欧州ツアー最終戦を前に、スコットランド戦の歴史をプレイバック! | ラグビージャパン365

欧州ツアー最終戦を前に、スコットランド戦の歴史をプレイバック!

2021/11/18

文●大友信彦


男子15人制日本代表が20日、欧州遠征最終戦をスコットランドと戦う。
スコットランドと戦うのは2019年W杯のプール最終戦以来。互いに8強進出をかけて戦った横浜での一戦は、日本が28-21で勝利。初のW杯8強入りを決めたのだが、その4年前、RWC2015ではスコットランドが日本の野望を砕き、同じ3勝1敗ながらスコットランドが8強入りした(南アフリカを含む3者が3勝1敗で並び、BPの差で①南ア②スコットランド③日本 となった)。
何かと因縁めいた、不穏な空気が漂う日本とスコットランドの戦い。RJ365では決戦を前に、スコットランド戦の歴史を振り返ってみる。

【プレW杯時代 1976-1986】

■1976年9月25日 日本✕ 9-34スコットランドXV(マレーフィールド)
(T:藤原優、1C1P:田中伸典)
■1977年9月18日 日本✕ 9-74スコットランドXV(国立)
(T:氏野博隆、1C:田中伸典、1P:松尾雄治)
■1986年9月27日 日本✕ 18-33スコットランドXV(マレーフィールド)
(T:千田美智仁、大貫慎二、朽木英次、1P1D:松尾勝博)


日本とスコットランドが初めて対戦したのは1976年の日本代表欧州遠征だったが、このときスコットランド側のステータスは「スコットランドXV」。キャップ対象とはしない、非公式の、いわば「巡業」あるいは「オープン戦」という位置づけだった。ちょっと見下された感じも受けてしまうが、これはスコットランドに限ったことではない。ラグビーでは国代表同士の対戦をテストマッチと呼び(サッカーでは練習試合を同じ言葉で呼ぶので混乱することが多い)、その試合に出場した数を「キャップ数」と呼ぶが、ファウンデーションユニオンあるいはビッグエイト、オリジナル8カ国などと総称される旧IRB8カ国・協会は、それ以外との国との対戦はほとんどテストマッチと扱わず、キャップ数にもカウントしなかった。それは、日本では名勝負として名高い1983年、先日亡くなった日比野弘さんが監督を務め、24-29とウェールズを追い詰めた一戦も同じで、現地での位置づけは「ウェールズXV」だった。

というわけで、スコットランドとは1976年アウェーでの初対戦、1977年の初来日、1986年の遠征、そして1989年の来日まで、初期の4試合はすべて、スコットランド側はテストマッチと認識していない。

■1989年5月28日 日本○28-24スコットランドXV(秩父宮)
(T:吉田義人、林敏之、ノフォムリ・タウモエフォラウ、朽木英次、山本俊嗣、1C2P:山本)

しかし、その4戦目は日本にとって歴史的な試合になった。宿澤広朗監督-平尾誠二主将が就任した日本代表は、初キャップの梶原宏之&中島修二の両FLが猛タックルを連発し、攻めては平尾誠二&朽木英次の両CTBの仕掛けから5トライを奪い、スコットランドXVに28-24で快勝。この年はブリティッシュライオンズがオーストラリアに遠征しており、スコットランドも主力を送り出していた。とはいえ出場していた選手は大半が5カ国対抗(当時)などを経験しているインターナショナル選手で、1987年の第1回W杯経験者も多かった。
この試合こそ、日本代表が新たな領域に足を踏み入れた記念碑的勝利だった。



【W杯時代 1991-2003】

■1991年10月5日 日本×9-47スコットランド(第2回W杯・マレーフィールド)
(1T1C1D:細川隆弘)


スコットランドが初めて日本をテストマッチの相手と認定したのは1991年W杯での対戦だった。2年前に、XV相手とはいえ歴史的勝利を奪った相手との対戦に日本では勝利を期待する声が多かったが、場所はスコットランドのホーム、マレーフィールド。スコットランドは前年の1990年5カ国対抗でグランドスラム(4戦全勝優勝)を飾るなど充実の戦力を誇り、しかも地元のワールドカップ初戦。満員の6万観衆がかけつけ、2年前の対戦時はいなかったFBガヴィン&CTBスコットのヘイスティングス兄弟、猛タックルでホワイトシャークと異名をとったFLジョン・ジェフリーら世界ラグビーのレジェンドが参戦。日本は平尾誠二主将のステップからFB細川隆弘(従兄弟関係だ)がトライを挙げるなど食い下がったが、9-47で完敗。スコットランドはこのW杯で4強入り(スコットランドにとってW杯で最高かつ唯一の成績)するほど強いチームだった。

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