ラグビー日本代表・ジョージア戦前日レポート、ファウルア・マキシ、長田智希が現在地について話す | ラグビージャパン365

ラグビー日本代表・ジョージア戦前日レポート、ファウルア・マキシ、長田智希が現在地について話す

2024/07/12

文●編集部


12日、ラグビー日本代表は「リポビタンDチャレンジカップ2024」でジョージアとのテストマッチが行われる、仙台・ユアテックスタジアム仙台で前日練習(キャプテンズラン)を行った。2年ぶりに代表として戦いに挑む、テビタ・タタフ(フランス・ボルドー)はNO8として先発。キャプテンを務めるリーチ・マイケルは4番の背番号をつけていた。

練習後、ダンボーデンコーチ、FLファウルア・マキシ、WTB長田智希が取材に応じた。

ダン・ボーデンコーチ

ダン・ボーデンコーチ

ダン・ボーデンコーチ


――エディーから何を期待されているか


エディーはヘッドコーチとして、チームとしてやりたいこと、骨組み、全体像を描くのが優れている。自分のコーチの色、特色が発揮できるのを任されている。それぞれの選手、スキルセットの部分で最大限に活用するかというところで自由にさせてもらっている。チームにとってベストなことは何なのか、その時々においてベストなことは何なのか任されている。





――マオリの2試合で修正できたと思います。何を身につけている?


我々としては超速ラグビーというところに表れているように、速いスピードのラグビーを体現したい。チャンスをたくさん作れていて誇りに思っている。サポートプレー、オフロードはリスクと見返りが紙一重のところはあるが、そこに対してチャンスは作れていることは良いことだなと思っています。チャンスを作れていないとフラスとレーションはたまるがチャンスつくれているので良い方向に向かっていると思うが、エクスキューションの部分で最終的な精査が必要かなと思います。


齋藤直人

齋藤直人



――長田をWTBで起用した意図は


長田は非常にチームに付加価値がある選手で、たくさんのポジションをカバーできるところはもちろん、ワイルドナイツでWTBとしてプレーしているときも観客がなかなか見られないエフォートがたくさんある。オフザボールのワークがとてもハードしているし、例えば9番、10番からの肩越しのパスを取りに行ったり、チームにとって意味のあるボールタッチをどんどん狙っていける選手だと思います。ディフェンスはコンテストキックの空中戦に長けていますし、キックチェイス、バックフィールドでもハードワークしている選手として評価している。

11番で先発する長田智希

11番で先発する長田智希



――どういう経緯で東芝から日本代表のコーチになったのでしょうか?


東芝のシーズン中に、エディーとは割とはやい段階でお会いして、ジャパンのコーチングの可能性について話し合った。エディーとはプレーしたいスタイルは同じ画を描けている。エディーが大きなフレイムワークを作って、自分がディテールを追加しています。ニュージーランドで7年、オークランドとブルーズでコーチしていて、その前もアカデミーを担当していた。現役時代はスーパーラグビーとイギリスで16年間、プレーしていました。

ダン・ボーデンコーチ

ダン・ボーデンコーチ



――タタフが合流して1週間です。超速ラグビーへの適応をどう見ていますか?


TOP14とリーグワンと、我々が目指すスタイルはまったく異なっている。タタフを近くで見ると、とても大きな選手なので、テストマッチで重要なコリジョンが求められる場面で非常に活躍が期待できると思っています。

テビタ・タタフ

テビタ・タタフ



ジョージア代表と対戦する際は、モメンタムがとても大事になってくる。前にボールをどんどん進めていくことが超速ラグビーの一つなので、タタフのようなキャリーがパワフルでモメンタムを生み出す選手はとても重要です。タタフは合流後、学びたい意欲を持っていて、チーム合流して短期間ですが、システムや単語の理解もしていますし、本人のエフォート、取り組む姿勢もいいものがある。タタフがいるから、キャリーが前にいけるという周りの選手の自信がつく存在感あるプレイヤーです。





――エディーが骨組みで、ダンコーチが詳細を付け加えている。具体的には?


超速ラグビーのビジョンは、やはりスピードに重きを置いて、スピードがメインです。加えている意識しているディテールは、ランラインやキャッチ、パス、ランといった基本的なスキルが多い。テクニックは昨今のラグビーでは重要なので、選手がアライメントを合わせるか、深さを合わせるか、オーガナイズできているかに責任を持っている。

エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC



エディーが全体像を描いていますが、エディー本人もディテールには細かい方なので、合わせることを意識しています。スクラムからのアタック、フェーズのアタック、キックレシーブからのアタックを見ているが、エディーとは同じ画を見られるようにしている。


4番の背番号を背負うリーチ・マイケル

4番の背番号を背負うリーチ・マイケル



――東芝が優勝に貢献したが、そこで学んだことが今にどう活きているか?


ブレイブルーパスでの自分の役割はアタックとBKに重きを置いてみていた。アタックは昨季、非常にいい形でシーズンを終えられたと思います。スピードに重きを置くことはとても似ているが、違う点はフェーズのセットプレー、選手のアライメントが少し違う。

日本の選手は、自らよりよい選手になりたい、自分がラグビーが上手くなりたいという渇望が大きい。自分としてはそこを上手くサポートしたいと思った。日本人の選手を見ていると、制止した状態のスキルをやっている。

出場すれば初キャップの小山大輝

出場すれば初キャップの小山大輝




実践的なシナリオを積極的にやることで、ゲームライク、実践的なシナリオでできるようにとブレイブルーパスではコーチングをしていた。止まった状態ではなく動いた状態で、試合であり得る状態でのコーチングはプラスになったのかなと思います。ブレイブルーパスで学んだことは、様々なオプション、様々なアタックをするというところで、それは今回のジャパンのコーチングでも活きていると思います。

同じく初キャップとなる阿部崇人

同じく初キャップとなる阿部崇人





FLファウルア・マキシ

ファウルア・マキシ

ファウルア・マキシ



――今の気持ちは


毎日の練習がハードで、すごくいい方向に向かっている。チーム全体的にも毎日、毎日の練習をいい姿勢で取り組んで、超速ラグビーという自分たちの目指すラグビーをやっているのかなと思います。


――明日の試合に向けて


自分の強みはタックルだったり、ボールキャリーもそうやし、チームに貢献できるプレーしたい。勝つにつながるプレーができたらいいなと思います。


――タタフ選手が合流しました


そうですね、もう1回、一緒にテビとラグビーができて嬉しい。明日は楽しみです。


――相手はFWの強いジョージア代表です。


相手、フィジカルなチームとわかっている。大きいFWだが、自分たちにフォーカスして、やってきたことは通用すると思うので、明日はフィジカルのところで負けないように、FWとしてセットプレーだったりと相手を圧倒したい。

僕は仙台が初めて、今日、朝起きてビックリしたことは、ホテルから観音様が見えた。すごくビックリしました。こんな大きなものを初めて見た。昨日は夜やったので見ていなかったが、朝見て、ビックリしました。


――リーチが4番に入りました。スクラムで勝つことが鍵になってくると思います。


(リーチさんは)練習もすごく良くて、すごいなと思います。初めてのロックもそうだし、ロックの役割や取り組む姿勢は間違いない。本当に真面目で、大丈夫だと思います


――ジョージア代表のスクラムに勝つためにはどんな準備が必要?


セットプレーやったら、スクラムで、どんどん相手を押したり、モールでも相手がガンガンやって来たらと思うので、待ったら負けなので、自分たちから仕掛けたい。相手のセットプレーつぶしたら 自分たちのやりたいラグビーにつながってくる そのあたりで勝負したい


――2023年は惜しくもW杯で落選しました。今、思うことは?


先をあまり見ずに、目の前のことにしっかりフォーカスしたい。今はこういう機会、もう1回代表に入れて 試合に出られるように、練習でハードワークしている。去年は悔しい思いでしたが自分は今のことにフォーカスして、試合に出られるように取り組んでいます。

WTB長田智希

長田智希

長田智希



――11番を背負うのは日本代表では初めて?


初めてで、大学もないと思います。11番は初めてですが、14番のWTBとしては試合に出たことがあるので自分の役割を果たしたい。細かいサポート、キックチェイスやオフザボールのハードワークを大事にしながら試合に臨みたい。週の頭に11番で入っていたが、先週も練習するメンバーの関係でWTBに入っていたので、(今週も)最初だけかなと思ったら試合のメンバーに入ってちょっと驚きだったが、しっかりコーチ陣が求めているところを理解して試合に臨みたい。

――エディージャパンに適応できている?


試合を重ねて、今3試合して、1試合1試合よくなっている感触はあるが、試合の中でインパクトを与えるシーンは少ないのでまだまだ貢献度低いかなと思っています。不満ではないですが、足りないなと感じている。


――課題に感じていることは?


全体を通していうと、このエディーさんの求める超速ラグビーで、試合の中で、まだまだ体力のキャパシティーがたらない。相手の足とまったとき、そこからこっちが動けるかが大事。試合の中で、こっちも疲れていて、動けていないところがあるので、まだまだ成長しないといけないかな。




――ジャパンで11番やる上で、明日の試合で意識することは?


まず一つはハイボールのところ、WTBとしては、そこの仕事が重要になる。ハイボールの処理ができるかできないかは、試合で大事になるので、しっかり仕事したい。


――3試合を通して、周りの選手とコミュニケーションが取れてきた?


それはそうだと思います。キャッチャーだけでなく、回りのプレイヤーも含めて、ハイボールキャッチはチーム全体で取り組んでいるので良くなっていると思います。


――ジョージア代表は、BKの選手がキックを多用してくると思います


個人の選手の印象は正直あまりないが、チーム全体としてハイボールの競り方やゲームの中のキックの使い方でいうと、まずはセットプレーだと思いますが、それ以外でよく使ってくるのがハイボールで、そこがバックスリーのキャッチが重要になってくる。競ってくるところで、下にタックル入るところも、上ではたいてくるシーンもあるので、キャッチャーだけでなく、回りの選手の動きも大事になってくる。


――早稲田大出身の選手が増えたが


嬉しいですね。一緒にやっていた先輩もいるので、高いレベルでできるので嬉しい。(矢崎は)すごく自信のある選手だと思っていて、プレーにもあらわれていると思うが、あまっていない状態でもどんどんランニングで仕掛けますし、普段、話していても自信がある。それがプレーにいいように活きているなと思います。

矢崎由高は早稲田大学2年

矢崎由高は早稲田大学2年

――明日の試合は多くのお客さんが来る予定です。


長田 場所関係なしに、たくさんのお客さんが試合に見に来ていただけるのは、すごく僕らから見たら嬉しいですし、代表として良い試合、応援してくれた人が楽しめる試合、そして勝ちという結果を届けられるようにより強く思います。

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