イングランド代表前日練習、ダン・コール「明日はフェアでクリーンな試合をしたい」 | ラグビージャパン365

イングランド代表前日練習、ダン・コール「明日はフェアでクリーンな試合をしたい」

2024/06/21

文●野辺優子


22日に「リポビタンDチャレンジカップ2024」で日本代表と対戦するイングランド代表が前日練習(キャプテンズラン)を行った。激しい雨が降る中、練習がスタートし前半のみ公開された。練習終了後にトム・ハリソンスクラムコーチとPRダン・コールが取材に応じた。かつてイングランド代表を指揮していたエディー・ジョーンズHCとの対戦についてダンは「彼がフィールドに何か違うものを持ち込むかもしれないことは当然承知している。それを意識するように話してきた」とエディー対策についても言及した。

トム・ハリソン スクラムコーチ



――明日の試合に向けて


準備は万端だと思います。


――イングランドは若いプロップの育成に努めているが、ダン・コールのような選手を育てるには何が必要か


ダンの成し遂げたこと、何遍も最高の舞台でプレーする能力は、ダンが世界に類を見ないものだと思います。そのような選手がまた出てくるかどうかはわかりませんが、できればそうあってほしいですね。

選手たちはハードワークしなければならないし、イングランドではセットプレーやランでも活躍しなければなりません。私たちは今いる選手たちと一緒に取り組んでいますが、若手のタイトヘッドのデータベースも持っています。ですから、テストラグビーに参加する準備が整ったときに、彼らがパフォーマンスを発揮できるよう、私たちは多くの努力をしてきています。



――スクラムに関して3つ質問があります。明日のスクラムはどうなると思いますか?これが最初の質問です。2つ目の質問は、あなたは会ったことがないと思います。あるいは、明日の日本代表のフロントローについてよくご存知でしょうか?どのくらい情報がありますか。3つ目は、ジャパンはどんなスクラムを組んでくると思いますか。


それを知るのが私の仕事ですからね。ニール・ハットリーとオーウェン・フランクスをスクラムのコーチに任命したことは、エディーのやった仕事の一つです。2人ともいいコーチだし、オーウェン・フランクスが素晴らしい選手だったのは言うまでもありません。

だから、彼らは良い指導を受けていると思います。ですから、私たちはこのチャレンジを楽しみにしています。たくさんの映像を見ました。彼らは日本代表ではプレーしていないかもしれませんが、リーグワンで実績を残しています。それはスクラムにとって良い収穫でした。

PRダン・コール

ダン・コール

ダン・コール



――PRジョー・マーラーが「これがイングランド代表として最後のツアーだ」といっていましたけど、あなたはどうですか?


今私は素敵な記者会見に出席中です。イングランドのためにプレーするのが好きだし、この環境とチームの一員であることが好きなんです。ワールドカップやシックス・ネーションズ以来、またチームに戻ってこられたことは本当に光栄なことです。それに、この経験を楽しんでいますし、何も決断していません。基本的には一日一日が勝負です。トレーニングを続けることができる間は続けるつもりです。


――ウィル・スチュワートやジョー・ヘイズなど、若いPRについては


2人とも素晴らしい選手です。身体も大きく、力強くて、爆発力があります。今シーズンのプレミアシップをご覧になった方はおわかりだと思いますが、2人とも素晴らしいセットプレーを見せてくれました。2人とも、将来も今も輝かしい有望株ですよ。

――今日は雨ですけど、明日は暑くて湿気もありそうです。どのような対策をしてきたか。


1週間前から準備していましたし、その前にもイングランドのペニーヒルで2週間トレーニングキャンプをしていました。ですから、私たちは最善の準備をし、できる限り自分たちの状況に合わせることができるのです。同様に、この10日間のトレーニングでも、疲労回復のプロトコルに取り組んできました。チャレンジになるでしょうが、私たちは暑いコンディションでプレーしてきました。イギリスだって時々暑くなるので、その準備はできていますよ。

マーカス・スミス

マーカス・スミス



――ご自身が最初に海外遠征に参加した2010年と今と比べて変わったところは?


少しはプロフェッショナルになったと言えるでしょう。しかし同時に、特に最近のスティーブ・ボーズウィックHCは、オフの切り替えができることを非常に重視しています。以前は、休みの日はあったけれど、何もなかったという感じでした。

本当に休む日という感じでした。このイングランド代表のスティーブの下で、私たちはできる限りハードな練習をし、激しいトレーニングをしていると思います。私たちの休日は、オフの切り替えができるように回復のために設けられているようなもので、本当に高いレベルのトレーニングをするなら、回復する必要があります。

東京では、外食やチームの絆を深めるための企画など、いろいろなことをやっています。私たちは東京で観光をしたり、いろいろなものを見たりすることを認められ、ホテルの外に出ることを積極的に勧められました。そのようなことは、以前はなかったと思います。

人生で2度、ラグビーで東京を訪れ、実際に出かけてその場所を楽しむことができたのはとても幸運でした。ハードなトレーニングをこなした後、スイッチを切り替えてリラックスすることができるのは、おそらく大きな違いだと思います。

――エディー日本代表HCのことはよくご存知だと思いますし、彼は対戦相手をちょっとびっくりするような、いつもと違う状況に追い込みたいヘッドコーチです。明日はどんなことが起こると予想しますか?また、彼がもたらす可能性のあるサプライズに対して、どのように準備していますか?


いい質問ですね。彼がフィールドに何か違うものを持ち込むかもしれないことは当然承知していますが、私たちのトレーニングの多くでは、その点について触れ、試合中に起こるかもしれない様々なことが私たちにふりかかってくることを選手が意識するよう話してきました。

しかし、私たちのトレーニングのほとんどは、基本的にイングランドのチームとしての戦い方を中心としたもので、日本戦の準備だけに時間を費やしていては、ベストを尽くしたトレーニングができないかもしれません。

だから私たちは、いかに試合をコントロールするか、いかに自分たちのやりたいプレーをするか、また、何か違うことがあるかもしれない、あるいは日本が新しいコーチングスタッフや新しい日本代表であるかもしれないということを意識しながら、多くの時間をトレーニングに費やしてきました。過去に見てきたものとは違うかもしれないので、その点では身体だけでなく心も鍛錬するようにしています。


――宮崎という南のほうで合宿をしていたことはお伝えしています。ヘディングの練習はしていませんでした。


笑。




――今日のキャプテンズランで何度か別の場所で円陣を組んでいましたが、どのような理由からでしょうか。


よく見ていますね。キャプテンズランで3回ハドルを組みました。従来のイングランド代表はトレーニングセッションを行いますが、このチームでスタジアムに行くのは初めてですし、今回は一度も足を運んだことのないスタジアムです。

だから、現場の環境と状況を見たかったというのがあります。チームとして、キャプテンのジェイミーが望む場所によって、フィールド上のいくつかのスペースに集まって、いろいろな話をしました。

つまり試合中に起こりうるシナリオ、通常、自陣でミーティングを行い、ハーフウェイで試合がどう進むかについて話し合い、その後、自陣のゴールライン内でどのようにタックルするか、守備をしなければならないかなどについて話し合うもので、そういうことをしました。だから、3つの異なる場所に集まって、試合の3つの異なる展開を想定してみたわけです。


――今回の東京について、どのような印象を持ちましたか?東京で何をし、どのように楽しみましたか?


美味しいコーヒーをたくさん飲みました。お店も何軒か回りました。あいにく、私はおしゃれではないし、私の体が大きすぎて服が買えなかったんですけど、故郷の家族、息子たちや妻へのお土産をいくつか買いました。新宿や原宿など、行ったことのある場所を再訪できたのは本当によかったです。2019年も拠点にしていたので、コーヒーを楽しんだり、ショッピングをしたりすることができましたが、その時は結局何も買うことができませんでした。


――スクラムコーチのトムはとても若いですが、ただ若いだけでなく、チームにもたらすことのできる特別な資質を持っているはずです。コーチとしてのトムについて教えてください


彼はとても若いです。若くは見えませんが、若いです。イングランド代表に来てから、彼は素晴らしい仕事をしています。ただ白髪が増えたみたいです(笑)。でも彼は素晴らしいコーチです。とても勤勉で、シニアの選手や若い選手がいる中で、どのように自分の考えを私たちに伝えていくかをよく理解していますし、技術的な知識も豊富です。彼自身もプレー経験が十分にあります。イングランド代表のフォワードパックやフロントローのスクラムの組み方など、彼のコーチング能力や技術的な知識、そして選手や人に対する理解力の高さが証明しています。


――明日の試合ではどんなスクラムを見せてくれるでしょうか


フェアでクリーンな試合をしたいですね。スクラムはラグビーのゲームを盛り上げるものですからね。スクラムが乱れると、ゲームに悪い影響を与えると思います。イングランド代表のスクラムはというと、私たちは、ペナルティーを受けないように、そしてしっかりとスクラムを組んで、ボールをキープできるようにすることに懸命に取り組んでいきたいと思います。


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