「小さき者が勝つために」—田中史朗 | ラグビージャパン365

「小さき者が勝つために」—田中史朗

2013/02/08

文●大友信彦


 

トップリーグ2年目の2008年、
すでに三洋電機ワイルドナイツでも
欠かせない存在のSHとして
見事な活躍を見せ続けている。
接点での強さや状況判断力に優れ、
時折見せる大きなFW相手の
激しいタックルも強烈印象を残す。
「大きな相手にはなめられたくない」という
強い気持ちから生まれてくるタフなプレー、
相手の心理を使用したクレバーな戦い方、
田中の原点がみえてくる——


 

ルーキーシーズン2007年度トップリーグの東芝戦では、三洋を41-0の圧勝に導いた

ルーキーシーズン2007年度トップリーグの東芝戦では、三洋を41-0の圧勝に導いた

2008年度のトップリーグ名鑑をめくると、最も小兵なのは163センチ。NECのWTB首藤甲子郎、日本IBMのSH田仲一正、横河のSH西田英樹の3人がそうだ。昨季王者・サントリーのSH田中澄憲は164センチ。三洋電機(現・パナソニック)のSHである田中史朗の166センチは、リーグ全体を見渡せば必ずしも『最小プレーヤー』ではない。

それでも、田中史朗を小型トップリーガーの代表と呼んでも異を唱える人はいないだろう。

田中史朗はルーキーシーズンだった昨季(2007年度)、トップリーグとマイクロソフト杯、日本選手権と三洋電機が戦った公式戦17試合すべてに先発し、うち11試合にフル出場した。マイクロソフト杯と日本選手権では4試合すべてに一時交代もなくフル出場した。シーズン総出場時間は、トップリーグ全14チームの633人の選手で6番目に長く、2008年1月に23歳になったばかりの田中史朗は、その6人の中で最も若かった。シーズン後にはトップリーグのベストフィフティーンに選ばれ、新人賞に輝いた。

2008年春、田中史朗はジョン・カーワンHC率いる日本代表に選ばれた。5月3日のアラビアンガルフ戦(花園)で初キャップを獲得し、18日の香港戦(新潟)でテストマッチ初先発。以来6月22日のフィジー戦まで4テスト連続で桜のジャージーの背番号9を背負い続けた。

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