バンジーが見るサクラフィフティーンの現在地とは―「うまくいかなくてもエフォートし続けること」 | ラグビージャパン365

バンジーが見るサクラフィフティーンの現在地とは―「うまくいかなくてもエフォートし続けること」

2025/07/18

文●編集部


18日、サクラフィフティーンこと、ラグビー女子日本代表は福岡・JAPANBASEにて「太陽生命ジャパンラグビーチャレンジシリーズ2025」スペイン戦の前日練習を行った。一様にリラックスしたムードで行われ、翌日の試合に向けた最終調整を行った。練習終了後、ベリック・バーンズBKコーチ)が取材に応じ、翌日のテストマッチ、さらにワールドカップについて話をした。

ベリック・バーンズBKコーチ

――サクラフィフティーンのアタック面での武器は?


我々が既に持っているものはスピード、そしてキックゲームだと思っています。世界のみなさんも我々のプレースタイルがキックで、どんどんキックで仕掛けてくると思っていることでしょう。

対してどちらかというと、見くびられているというかあまり評価されていないのがFWパックであると思っています。FWパックが頑張ってくれるからこそ、バックもアタックするための土台となるようなボールが出てくる。そういったところがあると思っています。そこについても我々の武器だと考えています。

ベリック・バーンズBKコーチ

ベリック・バーンズBKコーチ


FWコーチのマーク・ベイクウェル、そして我々のFWの選手たちがいかに頑張っているかといったところも我々の武器なんですよ。

――日本の女子代表のキックの距離が短かったり、スキルがたりないという部分はどのように改善されましたか?


この部分に関しては、私がどうこう言えたことではなく、プレーヤーがハードワークしたからこそ向上したと思いますし、キックゲームに関してはワールドクラスであると思っています。フィールドポゼッションの部分ではどこのエリアでプレーしていくかということはラグビーでは大切な部分になりますし、これまで対戦相手にはジャパンはフィジカル面でどんどん、いじめられるし、いじめることが出来る相手だと思われていたかもしれません。

スペインとの初戦にゲームキャプテンを務める向來桜子

スペインとの初戦にゲームキャプテンを務める向來桜子


だからこそ、FWの頑張ってきた点や努力してきたものは我々にとっては武器になると思っています。またBKもその頑張りに応えてキックができるからこそ、正しいフィールドでプレーができると思っています。

谷口琴美と公家明日香

谷口琴美と公家明日香


吉田菜美

吉田菜美

――選手に対してキックへの意識をどういうものをメッセージとして送っていますか?


キックのわたしのフィロソフィーは、対戦相手が誰であれ変わらないと思っています。やはり大切なことはフロントフット、前に勢いがついていた形でキックをすることだと思っています。キャリアを何度かあててからモメンタムを作ってキックをするといったところに関しては変わることは全くないです。

畑田桜子

畑田桜子


確かに我々としては大きなキックゲームそういったところに強みはあると思っています。そこは、対戦相手も同じところではあるので、そこに関しては我々が相手よりいかにうまくできるかというところが肝になるでしょうね。

松田凛日

松田凛日

――スペインはスピードもあって、スペースにボールを運ぶ、ボールを動かしてくる、同じようなラグビーをしてくると思われます。


ファンの皆様には楽しい試合になると思います。今日はちょっとあいにくの天気ではありますが、明日の天気は多分いいお天気になると思うので、天候にもよるところはあるかと思いますが、見ていて楽しめるようないいラグビーを見せることができるでしょうね。

津久井萌

津久井萌


阿部恵

阿部恵

両チームともやはりアタックを得意としている、アタックしたいというチームだと思いますし、ボールをどんどん動かしていきたいチームです。特に相手の10番、15番に関してはカウンターアタックがとても得意なプレーヤーたちが揃っています。

齊藤聖奈

齊藤聖奈


しかしながら我々としてもカウンターアタックをとても得意としているプレーヤーも揃っています。どちらのキックチェイスがうまくいくか、うまくいかなかったチームが痛手を負う、明日はそういった試合運びになるかなと思います。

細川恭子

細川恭子

――ワールドカップ前にテストマッチでセレクションの意味合いもある。どういった思いでプレーしてほしいか。


今回の2試合に関しては、いろいろとメンバーを変えながら進めていく予定です。どういった形であってもそれぞれがワールドカップへのセレクションに向けた最高のチャンスとして活かしてほしい、無駄にしてほしくないと思っています。明日に関しては、どうしても色々とコンビネーション、連携の部分を変えているので、すべてスムーズにいくとは思っていません。いかない部分もあるかと思いますし、そういった形でまた変更していく部分もあります。しかし、プレーヤーに必ずやってほしいことは、コンプリートすること、互いに競争することです。

永田虹歩

永田虹歩


代表チームとしてジャージを身につける度に、やはり家族も代表していますし、今回のように日本がホストと言う形で国代表が試合できることはあまりないので、プレーヤーたちにはそれがいかに名誉であるか、国を代表していること、チームメイトを第ホ湯してプレーしていることの名誉と責任を感じながらプレーしてほしい。

吉田菜美

吉田菜美

――フライハーフ、山本実さんと大塚朱紗さん、非常に高いレベルで競っていると思われますが二人の特徴や優れている点。さらにフライハーフの補完的な役割を期待する、今釘小町と西村蒼空選手についてもどう評価しますか


日本代表にとっても素晴らしいことだと思っています。ライバル争いが熾烈になっていますし、選手層が厚くなっている点だと思います。(今釘小)町と西村(蒼空)に関しては今週はコンディション不良といった形でセレクションにはかかっていませんが、山本実はアメリカ戦でも見せた通り、とても実力が高い。レベルもネクストレベルだと思っています。

左から、小林花奈子、大塚朱紗、山本実

左から、小林花奈子、大塚朱紗、山本実


大塚は怪我から復帰したばかりですが、十分な実力を備えています。明日の試合に関しては、その実力がいかに発揮できるかといったところを見るのを楽しみにしています。大塚は他のプレーヤーが中々できないような能力を備えているプレーヤーあと思いますし、以下にチームを明日引っ張ってくれるのか、ドライブしてくれるのか、といったところを見ていきたい。

安藤菜緒

安藤菜緒

――スペイン戦もありますが、ワールドカップを見据えてどういうことを指導しているのですか。



難しい質問ですね。やはり男子のコーチングと女子のコーチングでは少し違っている点もあると実感しています。男子であれば、経験年数だとか、プレー年数が長いので、週ごとにいろいろと変えるといったことがやりやすい点もあるかと思いますが、女子のコーチングに関しては、少し時間がかかるといったところもいくつかあるなと認識しています。

BKメンバー集合、「真顔で」というバーンズコーチだが・・・

BKメンバー集合、「真顔で」というバーンズコーチだが・・・

例えばアイルランドとの対戦にむけて我々はいくつか隠し武器を準備していはいます。アイルランドはプール予選で対戦する相手としてもキーとなる試合だと思っています。我々がここで大切なことは前もって考えすぎないことだと思っています。

吉村乙華

吉村乙華


明日にかんしては、先程も伝えたとおり、ホームで国内で相手とテストマッチを行う、中々ないチャンスですので、代表ジャージを着て、全員を代表してプレーをするのですから、いいパフォーマンスを出すというところに期待したいですね。

峰愛美

峰愛美

大多数のプレーヤーは数ヶ月ぶり、おそらく3ヶ月ぶりの試合となるようなプレーヤーもいるので、なれない部分や連携がうまくいかなといったような問題もあるかもしれませんが、プレーヤーにはどういった形であれ、エフォートを期待したいと思っています。ベストを尽くすこと、お互い相手と競り合っていくこと、エラーがあるのであれば、エラーがあってもしょうがない、その後どうしていくのか、どういった形で解決していくのか、そういったことに期待したいです。

弘津悠

弘津悠


安尾琴乃

安尾琴乃


――ワールドカップに向けてメンタル的な部分では


自分の場合、プレッシャーのかかる環境でやってきたしプレーをしてきた経験があることはとても幸運だし、恵まれているなと思います。自分自身の経験でも準備の段階でミスをしたり経験もあり、そういったことはプレーヤーたちにアドバイスしています。

小林花奈子

小林花奈子

経験も伝えますが、プレーヤーにいつも伝えているのは、「プレッシャーを受け入れること」です。もちろん、プレッシャーを感じる、緊張するといったことは感じるべき感情だと思いますし、自分も話していて本当に鳥肌が立つぐらいではありますが、そういったことを受け入れて馴染んでいくことが大切だと思っています。

長田いろはキャプテン

長田いろはキャプテン


町田美陽

町田美陽

引退してしまった今、そういった経験を全くできないわけで思い起こしたら、例えば会場に向かうまでのバスの移動や、ロッカールームの匂いだったり、そういったことは本当に特別なもので、プレッシャーというものを感じられる立場にいることが、特権である、そういったことを伝えたいと思います。緊張しているとはいえ、笑顔で受け入れていくこと、そういったことを伝えたいと思っています。

畑田桜子

畑田桜子


古田真菜

古田真菜


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