矢崎由高、悔しい80分に。「あそこで取り切れないとジャパンで生きる道はない」 | ラグビージャパン365

矢崎由高、悔しい80分に。「あそこで取り切れないとジャパンで生きる道はない」

2024/10/27

文●編集部


現役大学生のFB矢崎由高(早稲田大学)は、オールブラックスとのテストマッチに先発出場を果たした。世界のトップチームにも臆することなく仕掛け、何度かトライに迫った。特に後半26分、ディラン・ライリーのパスを受け、ゴールまで数mに迫ったが、ダミアン・マッケンジーに止められてフィニッシュすることができなかった。「あそこで取り切れないというのが今の自分の現状だと痛感した。取り切れるような選手にならないとジャパンで生きる道はない」と悔しさを滲ませた。

FB矢崎由高

――試合を終えて今の気持ちは


純粋に悔しいという気持ちが大きい。前半の20分はすごい良いラグビーができて、トライキャンセルの後、マインドとエナジーが足りなくて、勝敗に直結したんだと思います。

矢崎由高

矢崎由高


――手応えは


これだけ良い準備をしてきたのに、この点差で負けて、これだけの力の差があったというところにすごく悔しさを感じます。逆にこれだけの準備では足りない。まだまだ世界のトップには届かないという教訓になったかなと思います。


――もっとどんな準備を


個人としてはベーシックなスキルから積み上げないといけない。チームとしてはさらにハードワークして、フィジカリティを上げる。あげたら切りがないが、一つ一つやっていきたい。


――オールブラックスについて


一人一人のフィジカル、スピード、どの面でも日本代表を上回っていたと思います。


――収穫は


この場に立てたという経験がすごく一番の収穫だと思っています。これを無駄にすることなく、また同じ機会があれば、次は勝利できるような準備を積み上げていければと思います。


――トライ直前でダミアンに止められた場面について


最後FBと一対一というところで自分でももう一度映像見てどうすればよかったのかというのは考えようと思っているですけど、やっぱり世界の壁は高かったというか、あそこで取り切れなかったというのが、今の自分の現状なんだというふうに痛感しました。

もう終わってしまったことなので、今からトライを取れるわけでもないですし、前を向いてもう一度レベルアップするしかない、次同じ状況がきたときはか必ず取り切れるようなそういう選手になっていかないと僕がジャパンでこれから生きる道はないのかなというのは感じています。


――6月から世界の強豪と対戦してきました。この期間を振り返って


この舞台に立たせてくれた、呼んでくれたジョーンズHCに感謝しています。たくさん自分には足りない部分がありましたが、これからの可能性を信じて使い続けてくれたエディーさんに感謝しています。出させてもらった舞台で、本当に今までの何よりも良い経験ができた。これから代表活動は来年、再来年と続いていくと思うので、また呼んでもらえるように、次は日本代表の主力となり勝ちに貢献できる選手として戻ってきたい。

――半年でここが伸びた点は


コミュニケーションの部分だと思います。たくさんのコーチ、チームメイトからコミュニケーションを大事にしようという話があって、自分としてもそれを大事にして代表活動に取り組んできたので、コミュニケーションだと思います。


――大学に戻ってのモチベーションは


もちろん高いレベルでやれていることで、自分のスタンダードも上がっているわけで、それを下げずに、準備の部分や身体を作っていく。この舞台で通用できるように心かげて、この半年間、やっていきたい。

SH藤原忍

SH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)は71分まで出場。アタック、ディフェンス両面でワークレート高くプレーし、前半のジョネ・ナイカブラとファウルア・マキシの2トライはジャパンのアタックの可能性を感じさせた。発展途上の藤原が試合後に残したコメントを紹介。

藤原忍

藤原忍


――前半最初の20分は良かったが……


マキシさんの良いタックルからワーナーのトライがあったがTMOでトライがなくなったとき、いろんなこと修正しようとコミュニケーション取ったが、次のプレーで大きくゲインして点数取られて、相手の流れになって、相手のペースになったことは修正したい。


――オールブラックスの印象


すごくトランジションの上手いチームで、どんどん強い選手があたってきて、オフロードでつないで、すごく良いラグビーをしているなと思います。

――課題は


ジャパンがアタックしているときに、いろいろ次、次、どういうプランでいく、とプレーが止まっているときに、SHは瞬時に判断することに手こずったときがあった。どんどん変えていって、上手くゲームをコントロールしないといけない。

――6万人のファンが訪れました


僕自身、ラグビーをやっていて、6万人が入った試合がなくて、ファンからの応援はエナジーになりました。


――欧州遠征に向けて


今までやってきたことを選手は信じていますし、自信になっているので勝つことだけを考えていきたい。


――先制トライを振り返って


サイン自体がしっかり決まったのが良かったのと、みんながハードワークしたから、あのトライにつながったと思います。

――超速ラグビーをトップクラスの相手にやってみて、手応えと課題は


アタックは通用する部分が本当に多くて修正しないといけないのは、すぐにタップしていくのか、落ち着いてタッチに蹴ってラインアウトにするのかの判断が適切にできたらいいと思います。僕からのパスでジョネのトライとか、セットプレーからのフェーズ中のアタックは通用していると思います。

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