ

――世界で活躍するようになって職場の皆さんの反応は?


会社に行くことが本当に少なくなっちゃって、会社の人と全然会えないんですけど、たまに会社に行くと「お帰り、頑張っているね」とかいろいろ声をかけていただけるので、すごく恵まれているなと思います。


――今大会も決勝の相手は日体大でしたが、今回の決勝はどうだった?


私達も熊谷大会みたいに圧倒的に勝てるとは思ってなかったんですけど、東京大会では私達のちょっとした「隙」で相手に勝てると思わせてしまったので、もう1回、今大会ではみんなで圧倒的に勝つことを目標にしていました。でも日体大さんもディフェンスがすごく組織的で穴がなかったです。自分たちのシステムを信じてみんなでやりきることをてっていました。(接戦は想定していたので)あまり動揺せずにプレーできました。

――試合の時の表情と終わってからの表情のギャップが大きいなと思うんですけれども、気持ちのスイッチを入れるタイミングは自分の中でありますか?


スイッチが入っているというか、試合中は本当に緊張して、何か心臓が飛び出るぐらいなんです。毎回毎回緊張しています。試合が終わると普通に戻るだけです(笑)。




――最終戦にむけて


今大会は初戦の予選からすごく苦しい戦いが続いたんですけど、チーム一丸となって自分たちのラグビーをすることで優勝までこれたと思っています。あと2週間、チームでしっかり(課題を)修正して4大会連続優勝、完全優勝できるように頑張っていきます。

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