「スクール★ウォーズ」に魅せられて | ラグビージャパン365

「スクール★ウォーズ」に魅せられて

2012/03/02

文●大友信彦


今回「取って出し」するのは、2000年2月の「Number」489号に掲載した「『スクール★ウォーズ』に魅せられて」である。

当時を振り返ると、平尾誠二監督率いる日本代表が、1999年ワールドカップでふがいない成績に終わり、何か、日本のラグビー界が閉塞感に包まれていたような気がする。そんなとき、思いをはせてしまう……そんな対象が、伝説的なテレビドラマ『スクール★ウォーズ』だった。『スクール★ウォーズ』には、僕らがラグビーを好きな理由が詰まっている。「人生で必要なものは、すべて『スクール★ウォーズ』から学んだ」そんな言葉を口にした人さえいた。

懸垂するイソップに、テレビの前で、頑張れ! と叫んだ。岡田奈々の赤いブルマ姿に胸ときめかせた。ドロップゴールが成功したとき、なぜタッチジャッジがポスト下にいるの? というツッコミも湧いた。
全部ひっくるめて、伝説のドラマは成立した。

もしかしたら、2011年ワールドカップ後の虚脱感に覆われている今のラグビー状況も同じなのかもしれない。『スクール★ウォーズ』に焦がれた、ラグビーの魅力を見つめ直そうとしたあの時代に、タイムトラベル!



「部員が少ないんで大変なんですよ」


昨今、いたる所のラグビー関係者が口にする台詞である。その日、そう口にしたのは東京大学ラグビー部主将の高原啓だった。99年12月12日に熊谷で行なわれた、関東大学ラグビー対抗戦グループの入れ替え戦。28対17のスコアで立教大を振り切ったキャプテンは「部員の勧誘がタイヘンなんです。東大はアメフトも強いし、最近の1年生は生意気だし……」と、ひとしきり台所事情を嘆いた後で、ため息をつきながら言った。


「ホント、スクールウォーズの再放送をやってくれると嬉しいんですが。僕らの頃は、アレを見てラグビーやってみたいと思った高校生がいっぱいいましたからね」

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